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【プロット】家族想いの調理師が、月面基地で

 宇宙開発。

 新しい通信技術、軍事衛星、月面探査、火星探査。

 華々しいプロジェクトの裏で、根源的な研究が続けられていた。

 食の探究───

 人類にとって普遍的な欲求を満たすために、今日も戦う調理師がいた。

 早乙女は、月面でどのような料理ができるか、日夜研究を続けている。

 数兆円の予算を計上し、世界最高の料理人として選抜された。

 もちろん宇宙飛行士として最低限の知識と技術をあわせ持つ。

 彼を突き動かしたものは、純粋な探究心だった。

 弱い重力、真空、火を起こさなくても水が沸騰する熱と、瞬時に凍結させる冷気。

 地球上にはない条件ばかりである。

 加えて、放射線、希少元素を含め、未知の要素もある。

 化学の実験と料理の違いは「食」を目的にしているかである。

 そして、人間は毎日向き合う技術なのである。

 必要なエネルギーと栄養素を補うための営みではない。

 生活のすべてに影響を与え、精神にも重大な関りを持つ。

 合理的に考えられた宇宙食の時代は終わった。

 これから始まる月面開発において、どのような生活様式が現れるのか。

 食事が占める割合は大きい。

 だが、宇宙ホームシックというやつは、容赦なく早乙女の精神を削っていた。

 家族に会いたい ───

 新しい調理法を端末に書きながら、家族の笑顔を脳裏に描いていた。


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