彼女を下の名前で呼びたい!!
※こちらの作品は、会話のみとなっています。
「……ねぇ、鈴木くん。付き合ってそろそろ3ヶ月になるし、そろそろ……下の名前で呼んでもいい……かな?」
「……え?うん!もちろんいいよ!」
「じゃあ……その……かっ、海翔、くん」
「──ぐはっ!!」
「急に胸押さえてどうしたの?胸が痛いの?」
「……あ、いや、なんていうかその……彼女に初めて下の名前で呼ばれるのって衝撃的というか……めちゃくちゃ嬉しいもんなんだなっ、て。めっちゃキュンとしました」
「~!もう!なんか余計テレるんですけど!?ていうか、今度はか、海翔くんの番だからね!」
「へ?番って?」
「今度はか、海翔くんが私の下の名前を呼ぶ番だよ!」
「へ!?おっ、俺も!?」
「む~……私だって、海翔くんに下の名前で呼ばれたいもん……」
「ぅ、ぁ……はい。その~…………なっ……」
「……な?」
「な……なっ、名前なんだっけ?」
「もー!!!海翔くんのおバカ!!『夏月』だよ夏月!!」
「じょ、冗談だよ!名前は知ってるよ」
「も~……海翔くんのヘタレ!」
「ぅぐっ!ご、ごめん。じゃあ、今度こそ……」
「……お願いします」
「え……っと、香月……」
「香月……」
「なっ、なつ…………」
「……なつ?」
「なつ……なつ……もっ、もうそろそろ夏だね~」
「まだ今は冬だよ!!も~……海翔くんほんと、前から思ってたけど、めちゃくちゃヘタレすぎでしょ~……」
「ぅ……スミマセン」
「……まあ、海翔くんのそう言うところが……スキ、なんだけどね」
「ゥグ!!おっ、俺だって、香月のこと、ス、好きだよ」
「じゃあ、私のこと……下の名前で呼んで」
「香月……な、なつ………」
「なつ…………」
「あ、いたいた。海翔、先生がお前のこと探してたぜ」
「え?あ、おう!今行くよ!」
「む~……海翔くん……」
「じ、じゃあ、ごめん、香月!俺、先生のところに行ってくるわ!」
「……行ってらっしゃい」
「……あの!香月!」
「なに?」
「……今日も放課後、一緒に帰ろうな…………夏月」
「!!」
「じじじじゃあ、また後でな!」
「……もぉ、海翔くんのおバカ。ほんとそういうところ……大好き♡」