表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

262/317

【プロット】冬の朝の出来事

冬の朝、まだ薄暗い空の下、高校生の悠人は重たい足取りで家を出た。

吐く息は白く、冷たい空気が肺に染み渡る。

昨日は親友の健太と些細なことで喧嘩をしてしまい、気分はどんよりと沈んでいた。

悠人は、健太とバスケットボール部で共に汗を流す日々を過ごしてきた。互いに競い合い、励まし合い、時にはぶつかり合いながらも、強い絆で結ばれていたはずだった。

しかし、昨日の喧嘩で、その絆が脆く崩れ去ってしまったような気がして、悠人は深い喪失感に苛まれていた。

学校に着くと、いつも通りの風景が広がっていた。

しかし、悠人の目には、何もかもが色褪せて映る。

教室に入ると、健太は既に来ていて、窓際で一人、何か考え事をしているようだった。

悠人は、声をかけようか迷ったが、昨日の喧嘩のことが頭をよぎり、足が竦んでしまう。

授業が始まり、先生の声が教室に響く。

しかし、悠人は集中することができない。

健太のことが気になって仕方がない。

時折、健太と目が合うこともあったが、すぐに視線を逸らされてしまう。

悠人は、自分のしてしまったことを後悔し始めた。

昼休み、悠人は一人、屋上に上がった。

冷たい風が吹き荒れる中、悠人は遠くの地平線を眺めていた。

雪を被った山々が、朝日に照らされて輝いている。

その美しさに、悠人は心を奪われた。

その時、背後から声が聞こえた。

「悠人、昨日は悪かった」

振り向くと、そこには健太が立っていた。

健太の目には、謝罪の気持ちが溢れていた。

「俺も悪かった。

言い過ぎた」

悠人は、素直な気持ちを口にした。

二人は、しっかりと握手を交わし、昨日の喧嘩は水に流された。

屋上からの景色は、さっきよりもずっと美しく見えた。

雪山の頂上は、まるで二人の未来を照らしているようだった。

悠人は、健太と和解できた喜びと、自分の未熟さを反省する気持ちで胸がいっぱいになった。

教室に戻ると、健太はいつものように明るく振る舞っていた。

悠人は、そんな健太の姿を見て、安堵すると同時に、自分も変わらなければいけないと強く思った。

冬の朝、悠人は大切な友人を失いかけた。

しかし、その経験を通して、悠人は心の成長を遂げた。

そして、健太との友情を、さらに深めていくだろう。

冬の朝、雪山の頂上で輝いていた朝日が、悠人の心の成長を優しく見守っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ