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転生したらうさみみでした  作者: 黒鉄神威
第五章 王都動乱編
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第百十九羽. セリア先生と喧嘩の行方


 団体戦の熱気がまだ冷めやらぬ特別演習場。


 勝利した三人がフィールドを後にしても、観戦席のざわめきは簡単には収まらない。先の試合で目にしたものを、どう理解すべきなのか。学生たち、講師たちもそれぞれ言葉を探していた。


 やがて、審判が中央へと進み出る。


 「これより、第二試合。ペア戦を開始します!」


 その宣告と同時に、視線が一斉に入口へと集まった。


 セリアのクラス側の入口で、ジーンとクレアが並び立つ。ジーンは一度、手袋を引き締めるように握り直し、静かに、そしてゆっくりと息を吐くと視線の先にあるフィールドを見据える。隣のクレアも程よい緊張感に身を包み、真っ直ぐフィールドを見つめる。


 団体戦で示された結果が、偶然ではないことを今度は自分たちの実力を以てこの場で示す。ジーンとクレアの二人は、その意味を理解していた。二人はお互いに顔を見合わせ、頷き合うと真っ直ぐ歩き始める。


 一方、フィールドの反対側では、ゲイルのクラスの生徒二人が配置につく。先ほどの敗北を引きずらないように振る舞ってはいるが、硬さは隠しきれていない。


 観戦席の空気が、再び張り詰める。


 審判が腕を上げる。


 「両者、位置につけ!」


 ジーンとクレアは顔を見合わせ、短く頷き合うと配置につく。ジーンは中衛の位置に立つとセリアと共同で作成した魔導銃を腰から引き抜く。そしてクレアは後衛の位置に立つと静かに杖を構える。


 対するゲイルのクラス二人は、剣を携えた前衛の剣士。その後方に、後衛の魔法使いが距離を保って位置につく。


 四人がそれぞれの立ち位置を定めた瞬間、フィールドの空気が一気に張り詰めていく。


 「・・・始めっ!」


 号令と同時に審判の右手が振り下ろされ、ペア戦の幕が切って落とされた。開始の合図が響くや否や、相手の前衛である剣士が動く。


 地を蹴る音が一つ。


 低い姿勢のまま一気に間合いを詰め、ジーンを間合いの中に捉える。そして躊躇なく踏み込み、勢いを殺さぬまま、横薙ぎの一閃がジーンへと迫った。だが、ジーンはその攻撃を予測していたかのように数歩後ろに下がりかわす。


 空を切った剣筋が、間髪入れずにジーンを襲う。刃が届く直前、ジーンはほんの僅かに体を捻る。剣先が制服の端をかすめ、再び空を切る。その後も横薙ぎ、逆袈裟、突きと息もつかせぬ連撃がジーンを襲うが、風圧が制服の裾や髪を揺らすだけで全ての斬撃が虚しく空を切るだけだった。


 最小限の動きでジーンは全ての攻撃をかわし、剣が空を裂く音だけが木霊する光景に観戦席がざわめき始めた。


 「・・・避けてる?」


 「いや、あれ・・・全部、ギリギリで・・・。」


 そのざわめきの裏で、もう一つの攻防が静かに進行していた。


 後衛に位置取る相手の魔法使いが、短い詠唱を終える。放たれたのは圧縮された火弾。狙いは後衛のクレア。


 だが、火弾がフィールドを走るよりも早く一筋の光がフィールドを駆け抜ける。クレアが放った光属性魔法ルクス・レイが寸分違わず火弾を捉え、空中で爆散する。


 「・・・っ!」


 相手の魔法使いが息を詰める。再度詠唱を行うと、二つの圧縮された炎が再びクレア目掛けて解き放たれる。だが放たれた火弾は、いずれも軌道の途中で同様に打ち落とされる。


 その光景に観戦席がざわつく。


 「・・・あれ、ルクス・レイだよな。今・・・詠唱してなかった・・・よな?」


 「えっ・・・迎撃、早すぎないか・・・?」


 「詠唱、破棄・・・。」


 誰かが呟いた言葉に一層のざわめきが起こる。


 「あれは・・・確かに反則だな・・・。」


 セリアはざわめきを聞きながらポツリと呟いた。クレアの詠唱破棄にはからくりがある。それはクレアの持つスキル術式封蔵(アルカ・スペル)。このスキルは予め術式を登録することができる。そして登録した術式を任意のタイミングで発動できるというもの。その際に詠唱も必要ない。セリアの下でエーテルの制御を徹底的に叩き込まれたクレアであれば、相手が魔法を発動した後に魔法を発動しても簡単に迎撃できる。


 そして、フィールドで戦っている相手の学生を見ながら言葉を続ける。


 「同じレベルであれば・・・その作戦は的中しただろうが、うちのクラスには通用しないな。」


 相手の狙いは中衛のジーンを接近戦で早々に崩し、後衛のクレアを孤立させるもの。作戦としては妥当なものではあるが、今のジーンを早々に仕留める事は不可能。エーテル制御を学ぶ事でジーンの足運びは、以前のそれとは一線を画していた。練り上げられたエーテルが全身を強化し身体能力が向上している。


 さらに魔法を即時発動できるクレアが存在する。学生レベルであれば、今のクレアを止めることはできないだろう。事実、それを証明するように、後衛の相手が再び詠唱に入った瞬間、クレアの周囲にはルクス・レイの輝きが発現する。


 詠唱も無く、術式を組み立てるための間も存在しない。即座に放たれたのは、細く研ぎ澄まされた一条の光。相手が術式を完成させるよりも早く、ルクス・レイはフィールドに軌跡を描きながら一直線に駆け抜け、防御の構えすら整えられないまま、相手の身体を正確に打ち抜いた。



 崩れ落ちる相手を視界に収めながら、審判が即座に判定を下す。


 「戦闘不能!」


 フィールドに響き渡る審判の声に観戦席が遅れてざわめいた。


 「残るは・・・。」


 そう言ってセリアはざわめきを背にジーンを視界に収める。


 連撃は、いつまでも続かなかった。紙一重の回避を見せるジーンと対照的に、剣士の呼吸が乱れ始める。踏み込みはわずかに浅くなり、振るわれる剣の軌道に精彩を欠きはじめた。そこには最初のような勢いや鋭さが失われていた。


 それでも無理に攻め立てようとした結果、剣士の動きが一瞬止まった。ほんの一瞬であったが、戦場では致命的な間だった。


 ジーンはその隙を見逃さず、後方へと飛び退くと自分の間合いを作る。着地と同時に引き金が引かれ、圧縮されたエーテル弾が短い閃光とともに放たれる。


 剣士が反応したときには、すでに遅かった。エーテル弾は正確に胴を捉え、結界が淡く輝いたかと思うと、衝撃に耐えきれず弾け飛ぶ。身体が後方へと吹き飛び、地面に叩きつけられた。


 一瞬の静寂。


 そして、審判の声が響く。


 「戦闘不能。勝者、ジーン、クレア組!」


 勝利宣言に張り詰めていた緊張の糸が切れ、ジーンはその場に座り込む。


 「お疲れ様です。ジーンさん。」


 「クレアもお疲れさん。」


 想像以上に早く終わりを告げたペア戦に、観客席からは戸惑いの声が漏れた。だが、それ以上に試合内容そのものがもたらした衝撃は大きく、次の瞬間には場内がどよめきと喝采に包まれる。


 降り注ぐ拍手の中、ジーンとクレアはしばし呆然と観客席の光景を見渡した。そうして、ようやく二人は勝利の実感を噛みしめる。


 クレアが差し出した手を取り、立ち上がるジーン。勝利の美酒に酔いしれる二人は、観客席の一角に座るセリアの姿を見つけると、顔を引き締め軽く頭を下げる。


 「・・・上出来よ。二人とも、お疲れ様。」


 二人の姿を見つめながら、セリアは誰に聞かせるでもなく呟いた。


 一方、ゲイルはフィールドを後にする学生たちを見つめながら、一度だけ短く息を吐く。連続する敗北の前に、相手の実力を認めざるを得なかった。その表情は崩れていない。だが、奥歯を噛み締めていることは、近くにいる者であれば容易に察せられた。


 そして、舞台は最終戦に移る。


 最終戦の役者であるレオンハルトとワーセルドが、静かにフィールドへと姿を現す。



 ◇◇◇◇◇◇


 レオンハルトとワーセルドの二人が姿を見せると喝采が徐々に収まり、特別演習場全体に再び張り詰めた静けさが戻りはじめる。


 ワーセルドは剣を腰に提げ、静けさの中に漂う勝者の余韻を嘲り笑うように観戦席を一瞥する。貴族の中でも最上位に位置する五大貴族に名を連ねるサーヴェイル家。その絶大な権力を笠に着るワーセルドは、一部の生徒からはすこぶる評判が悪い。観戦席から向けられる無数の視線を意にも介さず、中央に向かって歩を進める。


 対するレオンハルトは、軽く目を閉じると自分を落ち着かせるように深く深呼吸を繰り返す。そうして開かれた眼差しには決意と覚悟が宿っていた。背筋を伸ばし、視線は先のフィールドに姿を見せたワーセルドを一点に捉えていた。


 今のレオンハルトには周囲の喧騒も、期待も、嘲りも、色褪せて無意味なものになっていた。


 やがて二人がフィールド中央で対峙し、互いを見据える。


 ワーセルドの口元に、かすかに侮蔑したような笑みが浮かぶ。


 「この時を待っていたぞ。五大貴族の恥さらしがっ。」


 低く漏れた嘲りの声。


 だがその言葉に全く反応を見せないレオンハルト。表情は変わらず、ただ瞳だけが静かに確かにワーセルドを射抜いていた。


 そんな二人の姿を交互に見ながら審判が最終戦の宣告をはじめる。


 「最終試合。一対一の模擬戦を開始します。両者位置につけ。」


 両者が配置につくのを確認すると、審判の右手がゆっくりと上がる。


 「・・・始めっ!」


 合図と同時に、手が振り下ろされる。


 牽制し合う両者の間に沈黙が横たわる。


 「来いよっ。先手は譲ってやるっ!」


 その沈黙を破ったのは、ワーセルドだった。


 自分が勝つことを疑わない余裕を孕んだ声。その挑発にレオンハルトは行動を以て答えた。


 ただ、一歩レオンハルトは踏み込む。


 次の瞬間、お互いの間にあった距離が消える。一気にワーセルドの間合いへ踏み込み、剣を大きく振りかぶる。その動きに迷いはなく全身の力を乗せ、一撃が振り下ろされる。


 ーーーこの程度の攻撃っ。


 力任せの初撃。勢いだけの一振り。ワーセルドはそう判断していた。そして受け止めて、流して、反撃するつもりだった。


 だが・・・。


 金属がぶつかり合った瞬間、ワーセルドの表情が歪む。


 「・・・っ!?」


 想像以上の重さが、腕を通して全身に伝わっていく。剣を受けた衝撃で膝が折れ、身体がわずかに沈む。受け止めた一撃でワーセルドの体勢が崩れて行く。


 間を置かず、レオンハルトの二撃目。


 振り下ろしから流れるように刃を返し、追撃を叩き込む。ワーセルドは反射的に後方へ跳び、ぎりぎりでそれをかわした。


 開く両者の距離。


 「・・・調子に乗るなっ!」


 怒声とともに、ワーセルドが踏み込む。怒りを勢いに変え、鋭い斬撃を連ねながらレオンハルトへと飛びかかる。


 その剣技は確かだった。怒りに身を任せたとは思えない程に洗練され、速く、鋭い。学生の域を明らかに超えている。


 少し前のレオンハルトであれば、確実に押し切られていただろう。


 だが、今は違う。


 意味のない虚勢も、貴族としての驕りも、何度も折られ、セリアの下で剣を学び直してきた。逃げずに剣を振り、愚直なまでに修練を重ねてきた日々。


 根が真面目なレオンハルトは、努力を疑わず、積み重ねることを決して止めなかった。


 そして、それが、今・・・形になり始める。


 迫り来るワーセルドの斬撃に対して、レオンハルトは刃をぶつけ、わずかに角度をずらす。力を殺し、軌道を逸らし、最小限の力、動きで斬撃をいなしていく。


 金属音が連なり、火花が散る。


 自分の攻撃が、まるで通用していない。その事実にワーセルドは次第に焦りを覚える。わずかに軌道をずらされ、最小限の動きでいなされる。その積み重ねが、確実に苛立ちを削り出していく。


 ーーーなぜだっ。


 ワーセルドの踏み込みが荒くなり、呼吸が乱れはじめる。そして、ほんの一瞬、意識が剣先から()れた、その刹那。


 レオンハルトは、迷わずに一歩を踏み込む。体重を乗せたレオンハルトの一撃が、防御の隙間を正確に捉える。


 鈍い衝撃音とともに、ワーセルドの身体が宙を舞った。吹き飛ばされ、フィールドを転がり、地面に叩きつけられる。


 一瞬の静寂。


 やがてワーセルドは、歯を食いしばりながら身体を起こす。片膝をつき、荒い息を吐きながら顔を上げる。


 視界に映ったのは、見下ろすように剣を構えたまま立つレオンハルト。


 「・・・俺を、見下ろすなっ!」


 怒声とともにワーセルドは無理やり立ち上がる。


 その瞬間、ワーセルドの全身からエーテルが噴き上がる。制御などという言葉とは程遠い。ただ感情に引きずられ、内に溜め込まれていたエーテルを外へ吐き出しているだけの拙い行為。


 洗練も、精密さもなく本来であれば、恐れるに足らない行為。


 だが、血統魔法を呼び起こすには、それで十分だった。


 ワーセルドの血、遺伝子に刻まれた術式が動き始める。


 「・・・ジオ・ネクサス!」


 叫びと同時に、右掌が地面へと叩きつけられる。


 エーテルが身体を貫き、そのまま地面へと流れ込む。次の瞬間、フィールドの石畳が不気味に軋み、盛り上がる。


 土と岩がせり上がり、形を成す。


 それは・・・獣の首。


 いや、ヒドラの首のようなそれが、一本、二本と地面から突き出し、さらに増えていく。土塊と岩盤で構成された複数の首が、獲物を探すようにうねり、レオンハルトの方角へと向けられた。


 突如として姿を現した土と岩の化け物に、特別演習場がざわめいた。


 「・・・なに、あれ・・・。」


 「ちょ、ちょっと待て・・・。」


 「ひっ!」


 誰かが息を呑み、誰かが声にならない悲鳴を漏らす。


 うねるように蠢く複数の首。土塊と岩で形作られたそれは、生き物のように蠢き、確かな敵意を放っていた。


 「模擬戦で・・・そんな・・・。」


 理解が追いつくより先に、本能が警鐘を鳴らし、観戦席のあちこちで、思わず後ずさる気配が走る。講師たちの表情にも一斉に緊張が奔り、強張っていく。


 事態の異常さを察した審判が、咄嗟に前へと踏み出す。


 「ワーセルド、これは過剰攻撃になる。今すぐ止めなさいっ!」


 張り上げられた制止の声。


 怒りと狂気に呑まれ、血走った目で視界の端に映る審判を捉える。


 「この俺に・・・指図するなっ!」


 吐き捨てるような叫びと同時に、地面を這うエーテルがさらに荒れ狂う。


 次の瞬間、土と岩で形作られたヒドラの首の一つが、審判目掛けて跳ね上がった。


 悲鳴が上がる。


 だが、衝撃は訪れなかった。


 一閃。


 鋭い金属音とともに、岩の首が根元から断ち切られる。切断面から土砂が崩れ落ち、首はそのまま地面へと叩きつけられた。


 レオンハルトだった。


 いつの間にか審判の前に割って入り、剣を振り抜いている。


 「・・・下がってください!」


 短く、それだけを告げる。


 恐怖の色に染まった顔で審判が息を呑んだ。そして、その背後から落ち着いた声が響く。


 「ここからは、私が引き継ぎます。」


 気づけば、レオンハルトの背後にセリアが立っている。いつ現れたのか、誰も分からない。ただ、そこにいることだけが事実だった。


 審判は一瞬だけ逡巡し、すぐに深く頷く。


 「・・・分かりました。お願いします。」


 そう告げると、踵を返し、一目散にフィールドから退避する。その背中を確認したセリアは、レオンハルトへと静かに視線を向ける。


 「・・・やれるわね。」


 「問題ありません。」


 セリアの短い言葉に、短く、迷わずに返答するレオンハルト。


 剣を構え直すと、レオンハルトは地を蹴った。


 それを待っていたかのように、ワーセルドの血統魔法が再び蠢く。残ったヒドラの首が一斉にうねり、土砂と岩を撒き散らしながら襲いかかる。


 だが、レオンハルトは止まらない。


 迫り来る首を紙一重でかわし、踏み込み、叩き斬っていく。レオンハルトの剣が一閃する度に、岩の首が宙を舞い、崩れ落ちる。


 着地と同時に次の一歩。横合いから迫る攻撃を身体を沈めてやり過ごし、返す刃で根元を断つ。レオンハルトはフィールドを縦横無尽に駆け抜けていた。


 恐怖も、躊躇もない。ただ、自分の前に立ちはだかる全てをたたき伏せていく。土と岩の巨体が次々と失われていく中で、ワーセルドの表情に初めて明確な動揺が浮かんだ。


 レオンハルトを止める事ができない。その現実が、ワーセルドの中で膨らみはじめていた。否定しようとしても、視界に映る光景がそれを許さない。


 叩き伏せられ、切り落とされ、踏み込むたびに否応無しに事実を突きつけられる。


 ーーー認めるものかっ。


 ワーセルドは歯を食いしばり、残された力を掻き集める。散っていたエーテルが、一点へと引き寄せられていく。


 複数あった岩の首が次々と崩れ、最後の一本だけが異様な程に膨れ上がった。土と岩が凝縮され、禍々しい質量を帯びる。


 それを見て、レオンハルトも動く。


 踏み込みを止め、距離を取って剣を正面に構える。自身の内に巡るエーテルを、迷いなく剣へと集中させた。


 次第に刃が、赤く輝きはじめる。


 集まったエーテルが火属性を帯び、やがて炎となって剣身を包み込む。


 熱が、空気を歪ませた。


 最後の岩の首が、咆哮とともに突進する。


 レオンハルトは一歩も退かず、剣を突き出す。


 次の瞬間、刃先から炎が解き放たれた。奔流となった炎は、飛び出すように形を取り双翼を広げる。


 炎の鳥。


 灼熱の奔流は一直線に突き進み、岩の首を貫き、その奥にいたワーセルドをも包み込んだ。


 轟音とともに、視界が白に染まる。


 やがて炎が消え去ったあと、フィールドに立っていたのはレオンハルト一人。


 全身に火傷を負い、血に伏せるワーセルド。


 静寂。


 その沈黙を破るように、セリアが一歩前へ出る。


 「・・・勝者、レオンハルト!」


 短く、しかし明確に告げられた宣言。


 それは模擬戦の終わりであり、同時に当初の提案通り、自らの正しさを強さを以て証明してみせた瞬間であった。

誤字・脱字等ありましたら、よろしくお願い致します。


【読者の皆様へのお願い】

作品を読み、少しでも「面白い」、「先が読みたいと」と感じた方は、ブックマークと評価をお願いします。

気合を入れて妄想に妄想を重ねて執筆する原動力になります。厨二病感満載の詠唱も考えて行きます。

改めてお願いします。

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