その4
さて、ブンミントーセーを語る上で、チラッ、チラッと書いた事ですが、政治家が官僚に責任を分担させていると書きました。
これ、単に責任転嫁として説明されているわけじゃなく、これがブンミントーセーだと説明されてるんですね。
自衛官を監視して暴走させないための仕組みって。
日本では多くの人がそれで納得しているのも事実なんですが・・・
では、本当にそれが文民統制か?
当然、文民の解釈には他の解釈もあるので、興味がある方は自分で調べて見ましょう。
ではいきます。
文民・文官(官僚)・武官(自衛官)
何の事か分かりませんね。では、遠足の話にあてはめましょう。
ただ、そのままじゃ、対比にならないので一つ委員を増やしてみます。
遠足や運動会、臨海学校でのレクリエーションを考える委員を。
先生・学級委員(児童)・レク委員(児童)
分かります?武官だ文官だと言っても、公務員には違いない。
そう、学級の仕組みで見れば先生以外はすべて児童という話と何の違いも無い。
文民統制で、責任を持ち、決定権を持つのはあくまで政治家だけ。
でも、ブンミントーセーだと責任や決定権の一部が文官にまで及んじゃってる。
こんなのおかしいよねぇ~
じゃあ、文民統制でこれはどうなっているのか?大体の国で文官も武官も国防省にいるんですが、それはあくまでも仕事の内容によって分かれているだけ。
これを簡単に言えば、いや、難しく言えば軍令と軍政って言葉になる。
なにそれ?
遠足の話でまず頭を柔らかくしましょう。
今更だけど、登場するクラスにクラス名を付けるの忘れてた。
先生が全部決めてるクラスはA組、児童が決めてるクラスをB組とします。
まず、普通のクラスB組のお話。
B組では、レク委員が中心になって、持っていくお菓子について話し合いました。
当然、持ってきたお菓子を確認したり、忘れものチェック、お弁当の時間にルールを守っているかを見まわるのもこの委員の役目。じゃあ、学級委員は遠足のときは関係ないのかって?
いやいや、学級委員は常日頃やってる通り、出欠確認や集合時にちゃんと仕事をしています。
当然、役割分担してるから、何かあったら、この二人が先生に報告に行くし、怒られるのも二人。
じゃあ、A組は?
A組では、先生と学級委員があれこれ決めちゃってる。
みんなに持ってくるお菓子を指示する先生の話は、学級委員からレク委員へ伝えられて、レク委員が個々の児童に言って回る。
レク委員はみんなの持ってきたお菓子の確認や場合によると一緒に買いに行かされたりしてる。
で、それを学級委員に「ちゃんとやったよ」と報告する。
学級委員は、他の児童にも聞きながら、「レク委員はB君と駄菓子屋で買い食いしてました」と先生に報告する。
で、こう言うイラン事で先生にレク委員とB君が怒られる。
遠足当日も、学級委員が他のクラスのレク委員の仕事もやってレク委員はそれについて回るだけ。
何かあったら、また、学級委員は「レク委員が入っちゃいけないところ行ってA君と遊んでた」と言われ、レク委員とA君が怒られる。
なんか、A組のレク委員て、悲しいね・・・
で、実際の話、ここまでは酷くないと思いたいけど、実際の自衛官の立場はこのA組のレク委員並。これがブンミントーセーの実態なんだよね。
これまでに書いてきた、政治家とのコミュニケーションが無い、議会や閣議、大臣に直接説明する場所が無いという話。A組のレク委員そのままでしょ?
じゃあ、B組は?
これを現実に置き換えると、一般の事務や人事をやる文官や武官。ここが学級委員の仕事。
で、部隊で作戦立案や訓練なんかをやり、実際に戦場や災害現場へ出る武官。これ、何かのレク活動の時に活躍するレク委員と同じ。
こうやって、ちゃんと役割を分け合っている。
おいおい、あの軍政と軍令はなんだよって?
軍政というのは事務や人事をやる人たちの仕事の事、軍令とは実際の現場部隊を指揮する人たちの仕事の事。
予算の事や人事の事は軍政の担当者が、実際の作戦や予算に要求されてる新購入兵器の事は、軍令の担当者が、それぞれ議会や閣議で説明する仕組みにもなっている。
が、日本はA組だから、全部軍政側の担当者がやる。
で、この軍政側、特に文官は一般の公務員試験を受験して、大半は事務関係に関する研修しかしないから、軍令側の知識はゼロ。
その人がすべてを説明して、あるいは自衛隊で起こった事件事故、探知したミサイルや不審船の情報を政府へ報告する。
だから、専門用語で説明されてもチンプンカンプン。自衛官は彼らに分かるように再度説明して、それでやっと政府に報告が上がる。
そりゃ、報告が総理や大臣に行くまでに時間がかかるし、伝言ゲームにもなりやすい。
総理や大臣の隣に参謀長みたいな軍人が居れば、彼が直接報告するから、二度手間にはならない。誤解や齟齬も生まれ難い。
と、ここまで見て来ても、やっぱり疑念を持つ人もいるでしょうね。
「武官というのは暴走する事があるから文官が監視しないといけないんだ」と。
では、防衛事務次官だった守屋氏みたいな大不祥事やった文官は誰が監視してるのかな?
もしかして、防衛省の不祥事は全部武官と片付けてないかな?
ブンミントーセーを語る時には文官と武官を分けて発言してる人が、何か不祥事があると「防衛省は!」って、武官と文官を一緒にしてないかな?防衛省や自衛隊には、武官と文官がそれぞれの役割で仕事をしてる。
彼らを監視するのは、防衛大臣や副大臣、政務官という政治家たち。
そうした政治家のの監視・指導の下で仕事をしてるのが防衛省・自衛隊なんだよね。
だって、そうじゃなきゃおかしい。
そう、たとえば財務省の話にしてみると、「主税局員は徴税で不正をやって、過小に徴収報告してるかも知れないから、主計局がちゃんと監視して予算を編成できる徴税をやらせなければいけない」とか言ってるようなもんなんだよ?
防衛省や自衛隊以外、部局の優越関係なんか問題にならないでしょ?
それなのに、防衛省や自衛隊だけは特別視してるんですから、良く分かりません。
さて、誤解を生みそうな簡単すぎる説明になりましたが、これが文民統制についての基礎です。
いつになったら、ブンミントーセーがちゃんとした文民統制になるのかな・・・
続く