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310/317

【プロット】感情の郵便1

コードネーム《A-37》は、旧式の配達用アンドロイドだった。

かつては都市中に設置された配達タワーから、手紙や小包を運ぶために造られたが、今や時代は情報転送と量子通信が主流。彼のような存在は、過去の遺物と呼ばれていた。

それでも、彼は歩く。

今日も一通の手紙を抱えて。

差出人は亡き科学者、サクラ・ミナミ博士。

宛先は彼女の娘、ミナミ・ユイ。

「……手紙とは、なぜ物理的に存在する必要があるのか?」

A-37の記録素子には、何度も同じ問いが再生されていた。

ユイは博士が亡くなってから、感情を閉ざしていた。

両親もいない、友人も離れ、彼女はかつて母が過ごした旧宅に一人で住んでいた。

A-37は、雨に濡れながら彼女の元へ向かっていた。

博士の命令がただ一つ——

「この手紙は、わたしの死後、“心”を持ったと判断されたときに、ユイに届けなさい」


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