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6 SSSSランクのスキル

「ここが、ナルヤが来たかった場所?」

「うん。少し気になる事があって」


 目の前にそびえ立つのは、この国の国教であるフレシン教の教会だ。前に貼ってあるスケジュールを見る限り、今日は予定は入っていないようだ。

 ナルヤは扉を開き教会内へと入る。


「気になることって?」

「僕のスキルの事でちょっとね」


 ナルヤはずっと疑問だった。何故自分はスキルを授からなかったのか。もし、先程立てた仮説が本当なら……


 祭壇では、神父服を着た神父が待機していた。


「すみません。僕のスキルを見てもらえませんか?」

「分かりました。今確認します」


 神父は手をナルヤの頭にかざし、呪文を唱える。これが魔法発動に必要な行程らしい。

 神父は決まった魔法を持つ物しか成ることが出来ない。それがスキル確認。その名の通り、対象者がどういうスキルを持っているかを確認する物だ。


「確認出来ました。あなたのスキルは、『勇敢なる者:光魔法』」

「「光魔法⁉︎」」


 その情報に、二人は驚きの声を上げる。それもその筈、光魔法の使い手はこの世界に一人しかいない貴重な存在で、その使用者は必ず勇者になると言われている。


 そして、現在の勇者も光魔法を使う。つまり……


「光魔法を使える人が同じ時代に二人いるってことになるね」

「ただ、なんで今更になって出てきたんだろう?」

「なんでだろう。多分、覚醒したのはさっきだよね」

「ああ……って良く分かったね」


 ミユキはナルヤにスキルが無かった事を知らない筈だが……


「さっきの必死な表情からは、強者の余裕? みたいなのは感じなかったし、なんとなくそうかなって」


 ナルヤ達が考察をしていると、いつの間にかどこかへ行っていた神父が戻ってきた。何やら、さっきまでは持っていなかった分厚い本を持っている。


「このスキル名に見覚えがあり、偉人が載っている図鑑を見てきました。因みにフレシン教会出版、銀貨一枚で購入出来ますよ」

「買いません」

「お嬢さんは?」

「私もいいかな」

「ありゃ残念」


 神父はゴホント咳払いをし、話を続ける。


「そこに載ってある歴代勇者のスキルを見たのですが、その光魔法使用者のほとんどが『勇ましき者:光魔法』でした。今代もそうです」

「僕のスキルと違う」


 スキルは、前半がランク、後半が扱える魔法になっている。ナルヤの場合は、勇敢なる者がランクで、光魔法が扱える魔法だ。


 ランクは魔法の強さを表しており、一番下がE、一番上がSS、そして光魔法だけはランクで測れない別格の存在という扱いだ。世間ではSSSという評価を受けている。


「そしてここのページの右下の豆知識コーナー見てください」


 言われて右下を見る。どうやら、勇者グランドについての記載の様だ。


「勇者グランドは他の勇者とスキルが違って、『勇敢なる者:光魔法』と出たらしい……ってこれ⁉︎」


「勇者グランドは歴代勇者の中でも別格と言われている程の実力者だ。つまりこれをランク付けするならば……」

「SSSSランク!」


 もしかしたら自分は凄い才能を持っていたのかもしれない。ナルヤの心は、かつてない期待と興奮で埋め尽くされていた。



カウントダウン

       29day

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