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生徒指導

レイとイオナの目に映るその光景には、どこか奇妙な違和感が漂っていた。

——部屋では耀と先生と呼ばれた女性が向かい合っている。だが、その表情には教師らしい厳しさとは別のものが(にじ)んでいた。鋭い眼差しの奥に潜む(あで)やかな雰囲気。怒りを帯びた視線ではあるのに、不思議な色気が感じられる。


「なぜ、こんなことになったのですか?」


冷静な声が響く。耀は下校時、妙な格好の大人に絡まれた。無視して立ち去ろうとしたが、腕を掴まれたため軽く(かわ)すと、相手が転倒し怪我を負った。

そのまま帰宅したが、それを見た生徒が「耀が喧嘩で相手を怪我させた」と吹聴し、生徒指導室へ呼び出されていた。


「なんでだろうな。先生、教えてくれよ」

「相葉君、ふざけているの?」

「俺は真面目だ」

「真面目なら、ちゃんと答えなさい。昨日は何をしたのですか?」

「さあな。先生が聞いたとおりでいいんじゃないか?」

「まったく……成績も良くなってきているというのに、進学が難しくなりますよ」

「進学する気はない」

「——えっ、進学しないの?」

「ああ」

「理由を聞いてもいいかしら?」

「金がないからだろうな。親に反対された。だから、卒業さえできればそれでいい」

「でも、相葉君、頑張っているじゃない」

「頑張る?ああ、無駄に頑張ったな」

「そう……」


先生は静かに考える素振りを見せた。彼女の眼差しが耀の言葉に対する怒りではなく、別の感情を含んでいる。


「ねえ、アルバイトをしてみる気はないかしら?」

「バイトか……それで何とかなるのか?」

「やってみなきゃ分からないでしょう?先生の知り合いがやっている会社でのアルバイトなんてどうかしら?人手が欲しいって言っていたわ」

「バイト禁止だろ?」

「大丈夫よ、手回ししておくわ。その代わり、勉強も頑張ってくれないかしら」

「そうだな……こいつの人生を作っておくのも、悪くはないか」

「こいつ?」

「何でもない」


耀の目がわずかに細められる。その表情は無関心を装っているようで、その奥には何かが渦巻いている。

先生もそれを感じたのか、ふと微笑んだ。


「先生、土日だけで良ければ行く」

「連絡しておくわ。相葉君にはピッタリの仕事よ」


その週末から耀はアルバイトを始めた。ピッタリと言われた仕事は土木作業だった。

だが、耀はすぐに夢中になった。資材を運ぶ肩の重みや、掘り返した土の感触、汗が滴るほどの力仕事のひとつひとつに、不思議な達成感があった。

夏休みには毎日のようにアルバイトに勤しんだ。

金が欲しいわけではない。

ただ、持て余した時間と体力を、この仕事がちょうどいい形で削り取ってくれる。それだけで十分だった。


——風に揺れる木陰が、ちらちらと陽の光を(さえぎ)る。遠くで鳥の鳴き声がするが、人の気配は感じられない。耀はコンクリートの階段に腰をおろし、英語で書かれた本をめくっていた。

ふとページを戻し、ため息をつく。


「こんなところで何をしているのかしら?」


冷静ながらも優しさを含んだ声に、耀は顔を上げる。


「先生か。びっくりさせるなよ」

「相葉君、お昼ご飯は食べたのかしら?」

「いや、食ってない」

「忘れたの?」

「いや、金がないからな。先生がカツアゲするなって言ったんだろ?」


先生が小さくため息をつく。


「はぁ……夏休みに結構稼いだそうじゃない。お昼くらい食べられるでしょう?」

「夏休み前に貰った金を全部親父に取られたからな。それ以降、給料を受け取ってない」


先生の眉がわずかに動く。


「……どういうこと?」

「今まで俺に使った分だとさ」


言葉の意味の割に、冷静な口調を聞き、ため息をつきながら耀の隣に腰をおろす。


「それを心配して連絡してきたのね。様子がおかしいって」

「社長か?」

「そうよ」


耀は少しだけ視線を伏せ、思案したのち、ふと口を開いた。


「俺の給料は先生が預かってくれよ」

「何を言ってるの?」

「俺がもらうくらいなら、穴掘って埋めとく方が安全だ。それなら、先生に預けても一緒だろ?」


先生は少し考えた後、静かに微笑んだ。


「穴に埋めるより、先生が預かった方が、もっと安全よ」

「そうか、じゃあ頼む」


ふと微笑んで耀の横顔を見る。喧嘩の度に呼び出しているが、いつも表情は変わらない。反省する様子も見せなければ、笑うことも、怒ることもない。

何を考えているのか全く分からない生徒。自分のことを他人事のように話す、その目の奥には、底知れぬ静けさがあった。


「それで、何をしていたの?」

「英語の先生の教え方が悪くて、どうも要領を得ないんだ」

「悪かったわね」

元宮(もとみや)先生なんて一言も言ってないだろ」

「相葉君に英語を教える教師は、私しかいません」

「そうか、悪かったよ」

「相葉君、明日から昼休みは生徒指導室に来なさい」

「は?何でだ」

「ここより勉強できるでしょう。先生も時間があれば顔を出すから」

「そうか、でもいいのか?」

「問題児の筆頭は相葉くんです。何の問題もないわ」

「そうか、遠慮なく使わせてもらおう」


翌日の昼休み、耀が生徒指導室を訪れると、机の上に本と弁当が置かれていた。一緒に置かれていたメモを手に取る。


『あなたの給料を預かりました。お金はそこから引きましたので、お弁当は遠慮なく食べてください。本はあなたが苦手にしている文法の解説が分かりやすいので、読んでみなさい』


耀はメモをポケットに入れると、静かに腰をおろし、本を開いてみた。教科書だけで学ぶより分かりやすい。

弁当を広げると、手作りのものだった。元宮先生の家庭的な一面が垣間見えた。味は……空腹よりはマシだろう。


その日の放課後、帰宅しようと教室を出た耀の背中から声がかかる。


「相葉君、この本、持って帰ってもいいのよ」

「いや、先生が持っておいてくれ。俺の家にあって安全なのは教科書だけだ」

「どういうこと?」

「なくなるんだ。服も制服以外はすぐになくなる。俺には贅沢なんだと」

「相葉君、少しいいかしら。話を聞かせて頂戴」


耀は先生に連れられ、生徒指導室に入る。いつもの席に座ると、先生も向かいの椅子に腰をおろす。


「相葉君、家でのことを教えてくれないかしら」

「聞いたって楽しくもない。それに何を話せばいいか分からないから、先生が質問してくれ」


耀は先生の質問に答える形で話し始めた。家ではほとんど会話をしないこと。帰るのが億劫なときは、朝まで繁華街を彷徨(うろつ)いていること。夕食は深夜に残ったご飯を食べて済ませていること。


「俺は寄生虫だからな」


耀が最後に呟いた言葉を聞いた元宮の背筋に、冷たいものが走る。


「寄生虫?」

「まあ、家にいるだけで飯は食うんだし、寄生虫だろ」


そこに悲しみも、怒りも、恨みもない。まるで『生きる価値のない存在なのだ』と、すでに納得しきっているように話した。


「そんなこと……」


何か言おうとして、言葉が出ない。元宮は愕然とした。多少は荒れた環境だと思っていたが……

学校という同年代の子供が集まっただけのコミュニティではない。逃れようのない家庭のなかで、彼は『標的』であることを受け入れている。何よりも異常なのは、それを当然のように語ること。

やりきれない気持ちを胸に、ふと目を向けた窓の外は秋の気配を感じさせる夕日に照らされていた。


「すっかり遅くなったわね」


明らかに動揺している声を聞きながら、耀は静かに立ち上がった。


「先生、動揺してるのか」

「ええ、私には衝撃だったわ」


部屋を出ようとした、耀は振り向きざまに口を開く。


「俺は小さい頃、親父に一度殺されたんだ」


元宮は頭を雷に打たれたような衝撃を受けた。


「じゃあな、先生」


部屋の扉が閉まると、元宮の膝が震え始めた。足元が揺らぐような感覚に襲われる。

それが冗談であるはずがないと、頭が理解するよりも先に、目から熱いものがこぼれ落ちた。


「——邪魔だ!」


日が落ちた街を歩いていた耀に、突然怒声が浴びせられた。一瞥(いちべつ)しただけで立ち去ろうとした耀の肩が、乱暴に掴まれる。


「俺が邪魔だったのか。何の邪魔をしたんだ?」

「その女と話をしてんだ」

「横切っただけだろ?それくらい我慢しろ」


男のひとりが指差した先に視線を向けると、少女が立ちすくんでいた。

怯えきった瞳がこちらを捉え、唇が何かを言おうと震えているが、声にならない。

その震える指が、ぎこちなく一台の車を指し示した。


「あの車がどうかしたのか?」

「この女が俺の車に傷をつけたんだ」


耀は無言で車へ近づき、ボディをじっくり眺める。


「……どこに傷がついてんだ?」


耀は静かに顔を上げた。


「言いがかりじゃないのか?」

「言いがかりだと?ふざけるな!」


興奮した男が詰め寄ってきた瞬間、耀の手が伸び、男の頭を掴む。


「お、おい、何──」


言葉が終わる前に、ボンネットが鈍く唸った。

衝撃でボンネットはへこみ、男は呻きながら崩れ落ちた。


「これで小さな傷は目立たなくなったろ。良かったな」


耀は目線を少女に戻した。


「お前も早く帰ったほうがいい」


何事もなかったかのように(きびす)を返し、耀は自宅へと歩き出した。


——耀も無事に三年に進級し、夏休みを目前にしたある日。いつものように生徒指導室に向かうと、元宮が待っていた。


「相葉君、アルバイトは辞めると連絡しておきました」

「そうか。理由を聞いても?」

「この前のテストの結果を見る限り、合格に不安が残るの。それと、入学までに必要なお金は貯まっているわ」

「で、夏休み中、俺はここにくればいいのか?」

「そうね……ここの方が勉強できるかしら?」

「そうだな、家よりはマシだろう」

「部活の生徒もくるから、学校は開いているわ」


元宮は少し考え込む表情を見せ、言葉をつなげる。


「——部活が休みの間は……先生の家に来なさい」


元宮は(かす)かに頬を染め、視線を()らした。


——夏の真っ盛り、Uターンラッシュのニュースが聞こえる頃、耀は元宮の自宅にいた。


「明日からは学校に行きなさい」

「開いてるのか?」

「ええ、夏季休暇は今日までだから」


耀は静かにうなずいた。


「先生のおかげで、(はかど)ったよ」

「そう、良かったわ」


荷物を手に立ち上がった耀に、元宮が慌てて声をかける。


「相葉君、待ちなさい」

「なんだ先生」

「夕飯を食べに行きましょう。先生がご馳走するわ」

「いいのか?」

「もちろんよ」


近くのファミレスで、今後の学習計画を話しながら食事を終えた二人は店を出る。


「先生、家まで送る」

「大丈夫よ」

「いや、送る」


耀は食事中から、嫉妬とも憎悪ともつかない視線を感じていた。その気配が、背中にまとわりついて離れない。

元宮は耀の言葉に少し迷った後、隣を寄り添うように歩き始めた。二人が人気の少ない道に差しかかったとき、背後から声が飛ぶ。


「おい、相葉!」


無視して歩みを進めたその瞬間、耀はとっさに元宮を抱き寄せた。刹那(せつな)、ガラスが割れる音が響く。

元宮が顔を上げると、彼の顔には血が流れていた。そして歯を食いしばりながら、ゆっくりと後ろを振り向く。


「随分な挨拶だな」

「お前が無視するから、呼び止めてやっただけだ」

「……それで、お前、誰だ?」

「なっ……ふざけやがって!」


男が拳を振り上げると耀は懐に入り蹴り飛ばした。衝撃で壁に叩きつけられた男は、手に持っていた瓶を元宮めがけて投げつける。

耀の腕が一閃(いっせん)し、それを叩き落とした。その拍子に、彼の手に鋭い切り傷が刻まれる。血が滴り落ちるのを気にも留めず、耀は男に歩み寄った。


「何のつもりだ」

「お前が女連れて歩いてるだけでムカつくんだよ」


耀の目が冷たく細められる。


「俺の女にちょっかい出したんだ、遺言を聞いておこう」

「相葉君!」


元宮の声に、耀の足が止まる。


「良かったな、先生のおかげで、お前は死なずに済んだ」


耀が血の滲む手を軽く振った袖を、元宮がそっと引く。


「相葉君……もう、いいわ」


元宮の手のぬくもりを感じると、二人は歩き出した。

静かな帰路に、先ほどまでのざらついた感情だけが、夜風に溶けていった。


部屋に戻ると、元宮はすぐに耀の手当を始めた。


「相葉君、シャワーを浴びていらっしゃい」

「いや、大丈夫だろ」

「いいえ、髪にガラスがたくさん付いているわ。流してきなさい」


耀は小さくため息をつき、黙って浴室へ向かった。

その姿を見送った元宮は、耀の制服を寝室に掛けると、自分も服を脱ぎその隣に掛ける。

そして、静かに浴室の扉を開けた。


浴室から出た二人は、並んでベッドに腰を下ろしていた。

元宮は耀の腕をそっと取り、消毒液を含ませたコットンを肌に滑らせる。


「深い傷じゃなくて良かった」

「大丈夫だっていっただろ」

「頭はどう?ひどく殴られたみたいだったけど、目眩がしたりしていない?」

「ああ、大丈夫だ。先生が裸に見える程度の後遺症しかない」

「それなら大丈夫ね」


小さく笑う元宮の指先が、耀の頬に触れる。そのまま、そっと顎を持ち上げ、彼の視線を自分へと向けさせた。


「相葉君、先生……謝らなきゃいけないの」

「さっきのことなら気にするな」

「——違うわ」


元宮は耀の頬をそっと指先でなぞるように触れた。


「先生が相葉君に進学を勧めたのも、アルバイトを勧めたのも、ただ……大きな問題を起こさないように、気を逸らせるためだったの」


耀は少しだけ目を細める。


「そうか、別に謝るようなことじゃないだろう」

「そうかもしれないわね。でも……」


元宮の声がわずかにかすれる。


「先生が騙したとも知らず、まっすぐ頑張る相葉君が……可愛くて、愛おしくて」


一瞬の沈黙の後、耀が小さく息をつく。


「……そらどうも」

「そして守ってくれた……」


元宮は耀に真剣な眼差しを向ける。


「先生……相葉君の事が好き」


元宮は耀に唇を重ねた。そして、耀を求めるように抱きしめる。

元宮の唇が離れると、耀はわずかに息を整えた。

彼女の腕が背に回り、熱を帯びた吐息が耳元をくすぐる。


「先生……本気か?」


(ささや)くように問いかけると、元宮はゆっくりとうなずき、さらに耀の身体(からだ)にしなだれかかった。


「ええ、本気よ。こんなこと、生徒に言うべきじゃないのに……止められなかった」


彼女の指先が耀の頬をなぞり、夜の静けさの中、甘く湿った空気が漂う。

耀は軽く目を伏せ、そっと彼女の髪を撫でた。


「先生がそうしたいなら、俺は拒まない」


言葉の終わりと同時に、再び唇が触れ合う。今度は迷いのない、深く熱を帯びた口づけだった。

触れ合うたびに、元宮の肩がかすかに震える。それを感じた耀は、そっと彼女の身体を引き寄せた。

そのまま二人は、静かにベッドへと沈んでいった。


日付も変わった頃、元宮は耀の胸に頭を預け、穏やかな息遣いを漏らしている。

まだ眠りには落ちていないが、まどろみの中にいるようだった。


「相葉君、聞いてもいいかしら?」

「なんだ、先生」

「……綾乃(あやの)


首を傾げる耀に、綾乃は微かに笑みを浮かべる。


「先生の名前、寝るまで『綾乃』って呼んで」

「分かったよ、先生」

「綾乃」

「……分かったよ、綾乃」


綾乃は満足げに瞳を細め、静かに息をついた。


「相葉君……殺されたって言ってたわよね」

「ああ、言ったかもしれないな」

「それは……本当?」

「ああ、父親に殺されて、どこかを彷徨(さまよ)って……気がついたら、身体に引き戻されていた。でも、そこにいたのは俺じゃなかった」

「どういうこと……?」

「俺にも分からない。ただ……もうひとりの俺はお休み中だ」


しんと静まり返る部屋の中で、綾乃は耀の胸の鼓動に耳を傾けた。


「……そう」


そっと(まぶた)を閉じると、綾乃は囁くように言葉を紡いだ。


「理解はできないけど……相葉君がそう言うなら、それでいいわ」


ふいに耀の胸が抓まれる。


「もうひとつ……こっちが本題よ」

「なんだ、先生」

「綾乃」

「なんだ、綾乃」

「貴方……付き合っている子がいるでしょ?」

「いないが」

「……隣のクラスの大橋さんが、貴方の進学先を聞いてきたわ」

「誰だ、それは?」

「知らないの?貴方の家で聞いたけど、教えてくれなかったって言ってたわよ」

「ああ、前に成り行きで助けた女だな。付き合ってない」

「……そうなの?」

「そうだ。どうしてもって言うから、一回抱いただけだ」


綾乃の指先がぴくりと動く。


「……相葉君、女の子は大切にしなさい」

「じゃあ、先生も大切にしないといけないな」

「綾乃」

「綾乃も、大切にしないといけないな」


耀の言葉に、綾乃は小さく息をのむ。そして、ふと笑った。


「……嬉しいわ。でも……私が初めてじゃないって知って、ちょっと残念だったわ」

「二人目だな」


耀は綾乃の髪を指に絡めながら、静かに言う。


「じゃあ、俺は何人目なんだ?」

「……内緒」


綾乃は微笑みながら、耀の胸に頬を寄せる。


「おやすみなさい」

「おやすみ、綾乃」


——そこでレイは、耀の制服の記憶を辿ることをやめた。


「レイ様、胸焼けがします」

「イオナ、奇遇ですわ。レイも胸焼けがしますの」

「それでレイ様、どうしますか?」

「もちろん、綾乃とかいう、いけない教師を探しますわ」

「耀様のいない今しかありませんね」

「決まりですわ。明日には出発しますわ。イオナ、兄様(にいさま)のご実家は知っていますの?」

「はい、存じております」


レイは笑いながらスーツケースを押し入れから引っ張り出す。

イオナは静かに窓の外を見つめ、僅かに眉を寄せる。

レイは火を灯された好奇心のままに。

イオナは、耀の子供の存在に思うところがあり。


「さあ、いけない教師を探す旅の準備ですわ」


月が煌々と照らす夜、二人はそれぞれの思惑を抱えながら、旅支度を始めた。

お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただけたなら幸いです。


休憩時間や移動時間に書いていますので、のんびり投稿を進めます。

出来上がっているあらすじから考えて、R15設定にしました。

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