表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

198/317

【プロット】羽根を失くした天使

 東京の喧騒から遠く離れた、静かな海辺の町。

 古びた教会の尖塔の上で、一人の天使が羽根を休めていた。

 彼の名は、アラクル。

 漆黒の羽根を持ち、堕天使と呼ばれるである。

 アラクルは、かつて天界で最も輝かしい天使の一人だった。

 しかし、彼は、人間を愛しすぎた罪で、天界を追放されたのだった。

 地上に堕ちた彼は、人間と共に生き、苦しみや悲しみを分かち合ってきた。

 ある日、アラクルは、海岸で一人の少女と出会う。

 少女は、莉子という名前で、重い病を患っていた。

 彼女は、生きる希望を失い、ただ静かに死を待っていた。

 アラクルは、莉子に優しく語りかける。

 彼は、自身の過去を語り、そして、人間を愛する心を伝える。

 莉子は、アラクルの言葉に心を打たれ、生きる希望を取り戻す。

莉子は、アラクルに、ある願いを託す。

 彼女の代わりに、世界中を旅して、人々の笑顔を集めてきてほしいというものだった。

 アラクルは、莉子の願いを叶えるため、旅に出ることを決意する。

 彼は、黒い羽根を広げ、世界中を飛び回る。

 旅の途中、アラクルは、様々な人々と出会う。

 貧困、差別、戦争…人々は、様々な苦しみを抱えていた。

 しかし、それでも、彼らは懸命に生きていた。

 アラクルは、人々の優しさ、強さ、そして、愛に触れる。

 彼は、人間を愛しすぎたことで天界を追放されたが、それでも、人間を信じ、愛することをやめない。

 アラクルは、旅の途中で、奇跡を起こす。

 彼は、病人を癒し、争いを止め、人々に希望を与える。

 彼の行動は、人々の心を動かし、世界中に広がっていく。

 そして、アラクルの噂は、天界にも届く。

 天界の長は、アラクルの行動を認め、彼を天界に呼び戻すことを決意する。

 アラクルは、天界に戻るべきか、地上に残るべきか、選択を迫られる。 莉子との約束を果たしたい。

 しかし、天界に戻れば、再び人間と関わることは許されないだろう。

 アラクルは、苦悩の末、地上に残ることを決意する。

 彼は、莉子の元に戻り、世界中で集めた笑顔を彼女に伝える。

 莉子は、アラクルの言葉に涙を流し、感謝の気持ちを伝える。

 そして、彼女は、静かに息を引き取った。

 アラクルは、莉子の死を悲しみながらも、彼女の笑顔を胸に、再び旅に出る。

 彼は、これからも人間と共に生き、彼らの笑顔を守るために戦い続けるだろう。

 数年後、アラクルは、再びあの教会の尖塔に立っていた。

 彼の羽根は、黒から白へと変わっていた。

 それは、彼が再び天界に受け入れられた証だった。

 しかし、アラクルの心は、今も人間と共にあった。

 彼は、地上を見下ろし、人々の笑顔を見守る。

 そして、静かに呟く。

「私はこれからも、人間を愛し続ける。

 たとえ、それが罪であっても」

 アラクルは、白い羽根を広げ、空へと舞い上がった。

 彼は、永遠に、人間を見守る天使となるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ