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【プロット】コミケ会場に紛れ込んだ超能力を手に入れた脱獄囚

 目が大きくて、頭が大きくて、横長な顔。

 赤、青、緑などあり得ないほど鮮やかな髪。

 細い腕と足は長く、小さな鼻と口が尖った形をしている。

 アニメ好きが集まるコミケ会場の入口で、俺を迎えたのは異様な人形たちだった。

 この国は乱れきっている。

 何も生み出さない若者たちが、こうして無駄な人形遊びに興じているのだ。

 だが俺はゆっくりと深呼吸して気を静めた。

 人混みの生暖かい空気が肺を満たす。

 刑務所に逆戻りした方が、きれいな空気を吸えそうだった。

 殺風景なブタ箱にぶち込まれたのは、興奮して力が暴走したせいだった。

 イメージしたとおりの現象を起こせるこの体には、悪魔が()んでいた。

「だから、俺を檻う(おり)に入れろと言ったのだ」

 何度も(つぶや)いたが、頭がおかしいくらいにしか思われなかった。

 昔のことを思い出すと、怒りが顔を出す。

 どうせこいつらは社会の役に立たない。

 汚い空気を吸って吐いて、不快な声を立て不潔な服を着る。

 こいつらこそ豚だ。

 しばらく箱の中で大人しくしていたせいもあって、俺の双眸は燐のように青白く輝き始めた。


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