野草サラダ
暖かやな日差しと心地良い風が吹いている平原を俺は伸びをしながらゆったりと歩いている。今回は身軽な装備なので尚更身体が軽く感じる程だ。さて、なぜ俺がこんな場所に居るのかという朝食に使う食材を得る為が目的である。
「確かこの辺りに、…よし、見つけた」
到着した目の前には緑に輝く野草の群生地帯。
その中をナイフ片手に手当たり次第に採取を始め、見境無く刈り取っているせいで何がなんの植物なのかも知らないが偶に知っている奴も出てくる。
「おっ、薬草じゃん。少し摘んで後で売ろう」
そんな事を言いながら刈り取り作業を行い、ついでで遭遇した野ウサギなんかも狩っていく。そしてあらかた刈り終えると次は少し歩いた場所にある森へ向かい、そこに落ちている木の実も回収して帰路に付くのであった。
◇◇◇◇◇◇◇
宿屋に戻り荷物を床に置いて採取した野草と木の実をテーブルに置くとすぐに調理を開始した。
まずは野草を種類別にしてから軽く水洗い、一口サイズに切り木皿に入れ、木の実は殻を割って中身を取り出して少し香ばしくなるまで乾煎りして野草の上に乗せる。
その上にリュックから取り出した香辛料と高価な種油を軽く振りかけると見た目綺麗な野草のサラダが完成した。
「それじゃ、頂きます」
そう言ってフォーク片手に勢い良く頬ばる。
口の入れ数回噛むと野草の苦味と木の実の甘さ、香ばしさが広がるが纏まりが無い。最後にかけた香辛料があってギリ食べれる程度なのが救いだろう。そんな事を考えながら黙々と食べ続け数分には空の木皿が置かれていた。
「……なんか食った気しないな。飯屋でなんか食うか」
サラダを食べ終えた俺は出掛ける準備をしながらある事を思い出し自分の左手の甲を見る。そこには片眼鏡の機能により自分自身のステータスが浮かび上がってきた。
「身体向上に変化は無し、状態異常は…げっ、毒草食ってるじゃん」
状態の履歴に毒(小)と記載されていて激しく動揺してしまう。といっても身に着けている装備品のお陰で付与効果は無いのですぐに落ち着けた。
そうして俺は何事も無かったかの様にして再び出掛けるのであった。




