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【プロット】刑務所にいる片腕を失った投資家

 12畳ほどの部屋に、6人が生活している。

 隅には便器と洗面所。

 食事は窓の下から取る。

 人数分、多くも少なくもなく、身長に応じた量が出された。

 だから、ここに来るとみんな痩せてくる。

 雑居房に入った俺は、一日中ほどんど口をきかない。

 私語は禁じられているし、模範囚になれば早く出られるからだ。

 いかにもヤクザらしいおっさんが、入ったばかりの時尋ねた。

「何やったんだい」

「投資で失敗して、詐欺にかけた相手とケンカになってこのザマです。

 お互いに大怪我でした」

 俺は、肘から先を失った腕を突き上げた。

「はっはっは。

 今どきそんな元気なやるいるんだな」

 ここには、社会から弾き出された奴しかいない。

 刑務作業の時間になると、分業して木製の椅子やテーブルを作る。

 皆手先は器用だった。


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