その5
ブンミントーセーとは結局なんだろうか?
>ブンミントーセーっていうのは軍隊作って檻に閉じ込めて「安心」というように見えますね。
というブログに寄せられたコメントに集約されるような気がします。
「軍隊」が無いのは不安だ。
ところが、「軍隊」があるのも不安だ。
そこで出来たのが、ブンミントーセー。
で、憲法改正を考えるときに、このブンミントーセーのままやれば、どんな改正をやっても自己満足以上の効果は無いんじゃないかな?
これまで見て来たように、政治家が正常、適切な決断できるか怪しい上に、決断する材料を正確に取得する手段が制限される。
そして、政治家が負うべき責任が曖昧で、その一部が官僚に分担され、結局、自衛官に責任転嫁される。
この状況を放置して「憲法改正!!」と叫ぶのは、本末転倒と言わないのかな?
自衛隊の能力強化、拡充という事についても、人員や兵器の拡充というハードは、時間と予算さえあれば可能ですね。
ただ、いくら自衛隊が強力な「軍隊」になっても、それを動かすに足るだけの決定力や責任感が無い政治体制で、そのようなものが維持できるのかな?
「軍事力を背景にした外交」という言葉もあるけど、それって、交渉している政治家自身が軍隊の行動の決定権を持って交渉を進めるから、強気の外交が出来る。
決断のための情報や知識が正確に取得できないならば、明確な意思を持って外交交渉に臨むことすら出来ない。
そのような状況で不用意に軍事的な行動が伴うと外交交渉自体が成立しないし、場合によっては交渉相手が誤った判断をしてしまうかもしれない。
自衛隊の迅速な行動という事で必死に有事法制やミサイル防衛の法律を作って安心している人が多くない?
法律があれば自衛隊が動く訳ではないのは記事で書いたとおり。
ちゃんとその法律を元にした作戦計画を作って、政治家が命令、実行させる仕組みが無ければ、自衛隊は全く動けない。
何か事件が起きてから慌てたところで「迅速」とは程遠い動きしか採れませんからね。
そう、今のままのブンミントーセーを継続するのであれば、どんな魅力的なスローガンを掲げようと、実現など出来ないでしょう。
まず、文民統制を実行する事から始めないと。
そのためには、政治家が知ってるだけじゃなく、誰もが「文民統制とは何か」を知っている必要がある。
戦車がどうの、戦術がどうのを皆が知っている必要性は必ずしもない。そんなものは専門家の自衛官に任せておけば良い。
文民統制が実施されれば国会で自衛官が戦力や戦術の説明し、政治家がそれについて様々な意見を出して議論し、必要なことは自衛官が答弁で応えてくれるんだから、それを参考にすれば良い。
なぜ、自衛官が国会で説明しないといけないか、なぜ、幕僚長などの自衛隊幹部が総理や防衛大臣といつでも連絡取れる状態でないといけないか。
これはブンミントーセーでは理解できないでしょ?でも、文民統制では、「それが無ければ文民統制が成り立たない」と理解が出来る。
この記事が少しは参考になっていれば良いのですが・・・
完
長々とお付き合いありがとうございました。
なぜこんなに長ったらしいんだ?と思った人も居た事と思います。
実際、これを千字程度にまとめてもらえないかというコメントをブログ投稿時に頂きましたが、それをやると「その1」冒頭に記したように、専門家の小難しい講釈しか書けないんですよ。
文民統制を小六、あるいは中学の時の授業でどう習ったか?考えてみてください。サラッと流されて、後はメディアの解説等で何となくそうなんだという理解しかないと思います。しかし、本来ならこのように20~30分、1時限使って授業するほどに中身があるモノなんですよ。しかし、ほとんどの人は知らないままです。
このエッセイが今日以降のニュースや報道番組を見る際の参考になれば幸いです。