表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヌベールの映画の旅  作者: ヌベール
映画の旅第1部
5/105

ローマの休日



1954年のアメリカ映画です。


これほど有名な名作を、私が語っていいのだろうか、と思う。どなたかファンの方からクレームでも来やしないか?

ちょっと心配だ。


さて、いつの頃からか、小説でも映画でも、なぜこの作品がこんなに売れるんだろうとか、なぜここまでヒットするのだろう、ハテナ?と思う事が増えてきた。

 そういう作品については何も語ることができない。どこがいいのか、よく分からないからである。


これはひとえに、私の感性が時代に追いついていないせいなのだろう。そこにある良さを、感じられなくなったのだろう。


その点、やっぱり『ローマの休日』などは、どこからどう見ても名作だし、ヒットして当たり前だと思ってしまう。

古い人間なんだな、私も。


というのも、世間に出たことのない王女がローマで1日の冒険に出る。これはいかにもありそうでいて、しかしそれまでなかった着想である。これがまず、この映画の第1番目の勝利だと思う。


次に王女にオードリー・ヘップバーンという女優を起用した。まさに王女さまにぴったりで、その純粋で清楚な印象に見る者全てが好感を持ってしまう。

ここに第2番目の勝利が生まれた。


そして相手役の新聞記者、ここに背の高いグレゴリー・ペックという紳士を抜擢した。この役も、彼にピッタリだった。

これが『ローマの休日』第3番目の勝利。


そして1日の王女の冒険の楽しさ。また、それをここぞとばかりにカメラマンの友人がフィルムにおさめたにもかかわらず、それを最後に王女に返し、3人には、特に王女と新聞記者の2人の間には、一度のキスだけで、淡い思いだけが残るというラストへのもっていき方。

これでこの作品は完全に勝利した。


これだけ全てが揃った作品が売れないわけがない。


現代のヒット作やベストセラーにも、何か、そうした勝利の要素があるはずだと思うのだけど、ここまでその要素が揃った作品というのは随分お目にかかっていない。

やはり私の感性が鈍ったのか。


でも、それはそれでいい。私にもこうした昔の名作に心底感動した年代もあったのだから。

それで充分さ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ヘップバーンが全てというべき映画でしたね。 この映画と対極を成すとも言える、「熟年夫婦の倦怠」をテーマにした「いつも二人」は個人的に大傑作と思っております。
[一言] あ、これは見ました。テレビ放映のものですが。 「ローマの休日」 これは、ヌーベルさんのおっしゃる通り、オードリー=ヘップバーンが王女役だったからですよね。 当初の王女役は別の女優さんが候補だ…
[一言] 三話目ぐらいを書かれていた時に見つけ、それから読ませていただいております。こういう読み物、かなり貴重だと思ってます。 その時に「これ、今後マニアックに突き進むのかなぁ、ちょいちょいメジャーど…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ