関話1
王都に入りカイトと別れたエリナは、馬車の中でカイトとニュアの事を考えていた。
(あ~ニュアちゃん可愛かったな~カイト様冒険者って言ってたけど、またどこかで会えるかしら?)
エリナはそんな事を考えている内に、
「お嬢様、着きました」
馬車の小窓からエドガーが声をかける。エリナは「分かりました」と言い馬車の外に出ると、そこには白を基調とした王城があった。
今回エリナが公爵領から出た目的は、小さい頃からの幼なじみの第1王女に会うためである。二人は昔から中が良く、いつも王女様が公爵領に遊びに来ていたが、王女様を王都の外にあまり頻繁に出すわけにも行かない為、今回はエリナが王城に遊びに来たのだ。
エリナが王城の中に入ると、玄関ホールにメイドの1人が立っていた。先に王城に遊びに行くことを王女様に手紙を送っていたため、王女様が気を聞かせてくれたのだ。
「エリナ様、ようこそおいでくださいました」
「アンナさん、お久しぶりです」
メイドが深く一例し挨拶をすると、エリナも挨拶を返した。メイドの名前は、アンナと言い王城のメイド長兼王女様の専属メイドをしていた。
「長旅大変だったでしょう、フローラ様がお部屋でお待ちですよ」
アンナはエリナを労うと、第1王女のフローラが待っている部屋に案内する。
「着きました、此方です。」
「ありがとうございます」
アンナの案内でフローラが待っている部屋についたエリナは、アンナにお礼を言い、ノックをして部屋に入る。部屋に入ると白を基準としたドレスを見に纏った、エリナと同い年位の美少女がドアを開けたエリナに抱き付いてきた。
「エリナ!」
「フローラ様、お久しぶりです」
「2人の時は様なんていらないわ、フローラよ」
「ですが……いえわかりました、フローラ久しぶりの再開で私も嬉しいけどちょっと痛いよ」
「あ、ご、ごめんなさい」
ドレスに身を纏っていた第1王女フローラは久しぶりに親友に会えて思わず抱き付いてしまったのだ。エリナも久しぶりの再開で嬉しかったがフローラが先に抱き付いてしまった為、嬉しさを表現するタイミングを失ってしまったのだった。
「でも王都まで来るのに少し時間が掛かったんですね、公爵領から普通なら手紙が来て3日位で付くと思ったんですけど4日も掛かってましたから心配してたんですよ?」
2人はテーブルに座り、フローラがタイミングを見計らって入ってきたアンナに2人分の紅茶を頼むと、今回の移動について聞いてきた。
「そうなんです、実はアクシデントがあって大変でした。」
エリナは、ゴブリンの集団やそれをカイトが助けてくれたことなど、ここまでの出来事をフローラに話した。
「えー!ゴブリンジェネラルに襲われたんですか!?しかも討伐したのが私たちと年齢があまり変わらない男の子!?エリナどこも怪我とかしなかった?」
エリナの話を聞いたフローラらは、顔色を悪くし立ち上がるとエリナの体をさわり始めた。
「フ、フローラ、くすぐったいです!私は大丈夫ですよカイト様が守ってくれましたから」
エリナは顔を赤くしながらそう答えると、フローラがそれを見逃さず、ニヤニヤしながら話始める。
「へえ~エリナもそんな顔するんだ。これはもしかして恋の予感?」
「ち、違います、確かにカイト様はかっこよくて優しいですけどそ、そんな、恋だなんて」
エリナはフローラの言葉に顔をさらに赤くし両手で押さえいやんいやんと首を左右に動かす。
「ふふ、ではそこの所をもう少し詳しく教えてくださいな」
そんなエリナを見たフローラは、アンナが夕食の時間と呼びに来るまでエリナを質問責めにするのだった。