78 覚悟【ルイ】
「ルイ様! 魔力レーダーに異常な反応が!」
「魔力レーダーに⁉︎ ちょっと見せてくれないか」
観測員の言葉に促されレーダーを確認する。
レーダーには、強大な魔力の反応が四つ。内一つは、飛び抜けて高い数値を誇っていた。
「魔力の種類は?」
「今解析します。…………これは!」
「どうした⁉︎」
「魔力の種類を確認。……全員闇魔法です!」
闇魔法。かつて魔王が使っていたとされる魔法である。まさか魔王が復活した? でも何故このタイミングで……。
「魔力反応は、真っ直ぐこの城に向かっています」
「多分目的はミユキだ。何としても俺が……」
「どうしたんですか?」
その時だ。ある一つの可能性に思い至ったのは。
昨日の夜、ミユキの仲間であるユノから連絡があった。ナルヤが消えたと。そして現れた闇魔法の反応、王都への進撃。
「そうか、君はその道を選んだのか」
まだ見えない好敵手に向かいルイは言葉を投げかけた。そして城にいる騎士達に指示を飛ばす。
「王都にいる人民を避難、集めていた冒険者を城壁前に集結、今ある全兵力を持って迎え撃て! 城の中は僕が守る!」
彼女を犠牲にしてしまった時点で、自分に勇者を名乗る資格がないのは分かっている。それでもやらなければならない。
それが勇者としての使命、皆を守りたいという願い、罪を背負ってでも平和を守るという覚悟だ。
(もし君が現れたなら、全力をもって止めて見せよう。例えこの命が尽きるとしても)
カウントダウン
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