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前書き
ふと、考えた。
私がここに駄文を書いていることに、何かの意味があるのだろうか。
どうせなら、文章を書くことで、何かの役に立てないか、と。
私は子供の頃から映画が好きだった。古い映画なら随分観ている。
今、小説を書いている作家さまたちは、比較的新しい映画はご覧になっていても、古い映画はそうでもないかもしれない。
そして、古いからといって、その作品に価値がないわけではない。
もしネタバレ前提で、それらをここに紹介したら、それもただあらすじを書くというよりは、私なりの解説、見解を織り込んで書いたら、もしかしたら今の作家さまに何かヒントになるようなものがあったり、読み物としても、少しは面白いものができるかもしれない。
そこで、過去に私が観た古い映画を、少しご紹介したいと思う。
尚、執筆にあたっての参考文献は、一貫して、猪俣勝人著『世界映画名作全史』です。
では、次回第1回は、ルネ・クレマン監督「太陽がいっぱい」を取り上げようと思います。