『仲間?』
「さっさと魔王とやらを倒して父さんと母さんの仇をとるぞ」
「うん。」
「寧珊さんに聞いたんだが、まず冒険者がたくさんいるところに行って仲間を見つけるべきだと言われた。そのあとは森に入ったり海に入ったりして魔王を探すといいって。」
「じゃあ今からは仲間探しの旅ね」
「どっか、近くの山に籠るか。この辺は冒険者も初心者が多いらしいし」
「わかった!決まりね!」
::::::::::::::::::::::::::::::近くの山で::::::::::::::::::::::::::::::
“ドサァー”
周辺で木が倒れる音がした。
「林業でもやってんのかぁ?うるせえなぁ、木が倒れる音。」
「うん。幸先悪いね、、、」
「そうだな。お前らは俺に会っちまったことが運の尽きさ。この時間帯、地震が起きてすぐなのにこんな森にこもってるってことは冒険者だろ?どーでもいいから死ね!」
「なんかいるな」
「木、切ってた人じゃない?」
「てか、装備硬そうだな」
「てか、人数多いね」
「てか、体格良すぎ。」
「「うん、逃げよう」」
「違うんだ!俺はお前らの仲間になりたいんだ!」
「、、、そっか!それなら逃げなくていいね!」
「いやいや、誤魔化すの下手すぎるだろ、、、さっき『死ね』とか言ってたやん、、」
「え、そんなこと言ってないぞ、言うわけないだろう?」
「そ、そうか?」
「ああ!仲間になろう!」
「ああ、握手しようぜ!」
そう言って、手を差し出した瞬間に、手から鋭利な針のようなものを原子操作によって作り出し、出した。
「ぐわっ!てめぇ、、、!なんて事するんだ!許さん!皆の者!かかれー!殺せー!」
「やっぱりそうですよねー」
「逃げる?原都?」
「いや、俺からふっかけたし、戦ってやろうぜ、初対決」
「わかった」
「そこのジェントルじゃないクソガキ!まだ敵かどうかもわかってないやつに攻撃するなんてなってねえな!お前はそんな教育しか受けられなかったのか?かわいそうに。きっとそんなんだと頭も悪いんだろうな、冒険者は学校に行かないから冒険者養成学校に行けばいつでも自由に教育を受けさせてもらえるが、それにもきっと行っていないんだろうな?お前みたいなカスがこの世に存在してるから世の中は良くならないんじゃないか?存在価値なんてねえんだよ!kerks!」
「あんまり長いから聞く気が起きなかったが、俺はジェントルだ!クソガキじゃないし!それだけは気に障る!あとkerksってなんだよ!」
「お前はジェントルじゃない!kerksは『消えろカス』だよ!」
「なーにーをー!?」
「ちびカスクソガキ!」
「ぐわぁぁぁぁああ!」
「ふっ、これで一人はやったか。」
「どういうこと?原都急に倒れたけど。」
「俺の能力は、『煽り殺し』だ。俺に煽られた人はあまりの怒りで脳の血管が千切れてしまう。」
「な、なんてこと!」
「お前も餌食に、、、まあいい。能力をこれ以上使うと俺の血管が切れちまう。皆の者!あの女一人殺せばいい!やれ!」
「「「「「「おおーー!!」」」」」」
あの煽り野郎は奥で切り株に座っていた。
「ひっさぁつ!ハイパーチェンソー!」
あのチェンソー男はおそらく、さっき木を切っていたやつだろう。天乃ならあんな雑魚そうなやつにはやられないと思うが、、、
「あんたらのそのいかつい装備、どうやって手に入れたのよ!?」
「警察署でテスト受けたらもらえたぞ?全員分。」
「なーにぃー!?」
「やっぱり警察署にするべきだった!!!原都ぉぉぉ!?」
死んだふりをしておこう。
「くっそお!絶対倒してやる、、、!導電性の防具、、、ハッ」
「なんだ、、、?」
「あんたたち!そんなに電気を通す服着てると感電するわよ!」
天乃はそう言って指で銃の形を作ると、頭上に暗雲を作って、そこから雷を落とした。
「サンダーショット!」
“うわぁぁぁあ”
「あたしたちに出会ったことが運の尽きだったのよ!残念だったわね!これでうざったいこの世からおさらばできるわよ?よかったわねー」
「お、、、おのれ、、覚えてろ、、」
「名前も聞いてないのにどうやって覚えておけと?」
「お、俺は煽り殺しの能力、煽木苛血だ、、」
「俺は右手がチェンソーになっている、鎖手鋸右だ。覚えとけよ!お前は近い将来苛血先輩に殺されるんだ!」
「逃げるなら防具は置いてった方がいいんじゃないのぉ?」
「し、仕方ない。置いていってやる。に、逃げるぞ!」逃げは戦略だ!早く!」
「ふぅ、初仕事大成功!やったやった!」
「喜ぶ前に、早く俺を助けてくれ、、、頭が痛え、、、」
「あ、ごめん!でも、病院はパンクしてるし、治さんの力も借りられないとなると、、、自然回復しかないねー」
「な、、、でも確かにそうだった、、、」
「大丈夫ですか?」
「えっっとぉ、誰ですか?」
「あなたのことを助ける能力があるので、助けてあげます。そのかわり、少しのお金をくれませんか?お金に困っているんです、、。」
見た感じ、いい人そう、、、っていうか小学校2、3年生って感じの少女だな、、、
「ああ、助けてくれるならお金は払う!さっきの敵から奪い取ったお金。」
「わかりました。回復、、『ヒールライト!ヒールレフト!ヒールストレート!』…どうですか?」
「うん。治さんと同じやり方なんだな、、、治さんよりは弱いけど、確実に回復してる。」
「お、治さん?多分、元冒険者の方ですよね?その人。」
「ああ。知り合いなのか?」
「はい。私はその方たちにお金を恵んでもらって、能力もコピーさせてもらったんです。
「コピー?」
「あ、はい。私の能力は、触った人の能力の50%をコピーできるという能力で、半分の威力の、その人の能力を使えるんです。」
「つまり、能力DNAの一部に触れて、コピーする能力だな。」
「うわっ、ローリープォップ!いきなり出てこないでよ!」
「いいだろ、別に。君たち私のこと嫌ってる、?」
「いや、そういうわけじゃないけど、びっくりするから、、、」
「で、あの、お金、ください。」
「お金の心配ならしなくて良くなるからさ、俺のところの仲間にならないか?」
「え?えっと、どういうことでしょう?」
「俺たちと一緒に冒険して、魔王を倒すってことさ!」
「い、いいんですか!?もしいいなら、、、弟子にしてください!」
「え?あの、弟子じゃなくて、仲間だって、、、」
「さっきの戦い、見てたんです。機転を利かせた戦い方!諦めない心!弟子になりたいです!
あ、できれば男の方、、、」
「え、俺か?」
「よかったねっ!原都っ!」
「げんとさんですか?」
「ああ。風水原都だ。」
「私は風水天乃よ。」
「げんとさんとあまのさん、、、?」
「ああ、お前は?」
「なのるようなものじゃないです。、、、」
少女は、最近知ったばかりというような片言の決め台詞を言った。
「いやいや、弟子になるなら名前は言わなきゃダメでしょ、ー」
「あ、そっか!私は、複野写菜です!」
「シャナか!可愛い名前だな!」
俺がそう言うと、シャナは頬を赤らめた。