ダンジョン地下B1
地下1BFのBFって何ですか?
「あのっ、すみません。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「んっ、何だ?」
俺は思いついた事を聞く。
「あの、、、ダンジョンで畑とか作れるとか思います?」
「、、、、、お前何言ってんだ?、、
そんなの無理に決まってるだろ、、多分深層階の事を言ってるんだろうが、つええモンスターだらけだぜ、、畑を耕してる途中にモンスターに見つかって殺されるぜ。」
「やっぱり無理ですかね、、?」
「無理っていうか、、うーん、、」
アルファは考え込む。
「やっぱりネックはモンスターだな。モンスターさえ、なんとか出来れば土地的にはいけるんじゃなねえか、、あとは他のダイバー(ダンジョンに潜る人)とかに見つからない事も重要だな」
「見つからない事ですか?」
「ああっ、そうだ。一応、ダンジョンのモンスターを倒して自分の物にしたり、自生してる植物をGETするのはOKだ。あとダンジョン攻略の為の野営もOKだ。ただダンジョン攻略っていう前提でな!
だからダンジョン攻略する気もなく、畑をつくるのは完全に法律的にOUTだ。
あと、住み着くのも、もちろOUT。
だから、もし見つかって、捕まったら最悪、一生牢獄だぜ。
だからダンジョンに畑を作るのだけはやめとけ、命がおしくないならな。」
さっきのやめとけより、強い口調でアルファは言った。
「でも、、今の言い方だと、要するに掴まらなければ、いい訳ですよね、、」
「お前さあ完全にダンジョンに畑作ろうと思ってんだろう。わかんねえなあ、命だぞ命!だったら、まだ普通にやった方がよくねえか?
どんだけ人間関係が面倒くせえんだ。まあ、やめた俺がいうのもなんだけどさ。」
アルファが呆れた顔をした。
その時、アルファはゆたかな胸元が微かに光る。
それと同時にアルファが「わるい、伝光石だ」
といい胸元から下げたネックレスの先の光る石を胸の谷間から取り出して、それを見つめる。そして「悪い、急用だ!指名でギルドに依頼が入ったから、ギルドにもう一回
戻るわ!」
そういい立ち上がると金貨10枚を机に置いて「釣りはやるよ、そんなに金持ってないんだろう。」
「いいんですか?」
「ああ、だからもう一回言っとくぞ!とにかくだ、ダンジョンで畑をつくるなんてやめとけ!」
そういい彼女はこの店を後にした。
「とは言ってもなあ、、」
正直いうと、ダンジョンに潜って畑をつくる以外に現時点で選択肢はないような気がしていた。
普通のルートでこの地上に土地の権利を手に入れて畑をつくっても、面倒な契約や人間関係に囲まれてしまう。(そもそも人間関係が嫌でのんびり畑を作って暮らしたい。がスタートだから、この選択肢は絶対なし)
農業関係なく、この地上で他の仕事を探し、のんびり暮らす。
(多分だが、この世界では身分を証明できない俺に何の仕事もないだろう。だから、この選択肢もなし)
だから残されてる道はダンジョンで畑をつくるしか、今のとこはないよなあ
他のダイバーに見つかる危険性も、まだ他のダイバーが到達していない深層階なら嫌でも見つけられない。
手強いモンスターは隠者の能力でなんとかなる気がしているし、アルファさん曰く豊潤な土地もある。
あと、せっかく伝説の武器を諦めてまで選んだ農業3点セットも無駄にしたくなかった。携帯日本民家も試したかった。
駄目だ!考えれば考えるほどダンジョン以外の選択肢が考えられない!
という事でアルファさん。ごめんなさい。
俺、命より人間関係の方が嫌なんです。
★★★★★
地下B1
という事で俺はミスドダンジョンの地下一階に潜ってすぐの所にいた。
目の前のミスドダンジョンの地下一階は俺の思い描く、一面茶色い壁に囲まれた普通のダンジョンで事前に聞いた話だと三十六階までは、この様式でダンジョンが続き、三十七階から異空間ダンジョンに切り替わるらしい。
なんで三十七階から、という中途半端なつっこみはしないでおこう。
(補足だがミスドダンジョンに繋がる四つの入り口はギルドからもっとも近いミスド東口を選び、ダンジョン前にはかなりの厳重なチェックがあったが、俺はもちろん隠者の能力ですり抜けた。)
さてと、それではさっそく隠者の能力でダンジョン内の気配を感じることにしよう。
俺が精神を研ぎ澄ませる。
そして、今ダンジョン内に自分を含めて5組のパーティーがいる事
それと同時に合計24匹のモンスターが居る事、そして四人組のパーティーが今3匹の敵と戦っているという事。
そしてダンジョンの大まかな間取りさえ、わかった。
下へ降りる階段の位置は正確には把握できなかったが、他のパーティは下へ降りる階段がある場所を知っているので(地下1階から36階までの電石地図はすでに出回っている)彼らが向かう方向である程度は分かるので、まあ気にしなくても良いだろう。
っていうか隠者スキル便利すぎ!
という訳で、俺はアルファがくれたお釣りで買った激安ナイフを装備して、あらためて自分のステータスをチェックする事にした。
評価よろです。