【プロット】夢のアトリエ
「ダメだ…全然ダメだ…」
アトリエの片隅で、私は崩れ落ちそうになる心を必死に支えていた。
目の前のキャンバスには、数えきれないほどの線が引かれ、消しゴムのカスが散乱している。
それでも、納得のいくデッサンは完成しない。
高校3年生の私は、美大受験に向けて毎日必死に絵を描いていた。
幼い頃から絵を描くことが大好きで、将来はデザイナーとして、人の心を動かすような作品を生み出したいと思っていた。
しかし、美大受験の現実は甘くなかった。
デッサン、色彩構成、立体構成…、次々と課題は押し寄せ、寝る間も惜しんで制作に励んだ。
それでも、思うように上達せず焦りと不安に押しつぶされそうになる。
「どうして…こんなに頑張っているのに…」
涙が溢れ出し、キャンバスを濡らす。何度、諦めようと思っただろうか。それでも、心の奥底で、諦めたくないという気持ちが燃えていた。
「私は、絶対にデザイナーになるんだ!」
その一心で、私は再び筆を握った。
先生にアドバイスを求め、友達と励まし合い、時にはライバルと競い合いながら、私は一歩ずつ成長していった。
そして、迎えた受験当日。
緊張で手が震える。
それでも、私はこれまで積み重ねてきた努力を信じて、キャンバスに向き合った。
試験課題は「未来」。
私は、自分の未来、そして、人々の未来を想像しながら、筆を走らせた。
試験を終え、アトリエに戻ると、先生と友達が待っていた。
「お疲れ様!」
「よく頑張ったね!」
彼らの言葉に、私は再び涙が溢れてきた。
「みんな…ありがとう…」
合格発表の日。私は、掲示板の前で息を呑んだ。
番号を見つけた瞬間、私はその場にへたり込んだ。
「合格…した…」
涙が止まらない。
喜び、安堵、そして、感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。
私は、デザイナーになるという夢に向かって、大きく一歩を踏み出したのだ。