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40 衝撃の真実

 ユノが攻撃を繰り返すも、水、草、岩、更に雷魔法まで使い、じわじわと追い詰めていく。

 そんな光景に、観客席の人間は唖然とする他なかった。


 魔道具でもないのに浮かび上がる機械の龍、何故か行使している複数の魔法。皆が抱いていた常識が、尽く破壊されていく。


「ナルヤ、アレって何が起こってるんだろう」

「僕も分からない。可能性があるとすれば、誰にも知られていない特別なスキルを持っているか、あの機械に何か仕掛けがあるか……待てよ」


 ある可能性に思い至り、今まで使っていた魔法を思い起こす。水、草、岩、雷……これは!


「そういう事か!」

「何か分かったの?」

「ああ、アレは、吸収した魔法をストックしておげるんだ」

「ストック?」


「今あの人が使っていた魔法は、全てトーナメントで対戦した相手のものなんだ。そして、多分あの龍が飲み込んだ魔法だよ」


 こればかりはナルヤが戦っている途中で行われた試合もあるため、完全に断定は出来ない。だが、一回戦でショウが使っていたウォーターストリームを使っている事からも、可能性は非常に高い。


「理屈は分かったけど、そんな事って出来るの?」

「僕の知る限りは出来ない。ただ、魔法を吸収出来る道具すら前例がないんだ。これを作った人なら、その機能が付いててもおかしくはないと思う」


 もしこの考えが事実ならば、次に来る手が読みやすくはなるが、ユノは気が付いていなさそうである。


 そうこうしている内に、ユノに次々と魔法が浴びせられていく。

 それに何か、もう一つ違和感があるような……


「ナルヤ……なんとか出来ないのかな。あんな辛そうなユノちゃん見てられないよ……」


 ミユキが苦悶の言葉を漏らす。身内が一方的にやられているのだ、そうなるのも当然である。


「辛いけどそれが勝負なんだ。僕達には見守ってあげる事しか出来ない。だか……ミユキ、今なんて言った?」


 ミユキの言葉に引っ掛かりを覚え、ナルヤは聞き返した。


「え? あんな辛そうなユノちゃんは見てられないって……」

「あんな辛そうな……?」


 あの魔道具には、ダメージを肩代わりする機能が付いている。つまり、戦闘中でも痛みを感じる事はない筈だ。


 それによく考えれば、あれだけのダメージを受けていれば、もうとっくに膜が弾けている筈である。それらが同時に起こり得る可能性……


「まさか!」

「また何か思いついたの?」

「ダメだ! 早く試合を中止させないと!」

「なっナルヤ?」


「ちょっと行ってくる。ここで待ってて」

「えっあっ私も行く」


 ナルヤは大急ぎで仮支部へと向かった。



カウントダウン

       17day

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