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17 風龍の降臨

 風龍は出現頻度が極端に低く、交戦した記録が少ないため、その能力は殆ど解明されていない。なので、効果的と思われる作戦は立てられなかった。


 なので、重装備を着た騎士を前に。その後ろに軽装の戦士、そして後衛で補助をする魔術師達を配置する事になった。


 風に飛ばされない騎士達が風龍を抑え、その間に魔法を叩き込み、一気に戦況を有利に持っておこうというものだ。


 非常にシンプルな作戦だが、重装備を着ていない人間は軒並み風龍の風に飛ばされる事を考えると、この作戦が最も効果的だと判断されたのだ。


 ナルヤとユノは中衛な配属された。グランドマジックでは、甲冑などの装備をつける事が禁止されているので、殆どが軽装だ。


 なので、中衛や後衛にはグランドマジックの出場者であろう人達が多く配属された。非常に心強い。


「来るぞ!」


 地平線の先に、風龍らしき姿が見える。地面スレスレの位置を飛行し、こちらに向かってきていた。かなり遠くにいる筈だが、騒々しい風の音がここまで聞こえて来る。


 風龍は見る見る距離を詰め、とうとうその姿がはっきり見て取れた。


 その見た目は、炎龍と非常に酷似していた。変わっている点と言えば、炎龍だと赤かった部分が緑色に変わっているぐらいである。


「前衛、取り押さえろ!」


 指揮官の指示で前衛が抑えにかかる。ここで取り押さえたらナルヤ達の番である。ありったけの魔法をぶつけ、風龍を弱らせる。


 ここで倒さなければ大勢の被害が出る。絶対に失敗出来ない。自然と柄を握る力が強くなる。が……


「ぐぅぁぁぁ!」「ぐぁっ!」「そん……な」


 風龍のあまりの風量に、前衛が次々と薙ぎ倒されていく。風龍は依然速度を変えずナルヤ達の目の前に迫っていた。


「まずい、早く魔法を!」


 誰かが叫ぶがもう遅い。抑えてから魔法を放つという算段だったので、発動の準備がワンテンポ遅れていた。


「うあぁぁぁぁぁ!」


 その圧倒的な風圧に踏ん張る事すら出来なかったナルヤは、風に舞う埃の様に空へと飛ばされた。


 だが、スキルの強さは肉体にも補正を与える。SSSSランクのスキルを持つナルヤはすぐ様体勢を立て直した。


 後衛は必死に魔法を打ち込んでいるが、風龍の纏う風の膜打ち消されている様だ。全く勢いが衰えていない。


 空中ではバランスが取り辛く、魔法の照準がズレやすい。ナルヤは緊張を覚えながらも、剣に力を込める。


「シャイニングスラッシュ!」


 三日月の形をした衝撃波が風龍と接触するであろう地点に目掛けて飛んでいく。


「いっけぇぇぇぇ!」


 衝撃波は風の膜を突き破り、見事風龍に直撃した。


「ぎぎゃぁぁぁぉぅ!」

 

 風龍から叫び声が上がる。かなり効いた様である。


「空炎剣!」

「土王斬!」

「アイスブラスト!」

「ロックシャワー!」


 辺りから次々と魔法が放たれる。その多くは風に打ち消されるものの、いくつかがそれを突破し、着実にダメージが入っていった。


 このまま削って行けば……そう思った矢先、風龍をとんでもない行動に出るのだった。



カウントダウン

       24day

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