バス停
掲載日:2026/04/01
僕はマフラーを巻き直す。
学校最寄りのとは違う、誰も使っていない離れたバス停までの道のりを歩く。
1時間に1本しかバスが来ないバス停をわざわざ使うのには理由がある。
『人が怖い』
木の小屋型のベンチに座ってバスを待つ。
くたびれていて、寒い風が肌に感じる。
凍える僕に「不思議だね」と声がかかる。
横を見ると同じ学校の夏用制服を着た女の子が座っていた。
「あんなに太陽が燦々としているのに寒いのって」
続くその言葉よりも、最初の言葉に共感した。
僕はこの子に怖さを感じない。
女の子は立ち上がり、踊るように歩き、道路の反対側に立つ。
そこにバスがやってくる。
間にバスが挟まり、見えなくなる。
バスが去ると女の子は、いなかった
そこで気づく。幽霊だから怖くなかった。




