再会
この物語は全て創作です。モデルはありません。
治子がやっとの思いで毎日をやり過ごしていた頃、喜山と再会した。
それはまるで、治子を見守っていた誰かが、喜山を寄越してくれたようタイミングだった。
花苑は、一見さんお断り、紹介で紹介で逆を繋いで来た商法が成功し、不景気にも関わらず、ずっと安定を続け、その後、二階に高級スナックを開店。
花苑の女将も息子夫婦に代替わりし、治子はそのスナックの雇われママになった。治子も52歳になっていた。
娘達も結婚したり、キャリアウーマンだったりと、心配無く生活している。
元気一杯の老女の瑠璃子も、最近は前ほど飲みに来ない。
そんな時、喜山が店に表れたのだ。昔と全く変わらない笑顔で。
海千山千で生き抜いて来た治子であったが、喜山の顔を見て思わず泣いてしまった。
10年ぶりの再会だった。
喜山は治子と別れたあと、いや、正確には治子とは何もなかったのだが、妻がすぐに亡くなり、しばらくして正式に美佐子と結婚した。
それは、花苑の女将から話を聞いていた。
そして2年前、美佐子も病気で亡くなったと言う。
喜山は笑いながら言った。
『この歳で恥ずかしいけど、また治ちゃんと遊べないかい?昔みたいに』
治子は自分も離婚して1人になってしわまった事。どうやら自分の一途さがマサヒロには負担だったらしく、他の女性のところに行ってしまった事などをポツポツと話した。
喜山は黙ってグラスを傾けていた。
そして無邪気に言った。
『じゃ、僕も治ちゃんも、自由だね?』
治子と喜山の昔の贅沢な時間が復活した。口に合う食事。高級な酒。会員制健康ランドで、垢すりに全身エステ。
そして、今度はちゃんと身体を合わせた。大人同士の恋。
治子は老いが少し見え始めた喜山の腕の中で、思いっきり乱れ、甘えた。
久しぶりにゆっくり安心して眠れた。
喜山に再会し、深い付き合いを始めた治子。このまま2人で生きていけるかな?




