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第19話:面接

 ベニーが横にいる。

 くんくん香水臭い、どうもこちらの人は汗臭いのを香水で紛らすので好きになれないな。


 朝風呂に入りたくなったのでベニーに頼むと、朝風呂は用意が面倒で嫌がられると言われた。

 でも入りたいんだもん、お願いしてもらった。


 この前のボーイが眠そうに焼けた石を持ってきてくれた。

 そういえば今日は、白金貨と金貨しか持って無かったので、チップに金貨を1枚渡すと飛び跳ねて帰っていった。

 眠そうなのは騙しか。


 風呂に入っているとベニーが、果物を持ってきてくれた。

 井戸水で冷やしてあるので冷えていて美味い。


「ベニーは女神だな。」

「フフフ、急に何を言うのかしら。」

「殺されそうになった時はどれほど助けられたか。」

「女性は言葉でなく形にしてくれると嬉しいものよ。」


 どうやらビッキーに渡した指輪が気に触ったらしい。

 同じ指輪があと2個あるからと言って、指に嵌めるとちょっと難しい顔をした。

 ビッキーに申し訳ないらしい。

 女は難しいな、ひょっとしてこれはお金や物品を要求されているのかもしれない。

 素人童貞の俺には細かい事は分からないので考えるのは諦めよう。


 昼まで時間があるので、服を買いに行く約束した。

 ショッピングと言ってもフルオーダなんだよね。


 俺は店員とベニーの話をうんうんと相槌を打っているだけだ。

 色とか、デザインとか選んでいる姿が大人の女性だな。


 昼飯を食べながら、どうしてこんな仕事をしているのかと聞いたら。

 口減らしと家の借金の肩代わりに売られたようなものだと答えた。

 給料は良いらしく、あと5年も働けば返せると言っている。

 客を多く取れればもっと早く自由になるようだ。


 聞き難かったが体売ってるんですかと聞くと、ベニーは客をあまり取らないらしい。

 借金を返すためとか、パトロンを見つけるために積極的に客を取る人もいるようだ。

 基本的に飲屋の娘は同意が必要なのと高いので、女性を買うのが目的なら専門の人を探す方が早くて安いと教えてくれた。


 座る姿が美しいので写真を撮らせてもらった、画面が大きくて撮り難いな。

 写真って何ですかと言われたので、撮った写真の画面を見せると驚いている。


 ベニーと別れて宿に戻る。

 子供達が待っていた、聞くと100マス計算も自分達でやっていたようだ。

 こいつらは優秀だな、いつもの通りサークレットを装備させて勉強を始めた。

 中学生レベルまでいけちゃうかもと思いながら時間が来たので授業終了。


 大人の講義もどこから聞きつけたか人が集まっている。

 来ないなら来ないでいいのに、講義を始める。

 質量保存とエネルギー保存の法則の話をした。

 質量保存の法則は実験もしながらの授業で、残った子供でも良く分かったようだ。


「リク先生」

「はい、なんでしょう。」

「魔法はどちらの法則も無視しているようですが。」

「魔法はこの場合無しで考えてください。」


 無いところからエネルギーや、物質を得ることが出来る魔法はどう考えてもおかしい。

 フィ師匠に聞いたが、原理や体系は分かるが、魔法そのものが何かは分からないらしい。


 参加者全員と魔法とは何か考えてみた。


 魔力自体にエネルギーがあり変換すると物質を作ったり熱などを取り出すことが出来る。

 この内容が有力候補みたいだ。


 弓の練習時間になったが、最近ボニーとは弓の練習を一緒にやってない。

 レンジャーとシーフとしての腕を鍛えるためバニラとクリームの所に通っているからだ。

 雇い人を雇ったら住込み修行をする事になっている。


 確か今日の4時に、募集の人が来るんじゃなかったっけな。

 人が来なかったらどうしようかと思っていると、沢山来て食堂が人で一杯になっていた。


 簡単な計算問題を作り出来た人を残した。

 それでも多いな、残りを面接をする事にした。


 1人は算数を教えている生徒を雇った。

 教えている生徒の中では1番頭が良い子だ、家から通えるし条件はいいだろう。


 2人目はと、ジェラ何でいるのですか? 


「ジェラは面接しなくても良いですよ、帰ってもらって結構です。」

「私受かったのかしら。」

「後で連絡します。」ニコリ

「何であの男の子みたいに詳しい仕事の内容の話をしないのよ。落とす気満々じゃない。」


 鋭いな。


「いやいや、お前接客業向いてないし、明らかに魔術ギルドからの回し者って分かるしさ。」

「うっ。」


 顔色が変わったので、図星らしい。

 周りを見ると目を逸らす人が数人、他にも何人かいるようだ。


 あれ、商業ギルドのお姉さんがいる。


「私は回し者じゃないわよ、辞めてきたから。」

「辞めちゃったんですか。」

「商業ギルドと人の引き抜きでもめるのは嫌ですが。」

「ギルドマスターの了解も得てるわ。」



 お姉さんが向こうを見ると、講義に来るおっさんの1人が軽く手を振る。

 ギルドマスターだったのね、この国の偉い人は暇なやつが多いな。


 このお姉さんのレベルになると、この賃金では少々低いそうだが、住み込みなら問題ないそうだ。

 うーん、採用しようかな。


「あとでご連絡しますので、連絡先を書いてください。」

「ちょっと私と扱い違うじゃない。」


 ジェラが何か言っているが無視だ。

 面接はこんな感じで終わった。


「採用の方は明日中には採用の手紙をお渡ししますので、今日はお帰りください。」


 お姉さんには後で、採用通知書を持って行こう。

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