15連目
図書館に来たカイトは、目当ての本を読み耽っていた。
(なるほど、この世界には大きなダンジョンが7つあるのか)
カイトが読んでいるのは、ダンジョンについて書かれている本だった。本には、ダンジョンの事について色々と書かれていた。
本によると、このフェルフフェリアには大きなダンジョンが7つ(セブンスダンジョンと言うらしい)が有るらしく。未だに攻略されていないとか、その他に小さいダンジョンがあり、此方は数も多く、攻略しダンジョンコアを破壊しダンジョンがなくなっても、違う場所で別のダンジョンが生まれるらしく。全てを把握できていないらしい。
セブンスダンジョンは各国々に1つずつ管理されており、今いるフェルノート王国にも1つ有るらしい。
(う~んそんな話ギルドで聞かなかったたんだよな~何処にあるんだろう?それにフェルが言ってたのはセブンスダンジョンの事なのかな?いや小さいダンジョンも多いから見つけ次第攻略でいいのか?)
本には、セブンスダンジョンを全て攻略した時の事が書いていなかった。
「やっぱり自分で攻略してみないと分からないか」
カイトは、小さくそう呟くと本を閉じ、違う本を探し始める。
次にカイトが読んでいる本は、国の事が書かれている本だった。本によると、フェルフフェリアには、セブンスダンジョンと同じで7つの国があり、それぞれ
・フェルノート王国
・エルドランド帝国
・トリスタン公国
・トライジスタ共和国
・フリーレイル神聖国
・ロックドラム獣王国
・ユグドラシル神樹国
と言うらしい。
数年前にダンジョンが多発して出来た事で、国同士の戦争は一時終結し、今は国同士助け合いダンジョンを管理しているらしい。
(なるほどね~僕の神眼じゃあ世界の情勢は見れないから丁度良かった。)
カイトの神眼は人や物、魔物などのステータスは見えるが広い範囲やこの世界の事は見ることができなかった、その為世界の情勢が書かれている本やダンジョンの本はとても勉強になった。
「キーンコーンカーン」
カイトが本を読んでいると、昼の時間を知らせる金の音が館内に響き渡った。
(お昼か、取り敢えずここまでかな)
(この後は、ダンジョンに行ってみようかな~)
カイトはそう考え、本を元の位置に戻し、外に出ると、再びギルドに向けて歩き出す。
ギルドに着くと、カイトは早速裏にある転移魔法の所まで行く。ギルドの裏には、模様が書かれた扉が2つあり、それぞれの扉には張り紙がしてあった。右の扉には攻略済みダンジョンと書かれ、左の扉には5階層攻略済みと書かれていた。小さいダンジョンには名前がない為、こうして攻略の進み具合で判別していた。
「どうしようか?ニュアどっちがいいと思う?」
「きゅう?きゅ!」
ニュアに聞くと、カイトの頭の上で器用に前足を上に上げ、攻略済みのダンジョンを指した。
「分かった」
カイトはそう言うと、ニュアが指した方の攻略済みダンジョンに入って行く。扉を開くとそこには魔方陣か描かれた地面があり、カイトは、その地面に移動する。するとカイトの視界が白く染まり、一緒にしてダンジョンに移動、ではなく、ギルドに有ったのと同じ内装の小屋の中にいた。
「ついたのかな?」
カイトはそう言い小屋の外に出ると、さっきまで風景と違い目の前には、洞窟の入り口と門番らしき人が2人立っていた。
近くに行くと、数人の男女が門番の男にギルドカードを見せ洞窟に入る所だった。数人の男女が洞窟に入るのを待ってから近づいたカイトは、門番の1人に話しかける。
「すみません、ダンジョンに入るにはカードを見せればいいんですか?」
「そうだね、ダンジョンに入るのは初めてかい?」
「はい、昨日王都に着きましてダンジョンの入り方がわからなかったんです」
「なるほど、じゃあ説明するよ。このダンジョンは冒険者ギルドで説明されたかも知れないけど、攻略済み洞窟型ダンジョンでダンジョンに入ると下に降りる階段がる。下に降りると、道が広がってるからまた下に降りる階段を探す、各階層にはボスがいるからそのボスを倒すとアイテムが手に入るから倒して見るといい。ただソロ倒すとなると5階層辺りまでだから注意してね、6階層からはボスが強くなるからソロで挑まない方がいいね。最後に各階層にある転移陣に触れるとここに帰ってこれるから危ない時はそれを使ってすぐ帰って来るんだよ」
門番の人は、ダンジョンについて丁寧に説明をしてくれた。
「なるほど分かりました。ちなみにここのダンジョンは何階層まであるんですか?」
「全部で10階までだね最下層に行くとダンジョンコアがあるから直ぐに分かるよ。あぁあと、ダンジョンコアは壊さないでねダンジョンがなくなってしまうから」
「はい、分かりましたありがとうございます」
カイトは、親切丁寧に説明してくれた門番にお礼を言うと、洞窟の中に入って行く。