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【プロット】忘却の鏡2
鏡の中の青年は、静かに首を横に振った。
「お前が本当に探しているのは、力ではない。
お前自身の『存在意義』だ」
その言葉に、レンはハッとした。
彼は、組織に追われる恐怖から逃れるため、そして、自分の力を制御するために、必死で「存在意義」を探していたのだ。
レンは鏡の中に映る過去の自分と対話し、記憶を一つ一つ取り戻していく。
そして、全ての記憶を取り戻した時、彼はついに自分の「存在意義」を見つける。
それは、「記憶を操る力」を使って、人々の心の傷を癒し、過去の過ちを正すことだった。
レンは老人に感謝の言葉を告げ、忘却堂を後にした。
彼は、鏡が映し出した過去を胸に、自分の「存在意義」を果たすために、新たな一歩を踏み出す。
霧深い街に、再び静寂が訪れる。
しかし、その静寂の中には、過去と未来を繋ぐ、希望の光が確かに灯っていた。