第二話
「あの、すいません。道を聞きたいのですが」
「ん、どこに行きたいんだい?」
村の近くで一晩野宿し朝方村に入った。
村の入り口で掃き掃除をしていた三十代くらいの女性に話しかけた。
「ギルドに行きたいのですがどの道を通っていったらいいですか?」
「ギルドならこの道をまっすぐ行って二本目の道を左に入る。突き当りにある緑色の建物だよ」
女性は愛想よく指をさして教えてくれた。
「ありがとうございます」
「きおつけるんだよ、最近商人を狙う盗賊がたまに出てるから」
女性が親指で刺すほうを見た。
軸が折れ、黒焦げになった荷馬車とその横で座り込んでいる商人が視界に入った。
「ひどいですね」
「あぁ、あそこの商会は規模が小さかったからね。あれじゃきっと店じまいさね」
どうにかしてやりたいとは思うが俺にはそんな力はない。
背を向けて立ち去るしかなかった。
「それじゃあ行きます」
「あぁ、きおつけてね」
道案内をしてくれた女性に手を振り、教えてもらった道を進んだ。
「カツトさん」
「今更だな、カツトでいいぞ。どうした?」
「さっきの女の人、決まづそおいにしてた。私のせい?」
俺が愛想よくふるまっていたから普通に会話しているように見えたが、その俺が連れていたのはぼろぼろの奴隷服を着た少女だ。
奴隷商人か奴隷を買うような人間だと思われても仕方がない。
俺だってそんな人間とは深く関わりたくない。
「ごめんなさい」
俺が黙っていたせいで不安にさせてしまったらしい。
「そんなくよくよするな、お前のせいじゃない。そもそも奴隷じゃないしな、俺の恋人(仮)だ」
「はい!」
一瞬驚いたように沈黙をしたが、元気を取り直し、頬を赤く染めてうなずいた。
そんな可愛いヒナの反応にドキッした。
(なんにしてもヒナの服くらいは早く買わないとな。そのためには!)
場所は変わりギルド内。
カウンターで受け付けのおっちゃんと会話をしていた。
「初めての方ですね。私はドナ。このギルドで受付をやっているものです」
「よろしく、俺はカツト、こっちはヒナだ」
ドナは改まってお辞儀をした。
「それでは要件を、こちらへはどのような用件で?」
奴隷を連れている俺を見ても臆さない。
長い経験からくるものだろう。
人間としての能力が高い、味方にすると心強いって感じの人だった。
「あぁ、俺とこいつでギルドに登録をしに来たんだ。頼めるか?」
「かしこまりました、二名様ですね、少々お待ちくださいませ」
ドナは裏へ行き、登録の準備をしてくれた。
「なぁ、ヒナ」
「どうしました?」
「俺はこういったことに関してよくわからないんだが、登録手数料なんか掛からないよな?」
ヒナはにこっとこちらに微笑んだ。
それはもう素敵な笑顔で。
「確か、一人五百リタくらい必要だったような...」
そしてヒナの表情が徐々に青ざめていく。
「なに!」
俺もあまり記憶にないが確かセレナが言っていた。
百リタはだいたい果物一つやビスケット五個入り袋くらいの価値らしい。
円で例えるなら百リタは二百円ってところだ。
つまり五百リタ。
(一人千円近くも手数料が必要ってか!)
準備を終えたドナが書類と印鑑のようなものをもってやってきた。
「やばい、来た」
さっきまでの優しそうな丸いメガネが光を反射してダンジョンボスのような強力な威圧感を出していた。
ヒナは俺の服をぎゅっとつかんだ。
二人してのどをごくりと鳴らす。
「それではお手続きを...」
「ごめんなさい!」
ドナの言葉に割って入った。
「登録に手数料がかかることを今の今まで知らなかった。わるい!」
「ごめんなさい!」
受付で二人して深々と頭を下げた。
慌ててドナも止めに入る。
「落ち着いてください、そんなことで怒ったりしませんから」
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
(これじゃまるで冷やかしじゃないか )
下げた頭を上げることができない。
そんな俺とヒナをみてドナが耳打ちに提案を持ち掛けた。
「それではこんなのはどうでしょうか。私があなたたちの登録手数料を肩代わりしましょう」
「えっ!」
「しぃー!」
ドナは口に人差し指を当てた。
「その代わり...」
「その代わり?」
「私、今少々厄介な案件を受け持っておりまして、早く消化したいのですがどうも依頼を受けたがるギルド会員がおりませんでな」
つまり、その依頼を俺たちが受け、無事達成するのが条件ということだった。
(何を始めるにもまずは金が要る、そのためにはギルドに登録しなきゃいけない、ここはドナさんの提案に乗っておくか!)
ヒナと目を合わせうなずきあった。
「分かりました、素敵な提案ありがとうございます。その依頼、俺たちが受けましょう!」
「よろしくお願いします」
そのあと、ドナから依頼情報を聞き、早速行動した。
「えぇっと、依頼内容は最近起きている商人を狙った盗賊の正体を探って相当することか、さっきの叔母さんが言ってたな...」
依頼内容が書かれた紙に目を通す。
「依頼 最近出没する商人を狙った盗賊の調査と拘束 報酬十五万リタ」
盗賊退治をして報酬十五万リタ、つまり三十万円ってことだ、ほかのギルド会員には報酬不足と言われているが、俺たちにとっては十分だった。
「なるほどねぇ~。能力の高いギルド会員にとっては単純に稼ぎの少ない依頼。それ以外の有象無象のギルド会員にとってはリスクと報酬が釣り合わない依頼ってことか。確かに盗賊相手だと命に係わる案件だもんな」
情報を聞く限り数十人相手に戦闘をする必要がある依頼だ。
ドナはそのせいで依頼を誰に受けてもらえず困っていたらしい。
「十五万リタ、前に働いていた場所だと、半年働いても手に入らない大金です!」
「ヒナ...。まずは情報収集だ、行くぞ!」
「はい!」
村の入り口に戻り、荷馬車を焼かれた商人に話を聞くことにした。
ヒナとは二手に分かれて情報収集をすることにした。
「ヒナ、とりあえずこれをもっておけ」
ヒナにナイフを渡した。
「ありがとう、ございます?」
ヒナはなぜナイフを渡されたのかわからないといった顔をしていた。
「さっきドナさんに聞いたんだ、ナイフを持った奴隷は持ち主に人間として認められたか、より自身に近い存在として扱っている証拠だと」
つまり、奴隷だからと言ってヒナに悪さをしたり情報を提供しないような奴がいたら、このナイフを見せれば誰かが後ろ盾に付いているということの証明になるのだ。
「なるほど、ありがとうございます!」
「服が奴隷服の間は見やすいところに持っておくといい」
ヒナはうなずいて腰ひもに括り付けた。
そこから二手に分かれ、情報収集を始めた。
「すいません、私はカツトといいます。この荷馬車を襲った盗賊について情報を聞きに来ました」
俺はまず最初に荷馬車の持ち主であろう商人に話を聞いた。
「ギルドの人間か。俺達はもうだめだ、荷馬車がなくなって商売ができんくなった」
そういう商人の男の後ろには泣き崩れる家族がいた。
そう、彼は職を失い、明日を生き抜く金を稼ぐことすらできなくなっているのだ。
「落ち着いてください、ギルドには村人を守るため、何かが原因で職を失った村人には次の稼ぎ口が見つかるまで最低限ですが生活費を保証する処置があります!」
「本当か!」
「はい!」
セレナに聞いた話だ。
物知りだったセレナは俺の質問にはたいがい答えてくれた。
三年前。
「なぁ、この世界にはモンスターがいるだろ?」
「えぇ、いるわよ?」
「そいつらのせいで働き口を失っちまったらどうするんだ?こんな小さな村、モンスターにとって獲物だろ」
セレナは村の入り口に掲げられたギルドの旗を指さした。
「この村みたいな小さいところは特に狙われるからね、何か問題があって働き口を失った村人には次の働き口が見つかるまで生活費を保証してくれるんだよ」
「なるほど、それなら大丈夫だな」
今に戻る。
俺はいったんヒナと合流することにした。
保証の話を聞いて落ち着いた商人は俺とヒナを前に話を始めた。
「あれは二日前のことだ。隣のトリン村から荷を運ぶ依頼を受けていたんだが、村に着く直前で襲われた。」
「どんな奴らでしたか?」
「二十人近い集団で、赤い竜のマークが入れられた白いフード付きマント姿だった。」
なんだかアサシンみたいだと思った。
「もう少し詳しく聞きたいです」
「こんなところで話すのは申し訳ない。積み荷置き場も兼ねているから散らかっているが家に入ってくれ」
商人について家に入った。
さすが商人の家だ。立派な接客室が用意されていた。
「かけてください」
「どうも」
椅子に腰かけると俺とヒナの分、それから商人の男の分のお茶を女性が運んできた。
「ありがとうございます」
女性にお礼を言って会話をつづけた。
「改めまして、私の名前はケイン・テリテット。このあたりでは一番小さい商会として有名だった、はっはっは」
会話を明るいものにしようとあえて笑っているが、だったとつけるあたりやっぱり再起不能なのだろう。
「そうだ、こいつのことも紹介しておかないとな」
「初めまして」
お茶を持ってきてからケインの後ろで待機していた少女がお辞儀をした。
きりっとした目つきにきれいな長髪が後ろで止められていた。
しっかりした性格といった印象だ。
「こいつはシルバー・レーン。知人の娘でな、五年前に事故で両親を亡くしてしまって以来、うちで面倒を見ているんだ」
「どうか、家の商会の荷馬車を襲った連中を、ほかの商会の人たちのためにも、早く見つけてください」
「あぁ、微力ながら尽力させてもおらうよ。ただ、あまり期待しないでくれ」
(依頼内容やドナさんからの情報を聞く限り相手はかなり大きな組織だ。こちらも何か対策しないとな)
「荷馬車を襲撃された時の状況をもう少し詳しく教えてもらってもいいですか?」
「ああ、構わない」
ケインはシルバーに頼み、紙とペンを持ってこさせた。
紙に道と思われる線と荷馬車を書いてくれた。
「こぉ、路を移動していたらいきなり荷馬車の前に一人目の白いフードが立ちふさがった」
荷馬車の進行方向に丸を書く。
「そんな風にいきなり現れたらこっちだって焦る。当然荷馬車を止めた。そしたら両脇の木の陰からほかの白いフードがわらわらと出てきた」
道の両脇に丸をたくさん書き始めた。
「そしたら今度は後ろだ、三人の護衛をつけた明らかに指揮官らしき人間が手を挙げた。次の瞬間馬は剣で切られ、私たちは引きずり降ろされ、積み荷を持っていかれた」
「なるほど、指揮官がいると」
「あぁ、そしたら今度は魔道具を持った奴らが現れて荷馬車を焼いて行った」
ケインは気が付くと涙を流していた。
「荷馬車はなくなった。職もなくしたが、命はあったんだ。よかったのかもしれない」
何かを押し殺すケインの表情に俺は何も言えなくなった。
しばらく時間を置くとケインは落ち着きを取り戻した。
「今日は貴重な時間をいただき、情報を提供していただきありがとうございました」
「あぁ、こんな話しかできなくてすまんな」
俺はヒナの方をとんとたたき、立ち上がった。
ケインも続いて立ち上がった。
「どうか、あいつらを牢獄にぶち込んでくれ!」
俺ははいとは言わず無言で会釈だけして商会を後にした。
「カツト、これからどうしますか?」
「とりあえず、襲撃のあった現場に行ってみようと思う。ただ、その前に...」
そういってギルドに戻った。
「ドナさん、いますか?」
「どうされましたか?」
受付の奥から扉を開けて出てきた。
奥で仕事をしていたようだ。
「すまない、依頼を出そうと思うんだが、いいか?」
「えぇ、でも。依頼を出すのはいいのですが、依頼の報酬はどおされるおつもりですか?」
「確か、村の護衛兵士たちは村人のために動く。その報酬は国から支払われる。そうだったな?」
ドナはなるほどと手をたたいた。
「確かに彼らの報酬は税金から払われるので今のあなた方にとってはとても頼りになる存在ですね」
「あぁ、だが、そんな彼れも依頼がなければ動けない。そこで依頼をしに来たってわけだ」
ドナはうなずいて依頼書を持ってきてくれた。
今回の依頼は襲撃現場の調査に護衛として同行してもらうことだ。
理想としては十人以上ほしい。
「カツトの強さだったら護衛なんて必要ないんじゃ?」
「奴隷商人の時はたまたま勝てただけだ。今回は規模も相手も違う。自分の身を守るためにやっているだけだ」
ヒナは珍しく不満そうだ。
「それでは滞在許可証の提示をお願いします」
「へ?」
(なに?滞在許可証?そんなの持ってないぞ?)
「あの、持ってないんですけど、発行とかしないといけないですか?」
「えぇ、依頼を出すには身分が証明できるものを提示する必要があります」
(どうしよう、何度も言うが金は一リタも持ってないぞ)
絶望の表情で向き合っている俺とヒナをみてドナは笑った。
「滞在許可証の発行に料金はかかりません、こちらで済ませてしまいましょう」
俺はドナさんが神に見えたのだった。
「よろしく頼む!」
「はい、承りました」
滞在許可証の発行に必要な書類に名前や年齢などの情報を書いていく。
「あの、ここ。職業の欄、なんて書いたらいいでしょうか」
「あなた方はすでにギルドに登録されています、副業として登録されている方もいますので、ほかに仕事がおありでしたらそちらを、なければギルド会員と記載ください」
「分かりました」
無職無一文だった俺とヒナはおとなしくギルド会員と書いた。
発行には数分かかると言ってドナは裏へ行った。
その間にヒナと依頼内容を確認しておいた。
「護衛依頼 対象 兵士 最近起きている 商人を狙った襲撃の件に関しての調査 希望人数十人以上」
「よし、これで良し。集まってくれよ!」
「これは兵所へ直接送ることになるので確実に集まりますよ」
ドナさんが奥の扉から出てきた。
「お待たせいたしました、これが滞在許可証です」
「おぉ!」
個人情報などが書かれた保険証のようなカードが渡された。
「有効期限は一年、期限切れまでに更新に来ていただければ記載情報の更新だけで済みますが、それを過ぎるとまた先ほどのようにいろいろ書いていただかなければならなくなります」
「なるほど」
「ちなみに、村での宿泊や高額な買い物、銀行のご利用には滞在許可証の提示を必要とする場所が多いのでご了承ください」
「なるほどなるほど」
金があっても結局何もできなかったわけだ。
「ありがとうございます!」
「いぇ、依頼に関しては明日以降に兵士たちが王都から派遣されると思うのでそれまで村で滞在ください」
「わかりました、と言いたいのですがお金がないです」
「そうでしたね」
ドナさんと苦笑いを交わした。
「今はまだ昼です、今回の商人襲撃の依頼以外に宿泊代くらいは稼げる依頼をいくつかご紹介いたしましょうか?」
「本当ですか!依頼を複数同時に受けてもいいんですか!」
「えぇ、構いませんよ?ただ、しっかりとこなしてください」
「はい!」
ドナさんは受付カウンターの下から紙を取り出した。
「一つ目の依頼は村付近に最近出没するゴブリンの討伐。十体討伐で報酬一万リタです」
「十体も!?」
「報酬としてはこんなものでしょう」
二枚目の紙を見た。
「二つ目の依頼はどぶ掃除です。指定個所の掃除で報酬は四千リタです。こちらはあといくつか同じような依頼を受けないといけませんが...。どうされますか?」
(別に俺は野宿でも構わないんだが、ヒナにはあまり無理をさせたくない、風呂にでも入れてやりたいしな~)
どぶ掃除には時間がかかる上に複数受けなければいけないという課題があった。
(クソ!俺に力があればもっと簡単に決められたのに!)
「一つ目にします」
「かしこまりました」
十数秒の沈黙の末ゴブリン討伐を選んだ。
依頼を受ける手続きとこなし、依頼にあった場所に来た。
村を出て数分歩いた林の中だ。
そんなに高さのない林だからゴブリンらしきモンスターの頭がひょこひょこと出ていた。
「ここか...」
「みたいですね」
俺は果物ナイフを構えた。
「と、とりあえず一体おびき出すぞ、ヒナは俺の後ろに」
「分かりました」
今いる場所から一番近いゴブリンに向かって石を投げた。
「シャー!」
「何!」
激高したゴブリンが大声を上げた。
俺は驚いて後ろによろめく。
「大丈夫?」
「あ、あぁ」
ヒナが支えてくれた。
視界を戻すとゴブリンたちは身を隠していた。
「どこ行きやがった!」
地面が振動し始める。
(ゴブリンの奴ら、まさか)
予想的的中、一斉に突撃してきた。
「やっぱりー!」
気づいた時には間合いを詰められていた。
ゴブリン集団との距離は二メートルほど。
「くっ!」
俺はこん身の力でナイフを振った。
結果、膝上ほどあった林が広範囲にくるぶしほどの高さにカットされたのだった。
「生き、てる?」
ゴブリンの血肉が散らばっていた。
「よかったー!奇跡的に助かったぞ!」
振り返りヒナとハイタッチを...。
次の瞬間、俺とヒナはキスをしていた。
「ひ、ヒナ!何を!」
「今朝も言いました。私はカツトのことが好きです。嫌でしたか?」
ヒナは照れながら涙目でこちらを見つめてた。
二十歳にもなってファーストキスを少女に奪われた。
(どどどどどどうしよう!む、胸が、キュンキュンしてるぞー!)
脳内は火山噴火状態だ。
いったん落ち着き、ヒナを見つめる。
「ヒナの気持ちは分かった、ありがとう。ただ、今回の盗賊の件が済むまで、いったん保留にさせてくれ」
結局俺はチキンだったのだ。
そして、討伐の証明となるゴブリンの所持していたものを拾い集める。
「ヒナ、なんか見つけれたか?」
「槍と剣をいくつか」
「こっちも似たようなもんだ」
集めたものを並べる。
槍が三本と剣が七本、それにネックレスの用の装飾品が二個あった。
「一応十二個アイテムをゲットしたわけだが、これを提出すれば十体討伐になるのか?」
「村からここまでそんなに時間はかかりません。いったんドナさんのところに持っていきましょう」
「そうするか」
剣や槍をひもで縛り、勝井でギルドに持って行った。
「ドナさん、依頼、こなしてきました」
「おかえりなさいませ、確かにいらい達成、確認しました」
ドナさんは書類に印鑑を押した。
「それではこちらが報酬の一万リタになります、ご確認を」
「ありがとうございます」
袋の中には銀色の硬貨が十枚入っていた。
銅色の硬貨が百リタ。
銀色の硬貨が千リタ。
金色の硬貨が一万リタ、そのほかにも硬貨があるが大きいものはこんな感じだ。
「ちなみに、この村で一番安い宿となるとどこになりますか?」
「村の南口を入ってすぐの宿屋が一泊二千リタほどだったはずです。食事はついていませんが、共有の風呂が付いていたはずです」
「ありがとうございます」
(風呂が付いているのはありがたい。さっきの戦闘で返り血を浴びちゃったからな)
「それじゃあ、今日はこのくらいして宿屋に行こうと思います」
「大変申し上げにくいのですが、今回の依頼完了の速さ見ますに、カツト様は相当お強いのではないのでしょうか、でしたら、兵を雇わずとも自力で解決できるのでは?」
「怖いこと言わないでくださいよ、今回は運が良かっただけです。盗賊なんか相手にしたら瞬殺されちゃいますよ。それじゃ」
ヒナと一緒にギルドを出て宿屋を目指した。
兵士たちが来るまで早くて二日、少ないが金も手に入った。
(いろいろ準備しておかないとな)
現在の所持金 一万リタ
二話目投稿です!
一話目をまだ読んでいない方は是非読んでください!
次回もよろしくお願いします!
この小説はこの方と勝負してります⇒ るちあ ID1699896