【プロット】冬の日の奇跡
凍えるような寒さが街を包み込む冬の朝、僕はいつものようにアパートの窓から外を眺めていた。
灰色の空の下、白い息を吐きながら急ぎ足で歩く人々、路肩に積み上げられた雪山、そして、その雪山に朝日が反射してキラキラと輝いている。
そんなありふれた冬の風景を眺めながら、僕はため息をついた。
今日はクリスマスイブ。恋人たちの街は華やかなイルミネーションで彩られているはずなのに、僕の心はどんよりと曇っていた。
理由は明白だった。
昨日、恋人である彼女に別れを告げられたのだ。
「もう、あなたと一緒にいる未来が見えないの」
彼女の言葉が、今も耳の中でリフレインする。
僕たちは大学で出会い、4年間付き合ってきた。
将来を誓い合った仲だったはずなのに。
一体、どこで僕たちの歯車は狂ってしまったのだろう。
自問自答を繰り返すうちに、窓の外は少しずつ明るくなってきた。
その時、僕の目に飛び込んできたのは、アパートの前の公園で雪合戦をしている子供たちの姿だった。
無邪気な笑顔で雪玉を投げ合う子供たち。
その光景を見ていたら、なぜか自然と涙が溢れてきた。
子供たちの笑顔は、まるで僕に「大丈夫だよ」と語りかけているようだった。
そうだ、いつまでもクヨクヨしていても仕方がない。
過去は変えられないけど、未来は変えられる。
僕は彼女との思い出を胸に、新しい一歩を踏み出すことを決意した。
窓を開けると、冷たい空気が部屋の中に流れ込んできた。
深呼吸をすると、心の中が少しだけクリアになった気がした。
この冬の朝は、僕にとって新たな始まりの朝になるだろう。