【プロット】世界の果ての約束
冷たい風が吹き荒れる、見渡す限りの雪原。
そこに立つのは、古びた観測基地だけだった。
遥か昔、人類が宇宙への夢を諦めかけた時代に建造されたそれは、今はただ朽ち果てるのを待つばかり。
だが、その廃墟の中で、ひとりの男が目を覚ました。
男の名はユウ。
記憶を失い、自分がなぜここにいるのか、何者なのかもわからない。
ただ、胸の奥底に、何かを探し求めるような、 猛烈な渇きを感じていた。
基地に残されたわずかな記録から、ユウは自分が「世界の果て」と呼ばれる場所を目指していたことを知る。
そこは、地球の自転軸と地軸が交差する地点。
磁気異常の影響で、時空が歪み、過去や未来にアクセスできるという伝説が残る場所だった。
ユウは、失われた記憶を取り戻すため、そして、その渇きの正体を知るため、「世界の果て」を目指すことを決意する。
旅は過酷を極めた。
極寒の地を、わずかな食料と装備だけで進む。
吹雪に遭い、クレバスに落ちかけ、飢えと寒さに苦しめられる。
だが、ユウを突き動かすのは、未知の世界への好奇心と、胸に宿る熱い想いだった。
途中、ユウは謎の少女と出会う。
彼女はアイと名乗り、ユウと同じように「世界の果て」を目指していた。
アイは、ユウの過去を知る手がかりとなるような言葉を断片的に語り、ユウの心を揺さぶる。
アイと共に、「世界の果て」へと歩みを進めるユウ。
だが、二人の前に、思いもよらぬ障害が立ちはだかる。
それは、世界の均衡を守るために、「世界の果て」への到達を阻む謎の組織だった。
組織の追っ手から逃れながら、ユウとアイはついに「世界の果て」にたどり着く。
そこは、時空が歪み、幻想的な光景が広がる場所だった。
そして、ユウはそこで、すべての真実を知ることになる。
自分がなぜ記憶を失ったのか。
アイの正体とは。
そして、「世界の果て」に隠された、人類の未来を左右する秘密とは。
ユウは、過去、現在、未来が交錯する中で、自らの運命と向き合い、人類の未来のために、大きな決断を迫られる。
「世界の果て」の中心部。
そこは、巨大な球体状の空間で、 プリズムのような光が渦巻き、時空の裂け目が無数に開いていた。
ユウとアイは、組織のリーダーと対峙する。
「お前たちは、世界の均衡を崩す存在だ。
ここで止める!」
リーダーは、強力な兵器を手に、ユウたちに襲いかかる。
激しい攻防の中、アイがユウをかばい、致命傷を負ってしまう。
「アイ!」
ユウの叫びが空しく響く。アイは、ユウの手を取り、 微かな声でささやいた。
「ユウ... あなたは... 未来を... 変えられる ───」
アイの体が光に包まれ、消えていく。
怒りと悲しみに燃えるユウは、時空を操る力を覚醒させ、リーダーを圧倒する。
そして、ユウは、人類の未来のために、ある選択をする。
それは、「世界の果て」を封印し、時空への干渉を断つことだった。
ユウは、愛する者を失い、大きな犠牲を払った。
だが、彼の決断は、人類に新たな希望をもたらす。
世界は、再び均衡を取り戻し、人々は未来へと歩み始める。
雪原に吹く風は、まだ冷たかった。
だが、ユウの心には、暖かい光が灯っていた。
それは、アイの記憶と、未来への希望だった。