『冒険者テスト・原都』
「それでは冒険者申請するために警察署か、区役所に行くが。どっちに行く?」
「んなもん区役所だろ」「警察署かなぁ」
「はっきりしろ!お前らほんとに双子か?団結力無さすぎるだろ…!」
「「もう!正直言ってどっちでもいいんだよ!」」
「そこだけ双子っぽいのやめろ…」
まあ、区役所の方が堅い雰囲気なくて好きなんだけどなぁ。まあ、どっちでも変わんねーよな?
::::::::::::::::::::::::::::::::::三十分後::::::::::::::::::::::::::::::
「ほわー、やっとついたぁー」
じゃんけんによって、結局区役所に決まったのだ。
「やっぱり区役所より警察署の方が近かったんじゃなぁい?」
「うるさいな!もう着いたからいいだろ?」
「さぁて、受付カウンターへ行って受付の人に私を見せるんだ。そうすれば冒険者申請だとわかってくれる。」
「え、お前を見せるだけで?」
「あぁ。なんせ、冒険者は皆私のようなお菓子の能力持ちと共に冒険をしているからな。そもそもそれがなきゃお前たちも冒険者の存在すら知らなかっただろう?」
「確かに…ごもっともだぜ。」
「あ、すいませーん」
…—
誰一人として反応してくれない。声が小さかったかな?
「す、い、ま、せーん!」
…—
あれ?よく見たら、ここには俺しかいなくないか?
ほんとに、さっきまでいた天乃やローリープォップもいない。え、まだ登録してないのにもう帰った?
“ヒュッ”
いきなり鈍器がくるくる回って飛んできた。能力で鋼鉄の原子を組んだから当たらなかったものの、そうせずに、当たっていたら確実に死んでた。鋼鉄曲がってるもん。
「うわわわわわあ!!!」
今度は地面から鈍器が生えてきて、足を潰しにきてる。
原子操作によって足を鋼鉄にしたからなんとか助かったものの、そうしていなければ歩けなくなってた。
「殺す気かっ!」
叫んでもよく響くだけだった。
すると、段々と霧がかかったように薄灰色になってきて、そのうちに苦しくなってきた。
すると、視界の悪いところからまたもや鈍器。
最早、死ぬ!!
こんなわけわかんねぇ死に方したくねえよぉ!!
俺は、苦しい、薄気味悪い霧から身を守るために霧の原子を確認し、有害だと分かったから全て窒素に置き換えた。
「わ、やば!全部窒素にしちゃった!酸素入れなきゃ…」
そうこうしているうちに、気づかない所から鈍器が落ちてきた。
”ドカッ”
「グワッッ」
(誰だか知らねーが)とんでもねえぞ、、こいつ、まだ俺は中三だってのに!まだ俺は冒険者でもねえってのにぃ!
「もう降参ですぅ!だから助けてくれよおお」
「そうか。小僧。」
「お前か?人のことハンマーでガンガンやりやがって。ふざけんな!けがを治せ!はーやーく!死ぬよ?おれ。お前人殺しになりてえの?」
「わかったわかった…」
「『わかったわかった』じゃ、、、ねえよ!!さっさとしろぉ!この人殺し!」
「まだ死んでねえだろ…」
「と、に、か、く!早くしろよ!」
「怪我してんなら少しは黙れよ…」
「黙れねえ!」
「助け呼んでやるから…」
「ああーもう!騒がしいな!そんなもん怪我にも入んねーよ …ぁ?」
「ひぇ、怖。」
「俺が治療してやるから黙ってろ…ぁ?」
「その、語尾の『…ぁ?』ってやつやめてくださいよぉ。。怖い。。」
「なんで治には敬語なんだよ!」
「お、、おさむ、、、さん、?は、ちょっっと怖いのでいつ何をされるのかと思うと、、、ヒヤヒヤする、、、って感じで、、、」
「治にさん付けすんな!おさむおっさんでいいだろ!治が調子乗っちまうぞ、、、」
「うえ〜い^^…ぁ?」
ほんとに調子乗ってる、、、乗りまくってる、、、
「と、、、ところで、早く治してもらえません?」
「ああ、そうだったな …ぁ?」
まだやるんだ、、、普段ずっと言ってるのかな、、、?キャラ濃!!
「ヒール・ライト!ヒールレフト!ヒールストレート! …ぁ?」
そう言い放ってハイヒールを履いてコツコツと音を鳴らして歩いている、、。キャラ濃!!
でも、ちゃんと傷は治っている様なのでまあいいが。
「あの、、、ヒールライトの『ヒール』って英語で『治す』って意味なんですよ、、、あと、ヒールライトの『ライト』って左右のライトじゃなくて『軽い』みたいな意味なんですよ、、、」
「細かいことは気にしねえんだよ …ぁ?」
「え、、、あ、、はい、。」
「リタイアしたならこの仮想空間から出てってもらおうか。じゃねー」
「え、誰?仮想空間?どゆこと?」
「簡単にいうとね、原都君。あのペロペロキャンディは君たちの仲間だろ?そして区役所に来たということは冒険者申請だ。だから、合格か、それとも不合格か、見ていたのさ。まあ、不合格だけどね。申請は何回でもできるから頑張りなよ。」
「く、、くそぉ!そういうことだったのか、、、ちなみに、あんたらは冒険者なのか?」
「『元』だな。」
「昔は冒険者だったってことか?」
「ああ。そうだ。」
「名前教えてやるよ。おれは、槌野鈍太だ。能力はハンマー投げだ。」
急に自己紹介始めたぞ…?
「俺は毛賀治だ 。…ぁ?能力は傷口を修復し、もとに戻すという能力だ。 …ぁ?」
「私は加相寧珊。最大50人を仮想空間に送れる姉さん係の紅一点よ!仮想空間に行ってる人は立ちながら寝てるみたいになるわ。それを見てる人は、滑稽で仕方がないって爆笑してたわよ!」
いかにも姉さんっぽい名前だなぁ…
って、俺は今仮想空間にいるから、もしかしたら天乃に爆笑されてるかもしんないってこと!?
「全部で三人?」
「最後に俺がまだいるぜ。風水時太郎。能力は、時を最大10秒止められる。ただ、指定した人は何人でもその時止め空間で動き回れる。」
「え、、、?父さん?どういうこと?」