11連目
「待たせたね」
カイトが、ソファーに座り5分程がたった頃、エルフの男は書類仕事を終わらせ、ティーカップにお茶?の様な物を2つ準備しテーブルにおく。
「いえ、大丈夫です」
カイトはそう言うと、エルフの男性を改めてみた。耳が長く、緑色の髪が肩まである、青年だった。
「ふふ、そんなに気になるかいこの耳が?」
「え、ええ初めて見たもので」
「なるほど、君の元いた世界ではエルフはいなかったのかな?」
「!!!」
(ば、ばれた!どうして!?)
「きゅー!!!」
カイトは、その言葉に驚愕し、立ち上がる。その時、カイトの頭の上で寝ていたニュアが下におちてしまった。
「あ!ご、ごめんニュア!」
「きゅうー!きゅ!きゅうー!」
カイトは、ニュアを抱き上げ、両手に抱える様に持つと、ニュアが前足でカイトの胸元をぺしぺしと抗議する様に叩く。
「くふ、くふははははは!ごめん、ごめん、なかなか可愛らしい従魔じゃないか!まあ取り敢えず座ってよ、ここに連れてきた理由も含めて順番に話すからさー」
エルフの男性はお腹を押さえ爆笑していた。カイトは取り敢えず、男がなにもしないとわかったので警戒はし、ソファーに座り直す。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。先ずはどうして君が異世界人だと分かったかだけどね、私には精霊王の眼と言うスキルがあるんだけど、このスキルは見た物のスキルや嘘などを見抜くスキルでね、君が初めにこの部屋に入って来た時に使わせて貰ったんだよ。」
(な、なるほど、でも僕は隠蔽の効果が付与されてるローブを着てるからその手のスキルは聞かないはずなんだけど、も、もしかしてローブの効果が効いてないのかな?)
エルフの青年の話に疑問を持ったカイトは、自分の着ているローブに、隠蔽の効果がちゃんと付与されてないんじゃないかと不安になった。
そんな事を考えていると、エルフの青年が、カイトの考えて入る事がわかっているのか、答えを話始めた。
「ふふ、君の隠蔽はちゃんと効いてるよ、私のスキルが特殊なだげさ、このスキルは隠蔽を持っていても効かないんだよだから、君のスキルを見た時、異世界人だとすぐ分かったんだよ。勿論君の抱えている神獣の事もね。」
「ええ!そんなの防ぎようがないじゃないですか!」
「勿論、万能ってわけじゃあないよ、このスキルを使う度に私は、代償として寿命を1年支払わなければならない。て言っても私は見た目通りエルフだからあと150年位生きられるんだけどね。あはははは!」
エルフ青年は、右手を頭の後ろに持って行き、笑いながらそう話す。
(あはははって笑い事じゃあないような気がするんだけど、もしかしてエルフジョークだったのかなあ~まあでもスキルがかなり強いのは分かったしここは隠さず話した方がいいのか?)
カイトは、エルフジョークに困惑し、また、自分の事をどう説明すればいいかを考えていた。
「はあ~、分かりました、全て話します、但し僕の事は誰にも話さないでほしんですけど」
「勿論!誰にも言わないよ、それとまだ自己紹介がまだだったね、私の名前はクロン・ファーレム、クロンと呼んでくれ、王都のギルドのマスターをしているこれからよろしく。」
エルフの青年がクロンと名乗った事でカイトも思い出したかのように自己紹介をする。
「僕の名前はカイトです、知っての通り異世界人です。よろしくお願いします」
自己紹介を終えたカイトは、クロンに転生してきた事を話す。
「なるほど、大体は分かった、つまりカイトは元の世界で事故に遭い死んでしまい、そのあと神フェル様に遇い此方の世界に転生したと言うことだね」
「はいそうです」
自己紹介を終えたカイトはクロンに、フェルフフェリアに転生した理由を説明していた。
「それでカイトは、今後どうするんだい?」
「そうですね、取り敢えず今は王都で冒険者をやろうと考えています。慣れてきたら各地のダンジョン攻略をしていきたいですね。」
カイトは、クロンに自分の目的について話す。
「ダンジョンか~、確かに最近各地でダンジョンの発生率が増加している、ここ王都も2つダンジョンがあるんだよ。」
「ええ!そうなんですか?」
(なるほど、フェルは王都にダンジョンがあるから王都に向かえと言っていたのか)
カイトは、神フェルが手紙に書いていた事がここに来て理解できた。
「そうだね、1つは王都から南西に行けばある洞窟の中に10階層ほどのダンジョンがある。このダンジョンは既に攻略済みで冒険者の狩り場として使われている。そして2つ目が南東にある廃墟がダンジョンになっている。このダンジョンはつい先月見つかったばかりでね、まだ5階層までしか攻略されてないんだ、だから何層まであるかはまだ分からない」
クロンは、王都の近くにあるダンジョンについて説明し始める。