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S h i o n ー荒野の少女ー  作者: D@isk
荒野に生きる少女
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シオンの力

これは今から1年前の事だ。彼女、BBと私、シオンが出会ったのは。

私は何時ものようにギルドで怪物退治の依頼を請け負った。

場所はエリア634番地。小さな島々が並んだエリアだ。

そこには8つの頭を持つ体長10mほどある『ヤマタノ』と言われる大蛇が出現し多くの人が被害が出ているから退治してくれとの依頼だった。

出現したヤマタノは強敵だった。それぞれ独自の思考があるようで襲いかかる。そんな中BBが助けてくれたのだ。

BBはたまたまここで、例のごとく発掘をしていた。で、ヤマタノが暴れてることを知り駆けつけてくれたのだ。

BBの助け。そして私の『力』の解放もありヤマタノを撃退することに成功した。

その時、ちょっとした副産物を手にできたがそれは後で話すとして。今はあの猿、パラライコングをなんとかしなきゃ。


「えぇーりゃあぁー!」

BBがチャクラムを投げつけ電気猿に傷をつける。私もハンドガンで応戦するが…

「ブフォーーー」

全く倒れる気配がない…。

私は弾が無くなり急いで補充し再び攻撃しまた補充の繰り返し。BBは戻ってきたチャクラムを掴みまた再び投げる。

そんな作業が30分続く。

こうなりゃ賭けに出るしかない。私はハンドガンをホルスターに戻し、そして背中に背負った一本の刀を手にかけた。

BBは私の行動に気づき、

「シオン、やっぱその刀あの時の?」

「うん、後『力』も解放するから離れて?」

「OK」

そう言ってBBは私のそばから離れた。


私にはハンドガンと言った遠距離型の武器だけでなくこういった近距離型の武器も得意。

そして、この刀こそヤマタノを倒した時に手に入れた武器。『アマノムラ』と名付けた。

何故、そんな名前を付けたかと言うとこれには理由がある。

師匠との修行時代にたまたま読んだ本でこんな伝説があった。

日本と呼ばれる国の神話に出てくる八岐大蛇やまたのおろちという、頭が八つある大蛇だ。そして倒した尻尾から出てきた剣、草薙くさなぎの剣。別名、天叢雲剣あまのむらくものつるぎ。まさにあの時の怪物にそっくりな事が起きていた。

ちなみにヤマタノは人だけでなく鉱石とかも食らうと言われていておそらくこの刀もその鉱石が一つの塊になったのではないかとBBが言っていた。

私はこの刀を相棒の一つとしてここに持ってきた。正解だったなぁと正直思った。

そして、もうひとつ私は自身の力を引き出すため精神統一をした。


*****


シオンから離れたBBは彼女を見つめた。そして、あの日彼女と始めてあった日の事を思い出した。

BBはあの日黄金が眠ると言われた装飾品を探していた。そんな時大きな地響きと大きな叫び声が聞こえた。

駆けつけると8つの頭を持つ大蛇とハンドガンとコンバットナイフで戦っている赤髪の少女がそこにいた。

流石に無茶だ。BBはそう思った。

元々人がいいBBはその少女に向かい助太刀を買って出た。

しかし、予想以上に強いヤマタノに圧倒された。BBはここは一旦引く事を考えたその時だった。

「BBさん!除けて!」

赤髪の少女、シオンの叫び声に前を向くと大蛇の尻尾が迫り腹部にダメージを受け、後ろに吹き飛ばされた。

「きゃっ…」

BBは吹き飛ばされるもなんとか起き上がり体制を直したが腹部がズキズキと痛みが走った。

ヤマタノはターゲットをBBに向け迫ってくる。

まずい…。とBBは思った。

まさか、助太刀するはずの自分が足手まといな事になるなんて。

その時だった、突然大蛇が後ろに吹き飛んだのだ。そして、同じ瞬間目の前にシオンが現れた。

「シ、シオン?」

BBにどうやって?と聞こうと思ったが聞けなかった。

シオンの顔つき。気配がさっきまでとは違っていたからだ。

そばにいるだけで寒気がくるその代わりようにBBは驚いた。

再び、シオンの姿が消えたかと思うとヤマタノの首が一つまた一つと落とされたのだ。

シオンの力。それは瞬間速度能力アクセレーション。身体能力を瞬間的に飛躍する。

但し、その力も限界があり3回まで使えずそれ以上使うと体に変調を来たし動けなくなってしまう。

「うおーーー!!」

シオンの叫び声と共にヤマタノは打ち倒した。


BBは記憶を遡っているとシオンは鞘からアマノムラを抜き身構える。と同時に彼女は顔つきと雰囲気を変えた。

「すぅー」とシオンが一呼吸するとパラライコングに向かって走り出す。

パラライコングは拳を作りシオンに殴りかかろとするが彼女はそれを避け一太刀入れる。

すると今度は全身の体毛を震わせ静電気を作り出す。充分の電気を蓄えたのか電気を放つ。

「シオン!」

BBが叫ぶと同時にシオンは先を読んだかのように右左と避けた。

パラライコングは苛立ち、今度は爪を立て上に挙げる。しかし、パラライコングは動かなかった。

その瞬間、シオンの姿も消えていた。アクセレーションを使ったのだ。

パラライコングはわけも分からずあっという間に肉の塊なり崩れ落ちた。

そして、BBの目の前にシオンがふっと現れる。

「ふぅー、ちかれたー」

と、さっきまでの雰囲気とは打って変わり元の人懐っこい顔に戻ったシオンがそこにいた。


*****


本当に疲れた。アクセレーションを使うとあっちこっち痛いんだ。

私はBBの目の前に立ち自分が無事だと見せる。

「お疲れ様、シオン」

「本当だよ。BBは大丈夫?怪我ない?」

BBは笑顔で答えた。よかった、どこにも怪我なくて。

私たちは廃墟を後にした。BBとはステーションで別れ私は自分の拠点となるエリアに戻った。

私が集めた拾得物は合計で5万$だった。

私は自分のボロアパートにようやくたどり着き自分の部屋のドアまで立つ。

「あいつ大丈夫かな。」

私はそう呟きながら右隣の部屋を見た。

孤高のレッドなどと言われてるがそれは違う。

わたしには、ちゃんとした相棒がいる。

わたしの大事な大事な相棒が。


《第5章に続く》


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