【プロット】滅びの山への道
冷たい風が吹き荒れる中、灰色のローブを身にまとった老人が、険しい山道を登っていた。
彼の名はガンダルフ、魔法使いであり、この世界の運命を握る指輪の守護者であった。
彼の隣には、ホビット族のフロドが息を切らしながらついてくる。
フロドの小さな手には、世界を滅ぼす力を持つという、邪悪な指輪が握られていた。
彼らの目的地は、モルドールの奥深くにある滅びの山。指輪を破壊できる唯一の場所、灼熱の溶岩が煮えたぎる火山の火口であった。
旅は困難を極めた。
行く手には、険しい山々、深い谷、そして闇の勢力の魔の手が待ち受けていた。
獰猛なオーク、巨大な蜘蛛、恐ろしい翼を持つ獣。フロドは何度も諦めかけ、指輪の魔力に心を蝕まれそうになった。
しかし、ガンダルフの励ましと、仲間たちの助けがあった。
エルフのレゴラスは弓矢で敵を射抜き、ドワーフのギムリは斧を振るって道を切り開いた。
人間の戦士アラゴルンは、剣を輝かせフロドを守り抜いた。
旅の途中で、彼らは様々な試練に遭遇した。
裏切り、絶望、そして仲間との別れ。それでも彼らは、指輪を滅びの山へと運び続けることを諦めなかった。
ついに、彼らは滅びの山の麓にたどり着いた。
目の前にそびえ立つ巨大な火山は、今にも噴火しそうなほど激しく火炎を噴き上げていた。
フロドは恐怖に震えながらも、指輪を握りしめ、火口へと続く最後の道を登り始めた。
溶岩の熱気が肌を焦がし、硫黄の臭いが鼻をつく。
フロドはよろめきながらも、一歩一歩火口へと近づいていく。
そしてついに、彼は煮えたぎる溶岩の淵に立った。
指輪を投げ込むべき時が来た。
しかし、指輪の魔力に囚われたフロドは、それを拒んだ。
「私のものだ」
彼は叫び、指輪を自分の指にはめてしまった。
その瞬間、フロドの姿は消え、指輪の真の持ち主である冥王サウロンの目が、彼を見据えた。
サウロンの力は、フロドの小さな体を乗っ取り、世界を闇に染めようとしていた。
絶体絶命の危機。
その時、フロドの影から、一人の醜い生き物が飛び出してきた。
ゴラム、かつて指輪に魅入られ、その呪縛から逃れられなかった哀れな生物であった。
ゴラムはフロドに襲いかかり、指輪を奪い取ると、歓喜の声を上げた。
しかし、その喜びも束の間、ゴラムは足元の崖から、溶岩の煮えたぎる火口へと転落していった。
指輪はゴラムと共に、滅びの山の炎の中に消えた。
サウロンの力は失われ、世界は闇から解放された。
フロドと仲間たちは、故郷へと帰還し、平和な日々を取り戻したのだった。