81 救援
「魔力を消されちゃ困るんでな。今回ばかりは本気で戦ってやるぜ」
「悪いがそんな時間はない!」
植物魔法が相手なら全然振り切れる。ナルヤは無視して城へ向かおうとするが……
「射炎斬」
「ダークネスシールド」
後ろから炎が飛ばされ、闇の壁でそれを打ち消す。ユノだ。流石にあれで倒せたとは思っていなかったが、思ったより復帰が早い。
「ここから先は行かせねぇ。ユウの為にもなぁ!」
「ってこった!二人で足止めさせてもらうぜ!」
戦っても恐らく勝てるだろう。しかし、かなりの時間足止めを食うのは分かりきっている。それでは間に合わない。
「念の為様子見に来て正解だったようだ」
そう聞こえると共に、闇の波動がユノへと飛ばされた。彼女は慌てて回避し、飛んできた方向を見上げる。
屋根の上にいたのは長身の男。魔王軍の一員にしてナルヤの仇敵。
「テメェは!」
「あの時のローブの野郎か!」
「わたしだ」
「テメェも魔王軍に入ってやがったとはな」
「この国をぶっ壊してくれると言うんだ。乗らない手はないだろう?」
ザイは屋根から飛び降り、ユノへと攻撃を仕掛けた。それにより城への道が開く。
「行きたまえ! そこの二人はわたしが相手をしよう」
「待ちやがれ!」
「行かせるか!」
「おっと、通るなら、このわたしを倒してからにしてもらおうか?」
戦いを始めた三人を背に、ナルヤは王城へと向かった。
カウントダウン
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