結婚
この物語は創作です。モデルはありません。
夫のマサヒロは、東京に本社がある大きな電気会社の社員だった。
高卒で、日本国内中にある会社の設備のメンテナンスを担当者していた。だから年がら年中出張に行く。
治子に会ったのは、地方から転勤して来て社員寮に入っており、寮は治子が働く百貨店の直ぐ近所だった。
ズボンが破けたのを直しに、治子の店に出しに来たのだ。
そんなに事が何回か続き、お互い話すようになった。
百貨店の地下街は、それこそおかずも弁当もレストランも何もかも揃っていた。
マサヒロはこの店に洋服を直しに来たついでに下で弁当を買うが、ここはその辺の店より高い....と苦笑いしていた。
治子より1歳年下だと言うマサヒロのそんな、はにかんだ表情に、治子は胸が痛くなるような母性愛を感じ、良かったら、たまにお弁当作ってあげましょうか?私も毎日お弁当ですし?と提案してみた。
半分冗談で言ったつもりだったが、マサヒロは本気にして大喜びし、それから2人は連絡を取り合うようになり、直ぐに恋人同士になった。
治子は生まれて初めての真面目な恋に、完全に我を忘れた。
そう、治子を通り抜けて言った今までの男達がクズみたいに思えた。
心と身体を求め合う、男女の恋がこんなにも嬉しくて楽しくて、幸せだなんて事、マサヒロに出会うまで知らなかった。
そしてこんな事も知った。男の人は、女性を大切にして守ってくれようとするものなのだ。身体だけ欲しがる存在じゃ無いんだって事を。
初めてマサヒロと寝た時、治子は、初めての時のように緊張してしまった。
しかも、マサヒロは先輩に一度連れていかれたその手の店でプロに手ほどきされた事があるだけで、彼女は治子が初めてだと言うでは無いか!
治子は感激し、2人が結ばれた時、2人で嬉しくて泣いてしまった。幸せになろう、誰よりも。その日は手を繋いで朝までぐっすり眠った。
マサヒロと治子は、急遽、籍だけ入れて、マサヒロの転勤した田舎の地方に一緒に付いて行く事になった。
実家のうるさい母親も、治子が真面目な男と結婚したのがまんざらでは無いようで、少しまとまったお金をへそくりで持たせてくれたりした。
治子22歳、マサヒロ21歳。治子は幸せだった。私、この人と必ずいい家庭を作り上げる‼️
それは治子の、プライドと、夫と、女体との戦いの幕開けでもあった。
好きな人と結婚して幸せになろうと決心する治子。人生これからが勝負だ!