漫才 名付け
二人「どうもー、俺たちでーす」
ツッコミ「最近、知り合いに子供が産まれまして」
ボケ「お、これはおめでたいですね」
ツッコミ「それでどんな名前がいいかと相談を受けてるんです」
ボケ「はいはい」
ツッコミ「でも、どんなのがいいのか見当が付かなくてね。あなたも考えてくれませんか?」
ボケ「いいですよ、でもどういうのがいいんでしょう」
ツッコミ「そうですね、縁起のいい奴ですかね」
ボケ「縁起がいい……、分かりました。じゃあ三輪明宏とかどうですか、縁起がいいですよ」
ツッコミ「いや、あの、確かに縁起はいいですけど。それだと山田美輪明宏とか佐藤美輪明宏になりますよ? おかしくないですか」
ボケ「待ちうけにしたらご利益がありそう」
ツッコミ「確かに子供の写真を待ちうけにする親は居ますけどね。でもそれは美輪さんだから効果があるんであって名前が同じだけでは効果はないですよね」
ボケ「ダメですか。それじゃあ、そうですね……。百二十歳なんていいんじゃないですか、大還暦ですよ」
ツッコミ「えーっと……、百二十歳ちゃん、大きくなったねー。いくつになったのー?」
ボケ「うんー、百二十歳は三歳になったのー」
ツッコミ「ややこしいね!」
ボケ「成人式かー、百二十歳もそろそろ二十歳で大人の仲間入りだな。でもまだ六分の一だな、はっはっは」
ツッコミ「はっはっは、じゃないですよ。色々おかしいの分かって言ってますよねあなた」
ボケ「ダメですか、中々贅沢な赤ん坊ですね」
ツッコミ「別に赤ん坊が贅沢な訳じゃないですけどね」
ボケ「じゃあ、えっと……パワースポットなんてどうですか」
ツッコミ「……はい」
ボケ「人が凄く集まりそう、元気になりそう」
ツッコミ「いや、えっと、色々突っ込み所はあるんですが、とりあえず横文字はやめときましょうか」
ボケ「ああ、確かにハーフみたいになりますもんね」
ツッコミ「そんなカッコいい物じゃないですけどね」
ボケ「じゃあ、これは源氏名に取っておきましょう」
ツッコミ「えーっと? それは生まれる前から水商売をするのが決まってるって事ですか」
ボケ「絶対人気が出ますよ、この源氏名。パワースポットちゃんパワースポットちゃんって皆に声掛けられますよ」
ツッコミ「呼びにくそうですけどね」
ボケ「パワースポットちゃんのパワースポットに俺のパワースポットを──」
ツッコミ「ちょっとちょっと! 下ネタはやめましょうよ。引く人はドン引きしますから」
ボケ「え、まだ早い? デート三回目ぐらい?」
ツッコミ「そういう問題じゃないです」
ボケ「んー、難しいですねぇ」
ツッコミ「あなたが無駄に難しくしてる感じはしますけどね」
ボケ「ああ、これはどうですか。インフルエンサー」
ツッコミ「……あなたも懲りませんねぇ」
ボケ「皆言うじゃないですか、インフルエンサーになりたいって」
ツッコミ「まぁ今の一つの憧れではありますけど」
ボケ「この子もそうだと思うんです。いつか私もインフルエンサーになるんだ! と思う時がきっと来る。その時に、あっ……、もう成ってた。ってなるんですよ」
ツッコミ「なりませんよ、名前がインフルエンサーってだけで一歩も近付いてませんよ」
ボケ「親に感謝ですね!」
ツッコミ「しませんしません、逆に名前で恨まれます」
ボケ「あっ、分かりました。縁起がいい名前といったらあれです。ジュゲムジュゲム」
ツッコミ「えーっと、確かそれは縁起のいい物をつなげて一つの名前にするって奴ですね。この時点で却下ですね」
ボケ「じゃあ、今までのをつなげてみましょう」
ツッコミ「あなた人の話聞いてませんよね」
ボケ「三輪明宏120歳パワースポットインフルエンサー」
ツッコミ「もうひたすらに三輪さんが神々しいだけ! 子供の名前関係ない!」