表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
S h i o n ー荒野の少女ー  作者: D@isk
荒野に生きる少女
3/9

隕石と大戦

『神の涙』と呼ばれる大量の隕石が地球に落ちたのは今から50年前、西暦2050年の夏の日だと教わった。

始めて、隕石が落下したのは北極。その結果、北極の氷は溶け、海面が上昇し小さな島々は海に飲まれた。その後も地球に観測されてる物で50個と大小様々な隕石が降り注いだ。

大地はえぐれ、木々は燃えた。人々はシェルターに逃げたがそれでも50万人以上の死者、行方不明者が出たと言う。

私シオン・マグナイトは、そんな荒れはれた地球に暮らす1人の人間だ。

そして、今は一時的に仲間バディーを組んでるのがトレジャーのBBだ。

BBは気さくでとてもいい奴だ……

「ん?どうした、シオン?」

「……なんでも……ない……」

私の視線を感じたのか、BBは私を見て問いかけた。

私は確かに、BBを見ていた。

いや、正確に言えば彼女の胸部を……

あぁ、なんか泣けてくるよ……

それはさておき、現在私とBBはエリア45番地の廃墟の街を目指してる。ここには古代機械ロストテクノロジーが眠っている。

実際に幾つか掘り出されたという事例も出ている。でも、まだ全て掘り出されたわけでない。その理由は化物の住処でもあるからだ。

大型の昆虫や突然変異した動物達が徘徊しここに訪れた人間を襲う事件もある。

しかし、危険だからと言って足を踏み入れないわけには行かない。なんせ、古代機械ロストテクノロジーが眠ってるかもしれない。

そんな、ロマンと冒険の匂いに危険な場所に踏み込みのだ。

現に私の相棒はと言うと……

「おっ宝、おっ宝〜」

と、歌いながらはしゃいでる。

「ねぇねぇ、古代機械ロストテクノロジーが見つかったらどうする?どうする?」

「うーん。私はとにかく高く売りさばくかな?私はそう言うの疎いから……BBは?」

「わたし?私は発掘した物によるかな?使えそうな物は自分で修理して自分用に使うけど、手に余る物は専門家に高値で売るかな?」

と、まだ見つけてないお宝の事に二人で話してると目的の場所に着いた。

『初めの惨劇ブラッディ・シティ』。

なぜ、こんなおどろおどろしい名前が着いてるかのか…。それはここで恐ろしい惨劇の舞台になったからだ。それから、世界中に広がった。


考えてもおかしな話だ。確かに隕石により海水面は増し、大地は抉れた。気候、温暖も変わるだろう。それでも、ここまで荒野と砂漠が広がるだろうか。ましてや動物達が急激な進化、そして凶暴化も隕石だけが?と言うのも疑問がでる。

ここまで地球にダメージを与えたのは隕石だけでなく私たち人間もその原因だった。

正確に言うと隕石落下時の、そして国家が存在していた時代の人間たちである。

当時、隕石の衝突により大津波や気温の変動。天変地異が各所に確認されたという。

そして、ようやく落ち着きを取り戻すと今度は食糧危機に発展した。

人たちは恐怖に怯え、そして考えてはいけない思考を思いついてしまった。それは……


『ないのなら。ある所から、奪えばいい……』


誰かがそんな事を言い出した。その結果、各所、各国で暴動や紛争起き、そして戦争までに発展した。

後の第三次世界大戦だ。

化学兵器や大量殺戮兵器。力ある国は力なき国に攻撃しては国を奪った。

その結果、地球は『神の涙』以上のダメージを受け、荒野と砂漠化が格段に広がり動物達も生き残るため進化をしたのだった。


「私たち、人間はバカだよ……」

BBは目前に広がる廃墟の街を見ながらそう呟いた。

「確かに『神の涙』で世界は混乱したろうさ。でもなんで、みんなで手と手を繋がないで奪い合うと言う考えが浮かんだ……」

「理由にはならないけど……多分怖かったんだと思う。」

「怖い?」

「うん。自分が死ぬ事に怖かったんだ。だから、生き残るためなら相手の事なんか考えられなかったんだ。そして、戦争が始まったらもう、みんなそんな事すら考えが消えたんだよ。」

私は答えになってない答えをBBに答えた。

「おいおい、どういう事だそれ?」

BBは私に驚いた顔して聞いた。

「あくまで、これは私の考えだけど。大戦が始まり多くの人が死んだんだ。中には大切な家族、友人、恋人もいたと思うんだ。その結果、憎しみ、憎悪が心を飲み込みだんだん、大戦が泥沼化したんだと思う。」

独自の考えをBBに答えると

「なるほどね、もう食糧危機とかどうでも良くなってしまった訳ね……でも、その結果私たちは」

「うん、めっちゃくちゃ苦労してるんだよねぇ」

そう言うと二人でため息をついた。

そして、BBの「行くか」の問いに私は「そだね」と返し廃墟の中に潜入した。


まぁ、トレジャーの血が騒ぐのかハンターである私には到底わからない。

そりゃあそうだ、私の稼ぎのほとんどが化物や怪物の退治。たまに犯罪者アウトローの捕縛を主にしてる。今回だって小銭稼ぎみたいな物だ。しかし、彼女。BBは違う。

「きゃー、これはまだ世界が安定していた時にあったとされる携帯型ゲーム機じゃない!」

BBがそう叫んだ。

「な、なに?それ。黒いし真ん中に長方形のモニターがあるけど。」

「これは、娯楽品なのこれを使って遊んだんだって!本で読んだことあるからいつかは見て見たいと思っていたけど…あぁ、神様ありがとう」

BBはそう言いながらその携帯型ゲーム機?を胸に抱きしめ顔を天に崇める。

……わからん。やっぱ、私にはわからん。

「……と、とりあえず。BBもっと深いところまで潜入するよ?」

私は呆れながらもBBに聞くと我に帰り、うんうんと頷く。BB、目がめっちゃ輝いてますよ?


潜入から30分くらい経った。

私もなんだかんだ言いながら物色し使えそうな物や売れそうな物をBBに聞きながらだが入手した。そろそろ帰ることも考え、BBに帰ることを告げた。

「ほら、BBもう帰るよ?」

「えぇー!?もう!?まだ、30分しか経ってないじゃない!」

「だめよ、ここは確かに掘り出し物が多いけど、怪物や化物も多いんだよ?」

BBがブーブーと頬を膨らませながら抗議をした。つか、あんた後ろのリュックサック見てみろ。もうパンパンだろうが……

「……もうちょっと……だめ?」

BBが物凄くそして、素晴らしい素敵な笑顔で私に聞いたが、私は済ました顔で

「ダメ」

「……どうしても?」

「ムリ」

「……もう、10分……」

「しつこい」

「……ぐすん」

BBが半分涙目になっていようが関係ない。こんな所に長くいたら……


ズズズン……


嫌な地響きが聞こえた。


ズズズン……


しかもこっちに近づいてるのが肌で感じる。


「グギャアアアア」

「「ぎゃあー出たぁー」」

私たちが振り向くと体長3mあるパラライコングが現れた。


パラライコングとは全身が黄色の毛並みで爪には麻痺毒があると言われてる。しかも、体毛同士こすり合わせ電気を作り出すのだから厄介な話だ。


「BB、行くよ?」

「うん」

そう言うと私は腰のホルスターからハンドガンを抜きBBはチャクラムと言われる、円状に刃が着いた手投げ武器を取り出し電気猿を睨みつけたのだった。


《第4章につづく》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ