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63 闘いの前に

『ハルサメ選手のアイスブラストを受け、ソウメン選手場外へ吹き飛ばされた! 二回戦へ駒を進めたのは、ハルサメ選手だぁ!』

『いやー鮮やかな戦いでした。続いてはナルヤ選手対ルイ選手ですね』


『大会屈指の注目カードなのは間違いないでしょう。事実上の決勝戦と言っても差し支えないのではないでしょうか!』

『いやいや、他にも実力者は沢山いますよ。それに、大会に番狂わせは付き物です。どの試合も、目が離せないですよ』


 第一試合が終わり、実況席の対談が始まった。普段ならそれを喜んで聴いているが、今のナルヤには話の内容が入ってくる訳もなかった。


 ここから三時間程空いた後、一回戦第二試合、ルイとの戦いが始まる。昨日程思い詰めてはいないが、こんな大きな大会、ましてや相手は憧れの人物となれば、緊張しない筈がない。


「次はナルヤの番だね」

「ああ、僕はそろそろ選手控え室に行こうと思う。だから一旦ここでお別れ「それなんだけど!」……ミユキ?」


 ナルヤの言葉を遮るミユキ。その表情は、いつもより真剣そうだ。しかし、すぐにいつもの様子に戻り……


「みんなで控え室に行かない? ほら、その方が寂しくないだろうし」

「いや、それは駄目だな。選手控え室には、出場する選手しか入ることが出来ねぇ」


 ユノの言葉に、ナルヤは頷く。彼女の言う通り、選手控え室には選手以外入ることは出来ない。でないと、色々と不正が出来てしまうからだ。


「安心して、さっき飲み物を買ってくる時に、運営の人に許可を貰ってきたんだ」

「許可? そんなこと出来るの?」

「そうなんだ。不正出来ないように運営の人が付いておくのが条件だけど、特別に許可してくれるって」


 言って一枚の紙を取り出した。そこには明らかにミユキの字で許可証と書いている。しかし、ハンコは確かに運営のものだ。


「って事は本物か?」

「……みたいだね」


◆◆◆◆◆


 三人で控え室に行ったところ、特に注意される事なく通された。ミユキの言っていた事は本当のようだ。

 そして、監視員らしき人物も入ってきた。だが、少し違和感がする。


「なあナルヤ」


 ユノも気付いたようで、ナルヤに耳打ちしてきた。ナルヤは彼女にしか聞こえないくらいの大きさで返す。


「ユノも気付いた?」

「まあな。あの監視員、かなりの手練れだ。あの体を見れば分かる」


 あの監視員のような体付きにするには、それ相応のスキルと、幾度にも渡る鍛練が必要だ。何故そんな人間が大会の運営、更に下っ端がやるような業務を行っているのか。


「まあ、何か事情があるんだろ。それより今は大会だぜ! ナルヤ、勇者なんかぶっ飛ばして、優勝を勝ち取ってこい!」

「ああ、この試合、絶対に勝つ!」

カウントダウン

       2day

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