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S h i o n ー荒野の少女ー  作者: D@isk
荒野に生きる少女
9/9

GAME 『後編』

午前1時、オルタの街での戦闘はまだ続いていた。

そんな中、二人の男が街中を走り回っていた。

彼らはGAMEのプレイヤーだ。

いつもの様に街に住む住人を殺していた。しかし、今回は違った。同じチームのメンバーが次から次へと殺されるという情報が入ってきた。

男たちは思った。なぜ……こんな事に……?


「はぁはぁ……、ここまで逃げりゃもう追ってこないだろう」

「だな、しかしなんでこんな事になりやがった」

すると、透き通るよな声が二人の耳に入ってきた。


ーそれは貴方が、アウトローでGAMEのプレイヤーだからよ?ー


二人は武器を構え辺りを見合わすと再び声が聞こえた。


ーどう?追う立場から追われる立場に変わった気持ちはー


すると今度はザッザッと地面を蹴る音が聞こえた。二人は音がする方に向くとそこには黒いロングコートと腰まで長い黒い髪、そして、右手にはアサルトライフルを肩に乗せ口にはタバコを吹かした女性が目に入った。

「女ぁ……てめぇの仕業か……」

一人の男がその女性に睨みを着せるながら銃口を女性に向けた。

「ひとつ……あんたに忠告しとくよ。銃を人に向けるもんじゃないよ?」

「なんだと……?」

女性はそう言うと素早く動き男に近寄り自分の銃の先に持ち直し相手の右胸にグリップ部分で思い切り振りかぶった。

「……ッ!!!」

ボキッという肋骨が折れる音と共に男は崩れる様に地面に落ちかけた。しかし、彼女はそのまま今度は彼の顎目掛けて突き上げる。

ガスッという音と共に今度は男は後ろに反るように倒れる。男の口は歯が折れ目は白目をむき体は痙攣した。

「あ……あ……」

仲間の男は動くことが出来ずただただ全て見ることしかできなかった。

女性は今度は銃口を男の額に向け、一言つぶやいた。

「……向けていいのは自分の命をかけてもいい時しかないのよ?おわかり?」

そういうとズドンという音共に男の頭は砕け落ちた。

彼女はシオンの師匠、レベッカ。

彼女は別名こう呼ばれていた。


ー荒野の悪魔ーと……


別の所ではアウトローとハンター通しの撃ち合いが繰り広げていた。

街の北側にはデッドウルフ。南側にはブラッドベアというアウトローチームがそれぞれ陣取っていた。

そして、北側にはアリスが向かっていた。

「……なんだ?ガキンチョ……死にたいのか?」

デッドウルフのチームリーダー、ガイザックが椅子に座りながらアリスに睨みつけ言った。

「死ぬのは……貴方だよ?」

アリスはマシンガンをガイザックに向け戦闘体制をとった。

「ふん……そんなに死に急ぎたいのか?」

ガイザックは椅子から立ち上がると二丁の銃をアリスに向けた。


ガンガンガンガンと撃ち合いが始まった。

アリスは瓦礫に隠れながら反撃のチャンスを伺った。

「ふははは!どうした?あの威勢はどこいった?俺を殺すんじゃねぇのか?」

ガイザックは笑いながら撃ち続けると弾が切れた。ガイザックは瓦礫に隠れ弾を入れ替えた。

アリスは素早く走り出しガイザックに向かった。

「はぁーー!」

アリスはそう叫ぶと共に二丁のマシンガンを撃ち始めた。

ガガガガと撃つが全て瓦礫に阻まれガイザックに当たらない。

「無駄無駄!」

ガイザックは今度はアリスの弾切れを待った。

カチカチと音が聞こえた。ガイザックはアリスのマシンガンが弾切れしたと感じ瓦礫から出た。すると目の前には銀色に輝く刃がガイザックの目に入った。そして……

ザクッと右目に刃が刺さった。

「あぁぁぁぁぁぁ……」

あまりの痛さにガイザックは叫んだ。

アリスはガイザックに近づき縦刺さったナイフの柄をもつと無理やり右に90度に曲げそのまま左にスライドした。

「うがぁぁぁぁぁあ……」

ガイザックはそう叫ぶとそのまま息絶えた。

「子供だからと言って……甘く見ないで?」

アリスはそう言うとみんながいるキャンプに戻るのだった。


南側ではシオンとガトリングガンを武装した男と戦っていた。

次第に近づくガトリングガンの男に息をひそめるシオン。

男はシオンの隠れるところまで近づき銃口を建物の間に向けた。しかし、そこには誰もいなかった。その時だった、頭に痛みが走った。そして、声も上げることもなく男は膝からうつ伏せになりそのまま動かなくなった。

男の後ろには赤髪の少女シオンが刀を振り血を払いのけていた。

シオンは(アクセレーション)を使い瞬時に男の真上を取り頭を刺したのだった。

シオンは男の持っていたガトリングガンを奪いデッドウルフのリーダーがいるキャンプに向かった。


デッドウルフのキャンプには生き残ったメンバーとリーダーガウラがここから逃げ出す裁断を考えていた。

すると、ガガガガと銃声が鳴り響いた。

弾はガウラ以外のメンバーに当たり大量の血しぶきが飛び散った。

「な……んだ……?」

ジャラジャラと何かが引きづる音が聞こえた。

前方を向くとガトリングガンを持ったシオンが歩いてきた。

「あなたの地獄の案内人……と言っときますか?」

そう言うとガトリングガンを落とし空いた右手を刀を抜きガウラに向ける。

ジリジリと近づきガウラは怯えた。そして…彼は手を挙げ降伏した。

「た、助けてくれ!し、死にたくなんだ!」

しかし、シオンはその言葉に目は鋭くし低い声で呟いた。

「そう言って……あんたは何人、何十人殺した?」

そう言いながらシオンは上に挙げたガウラの両腕を切り落とした。

「うがぁぁぁあー」

ポドポドと両腕だけが地面に落ち残った腕からは大量の血が噴水のように吹き上げ雨のように落ち始めた。

ガウラは尻餅をついてシオンを見上げる。

「あ……あ…」

「許してもらいたい?死にたくない?」

シオンの質問にガウラはこくりと頷く。

「なら……『手を地面に付けて』謝って?それなら命だけ助けてあげる」

ガウラはすぐさま膝を地面に座り直して手を地面に降ろそうとした……が、その手はすでにガウラに無かった。

「え……あ……おまえ……まさか……」

ガウラは自分の心臓音が聞こえる。

そして、目の前にはシオンが立っていた。

ドクンドクン……

ーだめ……見たいね?じゃあ……許してあげられないわね?ー

ドクンドクン……

ー謝るなら地獄に行ってそこで好きなだけ謝ればいいわー

ドクンドクン……

ーバイバイー

そう言うとシオンは刀をガウラの頭上に降ろした。


全てが終わり。シオンたちは自分の街に戻っていた。

あの後、難民者を近くの街に避難させた。

結果、街の住民は20人が犠牲になった。

それでも50人は助け出すことに出来た。


シオンたちは街に着くとそこにはテッジとギルドマスターが待っていた。任務の報告し各々戦いの癒すため別れた。

そして、シオンも自室に戻りようやくテッジのリクエストだったカレーを作り、レベッカとテッジ、そしてアリスと一緒に食べるのだった。


《第9章に続く》






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