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第21話:クレーム

 朝になり、昨日の続きスロットマシーンに座る。

 Lv0呪文を1回使用し耐毒病気付き耐久力+4のお守りを作成する。(3個作成)


 トイレットペーパーなども作成しよう。

 素材を加工するだけの通常品ならほぼ100%成功するようになった。

 目押しでリール10個中9個の成功を失敗することは無い。


 マップにマリーヌが現れる。

 今日から働きに来るんだったな。

 食堂に行くと採用した生徒のラントがすでに居た。


「おはようございます。」

「おはよう、早いね。」


 少ししてマリーヌが現れる。


「今日からよろしくお願いします。」


 仕事の説明になった、1週間で仕事の引継ぎをボニーにしてもらう。

 忙しいけれど、アイテムの販売もお願いする。


「ラント、マリーヌ運ぶの手伝ってくれ。」

「これ魔法のアイテムですか。」

「いや、ぜんまい式の時計だよ。」

「凄いカラクリですね。」


 初めての仕事は万年自鳴鐘風の時計の設置だ、時間が分からなければ仕事のシフトが作れないからね。

 一度ねじを巻けば一年使用できるので便利だ。

 本当はタイムレコーダーを作ろうと思ったけれど何かが不足しているようで選択に無かった。


 あとは早番遅番を決める。

 8時間働いて休憩は好きなときに1時間取ってください。

 残業は各自日報をつけて最後に集計して時間を教えてください。

 もう少し人を雇う予定なので、休日は5日働いて2日休日とします。

 労働契約はこんな所で良いかと二人に確認した所、休みがあるなんて待遇がいいと言ってくれた。

 人が増えるまで休み無いですが問題無い様だ。

 前はどんなブラック企業だったのでしょうか。


 昼に問題が発生した。

 子供に算数を教えているときに起こった。


「なんで、特典が使えないのか。」


 マリーヌが、貴族と揉めている。


「また計算間違いしたんですか。」

「私一度も計算間違ったこと無いけど。」


 嘘付けノートと鉛筆の計算も出来なかったくせに。

 どうやらちょっと前に魔法道具屋に売った、フレイムタンソードを買ったようだ。

 ブレードに書いてある文字を気合いで読んだらしい。

 方法を聞いたら湿らせた木に押し付けると跡が残って分かると木を渡された。


「うちで買ったのじゃないので困ります、では納得しませんか。」

「ポイントは付けて貰えないか聞いているだけだ。」

「授業が終わるまで少々お待ちいただけますか。」


 授業が終わるまで少々待ってもらい、子供を帰らせてから対応することにした。


「うちもお金の入用で売ったので2000ポイントを無条件で付けるのはご勘弁ください。」

「いいだろう。」

「1点アイテムをご注文ください、その時に金貨1000枚値引きさせていただきます。」

「金貨1000枚分か、もっと何とかならんか。」


 結構粘るなめんどくさい。

 そうしているうちに大人の講義の時間になり、人がぞろぞろ来たな。


「おう、アンドレどうした。」


 このお兄さんはアンドレと言うらしい。

 今日は副将軍は非番なのかな、久々に来ている。


「は?はっはい副将軍殿お疲れ様です。」


 実に綺麗な敬礼を見せてもらった。

 アンドレはしどろもどろポイントの説明をする。

 剣を受取った副将軍はフレイムタンソードを抜く。


「すばらしい剣だな。」

「店の中で可燃物を振り回すのは止めてください。」

「ちょ、あんた誰に向かって口を利いてるのか分かってる。」

「いや、燃えたら危ないでしょ。」


 あせるアンドレを俺は無視して続ける。


「魔法の防具をお作りしますので購入していただけるなら金貨2000枚値引きますよ。」


 周りの皆は野次馬化して話を聞いている。

 アンドレも引くに引けなくなったらしく頷く。

 ギルドマスターも居たので、ミスリルインゴットの購入にご協力お願いした。


「一筆書けば良いのか、面白そうだな任せろ。」


 金貨1万枚をマリーヌに渡しインゴットを買ってきてもらう。


 アンドレさん帰る事も出来ず副将軍の近くで直立不動、少々可哀想だな早く防具を作ってあげたい。


 インゴットが届くまでに時間が有るな。

 講義をしろと外野が五月蝿いので講義を始める。

 今日は治水の講義とします。


 1時間ほどでインゴットが届いたので講義を終了しよう。

 思ったより質問が多くて、下水道とか深井戸作成、農作物など、派生項目まで話を進めることが出来なかった。


 まだ多くの野次馬が残っているようだな。

 ちょっと待ってくださいと言って上に行く。


 スロットマシーンにインゴットを入れる。

 作成防具は、天使の鎖帷子、3回分の材料を消費する。

 さらにLv0呪文を3回使用してスロットを回す。


『チャラリー♪チャラリー♪ピ♪ピ♪ピ♪』『チャラリーリー♪』


赤青青

青赤赤

赤◎◎


 天使の鎖帷子が9個も出来てしまった。

 説明文では、フライの呪文が使用可能で、防御力は鎖帷子+3相当。

 取り出すと鎖の大きさは驚くほど小さく布のようだ、鎖帷子の上からでも服を着れそうだ。


 もう1種類は加速甲冑、魔法のミスリル製フルプレートを作る。

 これも3回分材料を消費してスロットスタート、左右リールは揃う、Lv1呪文を使い成功を率を増やすが外した。

 Lv2呪文の再リールを使用する。


『チャラリーリー♪』


赤◎赤

◎赤青

◎◎赤


 加速甲冑が3個出来た。

 ヘイストと、フライのスクロールを使い果たしたが良い結果だろう。


 マリーヌに運んでもらう、えって顔しないでくださいよ自分も運ぶからさ。

 甲冑を運んで食堂に行く。

 さあ、甲冑か鎖帷子どっちか買ってくれ、アンドレの前に置く。


 マリーヌに残り1点づつショーケース後ろの棚に飾ってもらおう。


「え、まだあるんですか」

「残り11点全部は飾らなくて良いからね。」

「11点て・・・確認してきます。」


 そんな全力で走らなくてもいいのに、よく働く従業員だ。

 2種類しかないから確認する必要は無いのだが。


 アンドレそっちのけで、副将軍、ギルドマスター、フィ師匠、カザード達がわいわい触っている。

 いやいやあんた達のじゃないから。

 

「「今作ったのか。」」


 全員でハモル、仲いいなこいつら。


「今作りましたが何か問題でも。」

「普通は20日から30日は作成に時間がかかるぞ。」

「まあ、そんなに時間はかかりませんよ。」


 アンドレが横に来て耳打ちする。


「こんな上級の防具を買うお金がありません。」

「えっ、困ったな。じゃあ半分を手付けで払えば残りは分割払いでいいですよ。」

「それは助かるが、こんな良い装備を後払いで支払っでも良いのか。」

「残りが払えないときは売れば返せるでしょう。」

「いや、我が家の家宝にするから。」

「装備しろよ。」


 アンドレは迷いに迷い加速甲冑を買うといったので、ヘイストの起動方法を教える。


「え、ヘイスト使えるの?」

「1分ぐらいですよ。」

「いやいや、すばらしい。」

「鎖帷子はフライの呪文が1日1回使えます。」

「・・・。」


 説明に満足したのか無言になったので値段を伝える、卒倒したがそれはまたの話。


「そろそろ夕飯時なので、皆さん出て行きましょ。」

「鎖帷子の方は売る予定あるのか。」

「ああ、ショーケース後ろに並べておきます。」


 マリーヌに渡す、同じ物は必要ないので後で部屋に運んでもらう。


「鎖帷子は2着作ったのか、お?今売った鎧があるけど。」 

「シリアルナンバーが違いますよ、甲冑はあと2領あります。鎖帷子は9着ありますね。」

「値引きとか交渉できるのか。」

「こっそりポイント1.5倍しますよ。」


 副将軍に鎖帷子が1着売れました。

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