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お金稼ぎのために、学校一の美少女にウソの最低告白した結果

作者: リーゼロット

……なぜ、こうなった…なぜ?何が悪かった?いや自業自得なんだけども!なんで俺の前に……


「あの、皆川くん?ちゃんと見えてるますか?」


 学校一の美少女がスカートをたくし上げて俺にパンツを見せているんだ……


――事件(?)前日の昼休み


 俺の名前は皆川紅斗(みなかわべにと)。楽しいことしかしたくないをモットーとして毎日楽しく生きている高校一年生だ。


「おーい、紅斗。白色のコビト様が今度はテニス部のイケメン副部長をフったってよ!」


 俺にどうでもいい情報を伝えてきたこいつの名前は流山連(ながれやまれん)。この高校に入ってできた俺の数少ない友達の一人だ。


「で、その白色のコイビトって誰だっけ?というかお前恋人いたのかこの裏切り者!」

「コイビトじゃなくてコビトな!あと俺に恋人はいねえよちくしょう!」

「そんでその白色のコビト様って誰」

「説明するのはいいけどこれで説明七7回目だぞ?そろそろ医者行ってこい」


 すでに7回説明されてたのか…あと医者行けはひどいだろ


「でー白色のコビト様についてだろ?本名は暗海銀(くらうみぎん)。高校2年生にしてうちの学校一の美少女。基本的には無口で文武両道。そしてなんといっても特徴的な白銀の髪色と驚異の身長140センチ!そしてあだ名(二つ名)の白色のコビトのコビトの部分を小人と書くと殺されるとかなんとか」


 なるほど、どうやら話を聞くになかなかの有名人らしい。だが……


「なんかつまんなそうな人だな。」

「まぁお前完璧とか嫌いだもんな」

「だって完璧であるって大変だしくだらないじゃん?そんなくだらないことにエネルギー使うくらいなら自分にとって楽しいことに使った方が百倍いい人生歩めるじゃん?だから俺は楽しいことしかしたくない!」

「それいっつも言ってるよな〜。もう何回聞いたっけな」

「俺そんなに言ってるか」


 こいつ無言でめっちゃ驚いていやがる。無自覚とは恐ろしいものだ


「お!そういやお前って楽しいことしかしたくないんだよな?」

「そうだけどなんで?」

「思いついたんだがコビト様にウソ告白とかしてみね?面白そうだろ?」

「いや全然」


 唐突に斜め上の提案をしてくる連。というか絶対なんか企んでるだろ


「とりあえず怒らないから何企んでるか教えろ?」

「いやマジで面白そうって思っただけだよ。あともちろんただの告白じゃない!どうだ?」

「確認だけど俺が告ってOK貰える可能性は?」

「絶対ない!0%だ!」


 こいつ…絶対ないって断言しやがった…一応友達だよな?俺ら


「根拠は?」

「学校トップクラスのイケメンからお前に似た陰キャ系モブ男子までありとあらゆる男をフってきたあの人がお前に惹かれるわけないだろ」

「だな」


 俺も思わず納得してしまった…それに実際一切関わり合いとかないからフラれるに決まってるな。うん


「で、ただの告白じゃないってどういうことよ」

「その前にコビト様にはファンクラブ的なものがあるんだよ」

「はぁ」

「そしてそのファンクラブはコビト様に突撃して散っていった猛者(ガチ勢)がたくさん集まっている」


 どうしよう。こいつがマジで何を言いたいのか全くわからん。


「結論早くしてくんね?」

「そうだな、結論を言うとフラれたときのセリフを録音してファンクラブに持ち込むと謝礼が出るんだよ」

「お前、まさか…」

「そう!ありえない告白をしてレアなフリセリフを頂戴してがっぽり稼ごう作戦!」


 こ、こいつ……!想定以上のクソ野郎だ…!しかも自分でやらず友達にやらせるなんて、だが……


「面白そう!乗った!」

「お前ならそう言ってくれると信じてたぜ!親友!」

「で、なんでお前はやらないんだ?」

「いやもうやっただけ。コビト様、最初の一回は絶対告白させてくれるんだけどフラれたらそのあとは絶対告白に反応すらしてくれなくなるだよ」


 よかった、こいつも既にやっていたのか。ならこいつは悪くないな!


「ところでそんときはどれくらい?」

「ざっと一万ほど、ね?」


 たった一人のフリセリフに一万出すファンクラブとかやべえなマジで


「ところでお前はどんな告白を?」

「ジャンピング土下座からの付き合ってください」

「勇者かよ」


 けどそれで一万なら超お得だな。ただこれ以上の告白とか普通にむずくね?


「で、俺はどんな告白をすればいい?」

「台本は考えてある!まずジャンピングスライディング土下座からの全力大声で『好きです!あなたのスカートたくしあげてパンツ見せてください!』ってどうよ」


 こいついっぺん殴っていいよな?どう考えてもネタ全振りな最低告白だけど……


「よし!明日の放課後に実行するか!」

「成功したら二人で分けるぞ!」

「ところでどれくらいいくと予想?」

「ぶっちゃけ6桁は堅いかなと」


 10万確定とか仕事しっかり頑張ってる人に申し訳なくなるな


「じゃあラブレターで屋上に呼び出してお前が告白って感じでいいか?」

「とりあえずラブレターは授業中に適当に書いとくから次の授業終わったら速攻下駄箱に行って入れて明日告白(録音)って感じでいい?」

「オッケーだ!ヘマすんじゃねえぞ!」


 明日には十万か…十万あればマジで色々買えるな。今のうちに何買うか考えるか


――翌日の放課後、告白直前


 とうとうこの時が来てしまった。


「背中につけたカモフラージュ付き録音機(盗聴器)はあるな?」

「おう、ちゃんとあるぜ。昨日散々練習したろ?大丈夫だ、必ず音声を手に入れてくるから先帰ってろ、安心しろ?必ず明日には音声データを聞かせてやるからよ」

「おう!頑張れよ!」


 そうして俺は屋上に呼び出した暗海さんのところへ向かう


「暗海先輩!」

「はい!」


 そして俺は全力で助走をして特大ジャンプをし、そのまま慣性の法則に従い土下座態勢でスライディング、めちゃくちゃ顔痛いが十万のため俺は我慢してラストの告白をした


「好きです!あなたのスカートたくしあげてパンツを見せてください!」


 あとは返事という名のおそらくくるであろう罵倒を録音するだけだ。あとはこの態勢を維持するだけ、そう思っていた……


「あの、こんな感じでいいですか?」


 その少女、暗海銀はスカートをたくしあげて俺にパンツをみせていた。……俺にパンツをみせていた⁉︎


「あ、あの……」


……なぜ、こうなった…なぜ?何が悪かった?いや自業自得なんだけども!なんで俺の前に……


「あの、皆川くん?ちゃんと見えてるますか?」


 学校一の美少女がスカートをたくし上げて俺にパンツを見せているんだ……


――少し経過した頃


 俺は未だに土下座をしていた。ただ、さっきまでと違うのはまず背中にあったカモフラージュ付きの録音機(盗聴器)がとある人の手に渡っていること。そして俺の前で笑顔で学校一の美少女が泣きそうであり、同時に笑顔で録音機を手に持っていること。

……簡潔にいうと、計画がバレた。


「要は、皆川くんはお金の為にわたしに告白したということですね?」

「はい!そういうことでごさいます!」

「グスッ…わたしの喜びはぬか喜びだったんですね……」


 結構ガチでコビト様が泣いている。そしてなんで同時に笑っているのかがわからないから余計不気味である


「ふぅ、少し落ち着いてきました。で、皆川くんは、わたしが好きではないということですね?正直に言ってほしいです」

「はいっ!まことに申し訳ありませんがわたくしはあなた様に恋愛感情を一切持っておりません!」


 コビト様はふむ、と言った感じで何かを考えている…いや、どちらかと悩んでいると言った方が正しいような感じだ。なんだろう、処刑方法でも考えてるのかな?(現実逃避)


「ふむ、わかりました。とりあえず一回立ってもらっていいですか?」

「イエッサー!」


 俺の人生もここで終わりか……いい人生だったなぁ


「それでは皆川くん、好きです!わたしとよろしければ付き合ってください!」

「……。ふぁえ⁉︎⁉︎」


 え?今告白された…?告は、好き、え?ゆ、夢か?何がどうなっているんだ?


「せ、先輩?これはもしかして新手のイジメ的なあれですか?」

「いえ、普通に恋愛的に皆川くんが好きなんです…」


 とりあえず告白されたことと先輩が俺のことを好きだということは嘘ではなさそうだ。いや、なぜ俺?


「あの、先輩。なんで俺なんですか?」

「いや、まぁ、一言で言うとわたしって小さい頃から親に縛られて優秀でわがままひとつ言わないいい子として生きることを強制されていたんです。なので今まで誰にも甘えたりしないように人に話しかけられないよう色々頑張りました。けど、まぁまぁ昔のある日、皆川くんのが友達との会話で言っていた『完璧であるって大変だしくだらないじゃん?そんなくだらないことにエネルギー使うくらいなら自分にとって楽しいことに使った方が百倍いい人生歩めるじゃん?』と言う言葉で心が軽くなったんです。そんな価値観が、わたしや親がずっと執着してきたものをくだらないと言えるその考え方がとても良いと思ったんです」


 なんか思っていた以上に重めの話だった…。あと全然一言じゃないじゃん!雰囲気壊さないから言わないけど!


「そしてそれからどんどんあなたのことを調べました。といっても合法的手段で手に入れた情報だけですけど。それでそれからどんどん惹かれていって、まぁ今に至るって感じですね。あと全然一言じゃなくてすみませんね。」


 やべぇ。結構重い話だなこれ…。ただ、先輩には申し訳ないけど……


「先輩。ウソ告白は本当に申し訳なかったですけど俺はあなたに恋愛感情もないしあなたと付き合うことが楽しそうだと思えません。だから、俺はあなたと付き合えません。ごめんなさい!」


 これは俺の本心だ。実際、先輩は話してみるといい人ではあったが俺はまず恋愛が楽しそうだと思えない。そんな状態で先輩と付き合ってもきっとすぐ破滅すると思う。だからここは心を鬼にして断るしかない


「まぁそう言われると思ってはいました。実際、皆川くんは恋愛が楽しそうだと思ってなさそうですしね」


 あれ?これはもしかして平和的な終わりが見えてきてね?やったか!


「ところで皆川くん、あなたの背中についていたコレ(録音機)、忘れてません?」


 はい、平和的な終わりが無くなりましたー。これ放送とかで流されるのかな?ウソ告白して泣かせたってバレたら学校に入った瞬間殺されそう(主にファンクラブの人に)


「ですが、わたしはこういった脅しで付き合い始めても長く続かず結局悲しい結末を迎えると思います」


 うん、今のところは結構まともなことをいっている。これはバッドエンド回避いけるか?


「でも、わたしは自分のあなたが好きだと言う気持ちを裏切りたくないのです。ゆえにわたしは提案をします。まず一ヶ月!一ヶ月間彼氏彼女として振る舞ってもらってそれがあなたにとって楽しくなく、あなたの楽しいを邪魔しているのなら容赦なく振ってください。そのときは脅したりせず、すんなり身を引きます。どうでしょうか?」


 ふむ、一ヶ月か…。一ヶ月耐えれば無償で釈放、楽しいと感じたのなら関係存続も可、あれ?これ最高の条件じゃ?


「わかりました、先輩。とりあえず一ヶ月付き合いましょう。それで一ヶ月終わった後振らなかった場合はどうします?」

「そしたらそこから十一ヶ月後、わたしがあなたに本気の告白をします。あ、もちろんその前にわたしに惚れたのなら十一ヶ月待たずに皆川くんから告白してもらって大丈夫です。そしてわたしが告白したとき、あなたがわたしに惚れたのなら正式に付き合ってもらえませんか?」


 ふむ、つまり一ヶ月が終わったら彼氏彼女の皮をかぶった友達として過ごしていき、その間に俺を惚れさせると言うことか……


「わかりました先輩。その条件すべて飲みましょう!」

「本当ですか!?よかった〜〜」

「とりあえずこれから一ヶ月間、よろしくお願いします、先輩!」


 だが俺は知らなかった、いや、わかっていなかったと言うべきだろう……学校一の美少女と付き合うと言うことがどれだけやばい爆弾なのかと言うことを…

普通学校の屋上は使えないよ?とかそう言うマジレスはできたらやめてください。ぶっちゃけ他にいい場所がなかったんです…

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