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13 激闘の果てに

「クソー。負けちまったか」

「正直付与魔法を予め使っていなければ勝てるか分かりませんでした」


 倒れているユノにナルヤが手を差し出す。彼女はそれを掴み立ち上がった。


「ほほう、その言い方だと、それでも勝てる可能性はあった訳だ。まあどちらにせよあたしの負けだ。ありがとう、良い勉強になったよ」


 言って手を差し出すユノ。今度は相手の補助をする為ではない。健闘を称える為である。ナルヤはそれを握りしめる。


「こちらこそ、ありがとうございます」


 激戦を繰り広げ、そして称え合う。スキルを授かる前、想像していたことがようやく実現した。


「良い雰囲気の所悪いが、少し話をさせてもらっていいかな?」


 森の中から、男が登場した。眼鏡をかけた長身の男だ。白衣を着ていることから、町に住む研究者の一人なのだろう。


「はい。大丈夫ですけど」

「なら良かった。ちょうど探してたんだ、強力な魔法の使い手を……と、失敬失敬。名乗るのが遅れて申し訳ない。わたしはザイ」

「私はミユキ」

「あたしはユノだ」

「……あれ、ナルヤ?」


 ナルヤが返答しないのを見て、ミユキが心配そうに呼び掛ける。その言葉でようやく気がついたナルヤは慌てて返答した。


「すみません。どこかで聞いた事がある気がして。僕はナルヤと言います」

「ナルヤか、良い名だ。ナルヤ君、君にお願いがあるんだ」


「僕に何の用でしょうか?」

「わたしは今、新作魔道具のテストをしていてね。あらゆる攻撃から身を守る盾を作ったんだが、耐久テストをしようと思っていたんだ。そこで君に、さっきのシャイニング……なんたら? を撃ってもらいたい。勿論、報酬も出させてもらうよ」


「魔道具…………あっ!」


 その単語を聞いて思い出した。町を出る前に魔道具店で見た二つの新作魔道具、その作者名と全く同じだったのだ。


「もしかして、解体マンとモンスターバスターXを作ったのって……」

「わたしだが」

「凄い! あれは革命的魔道具ですよ。あれが冒険者やってた時にあればどれだけ楽だったか……」


「ご満悦な様で何よりだ。それでどうかな、わたしに協力してくれるかい?」

「はい。喜んで」



カウントダウン

       25day

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