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【プロット】生体工学研究所にいる礼儀正しいパティシエ

 都内の関東医科大学に設置されている生体工学研究所。

 入口に博物館があり、新薬研究に関するイメージ動画や分子モデル、薬学の歴史などが展示されていた。

 反対側にはオープンテラスのあるカフェがある。

 そのカフェで働いているパティシエの原田は、今日も一心不乱にクランベリーを生クリームの上にまぶしていた。

「30分後に召し上がってください。

 早くても遅くてもいけません。

 冷蔵庫で保存できますが、一度冷やすと味が変わります。

 残念ですが、もう一度本物の味を召し上がっていただくしかありませんね」

 客に無表情な顔を向け、そんなことを言ってケーキを箱に詰め、ドライアイスを入れた。

 そして手渡すときにはカウンターから出て、最敬礼で送り出すのだった。

「新薬の研究をされている先生方には、スイーツの魂を理解していただけると思います。

 味は、一瞬の芸術なのです」

 パティシエの世界大会で優勝したこともある原田には、誰も逆らわない。

 尊敬の念をもって見られていたが、客の中には「気難しい」という者が少なくなかった。


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