48 表彰
ナルヤは壇上に登り、支部長からバッジを受け取った。
バッジを貰えるのは大会等で優秀な成績を収めた者だけ。勿論、ナルヤが貰うのは初めてである。嬉しくない筈がない。
(これがバッジ……バッジ……バッジだ……!)
ナルヤは内心で興奮しつつも、出来るだけ平然と装う。バッジを付け終えた支部長は、魔道具であるマイクを手に持った。
「彼は素晴らしい力を持っている。これならもしかすれば、あの勇者ルイさえ討ち倒し、今代の勇者になれるかもしれない。私達は彼の大いなる活躍を期待しているよ」
周りから拍手が送られ、それに合わせて心臓の高鳴りが大きくなっていく。人生でこれ程讃えられた事があっただろうか。今ナルヤは幸福の頂点にいるのだ。
「ではナルヤ君、一言どうぞ」
ナルヤはマイクを受け取った。そして話し始める。
「今ここに立てているのは、ミユキ、ユノ、二人の仲間がいたからです。まずはこの二人に改めて感謝を。そして、僕の夢は勇者になり、皆を守る英雄となる事。絶対に優勝し、その夢を叶えます。だから、本戦もよろしくお願いします!」
再び盛大な拍手が巻き起こる。ナルヤはマイクを返し、壇上を後にした。
カウントダウン
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