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S h i o n ー荒野の少女ー  作者: D@isk
荒野に生きる少女
2/9

BB

ポイズドスコーピオンとの戦闘を終えた私は自分の部屋に戻った。

ここはエリア67番地にある、商店街にほど近いボロアパートだ。家賃2万5000$と割と安価な所である。

今回は5000$だけどもっといい仕事もしてるので家賃には困らないがやっぱり、それなりに貯金は大事だ。

私はテレビをつけるとポイズドスコーピオンのことが流れていた。

『今日未明、ここエリア67番地に生息していたポイズドスコーピオンがシオン・マグナイトにより討伐されました。』

テレビのアナウンスは淡々とポイズドスコーピオンの危険性とか生態系を読み上げていた。

こうして、自分の活躍が流れると嬉しいものだ。

私、シオン・マグナイトは駆け出しのハンターだ。まだ、師匠のように強くないと言うか……つか、師匠のようにはなりたくないと言うか。

確かに師匠は強い。射撃、剣術、武術もとにかく強い。そのおかげで私はこの世界に生きる力をもらった。なんだけど性格がとてつもなく鬼だ。まるで王女様みたいだ。とにかく自分中心に世界が動いていると考えの人でこっちは何度死にかけたか……

まぁ、それはいいとしてシャワーを浴びて、ご飯食べて寝よう。そうしよう。

私は着ていたフードコート、赤い迷彩服を脱ぎ捨ててお風呂場に向かった。


次の日、私はラフな格好でここのエリア67のギルドに向かった。

ギルドの門を開くと煙草の煙と酒の匂いが充満していた。

初めの頃は気分が悪かったが、人間というのは凄いものだ。慣れてしまえばどうとこともない。寧ろ、この匂いがないと不気味に思えるほど体が慣れてしまったのだ。

「おい、孤高のレッドだぞ……」

「マジかよ、確か昨日大型のポイズドスコーピオンをたった一人でぶっ倒しんだろ?」

「あの細腕でどう倒したんだ……」

ギルドに足を踏み入れるとそこら中でヒソヒソと話し声が聞こえた。

まぁ、何時ものことだし気にしたら負けだ。

「じっちゃん、なんかいい仕事ない?」

私はここのギルドマスターに尋ねた。

「おぉ、きよったか小娘。まぁ、今はこれと言った仕事はないが……」

じっちゃんはそう言うとおもむろに資料をパラパラとめくると

「こんなもんがあるぞい?」

そう言うと、一枚の紙切れを私に見せた。

採掘の依頼書だった。

『エリア45番地で古代機械ロストテクノロジー発掘依頼書』

古代機械ロストテクノロジーとはまだ文明が栄えていた頃に流通していた機械のことを言う。今の時代で使えるかわからないけど、もしかしたらその部品でこの時代でも応用できるかもしれない。

たまにこうした依頼もギルドでは扱っている。

「うーん。そだね。昨日はヘトヘトになるまで働いたし今日はこの依頼受けて小銭稼ぎにするかな?」

そう言って、必要書類にサインして受理した。

「じゃあ、じっちゃん、行ってくんね?」

「おぅ、危ぃつけてな」

私は一度自分の部屋に戻り何時もの迷彩服とフードコートを羽織り、必要な武器と弾薬を装備して部屋を後にした。

エリア45番地に行くには砂上蒸気機関車か歩きのどちらかだ。歩きだと金は掛からない。でも、それだけ危険度も増す。しかし、砂上蒸気機関車だと金は掛かるが危険度も少なく、何より早い。歩きだったら5時間かかるのをたった1時間で着くのだ。それに値段も350$だ。貴重な古代機械ロストテクノロジーを見つければ儲け物だ。

私は期待を胸にステーションに向かいエリア67を後にした。


エリア45番地、クリークスに止まった。

ここは鉱山発掘現場としても有名だ。と言っても石炭が主にだけど。

「えーと、たしかクリークスから北西250mほどにある街だったよね?」

そんな独り言を言っていると後ろから声が聞こえた。

「あれー?シオン?シオン・マグナイト?」

振り向くと金髪と緑が混ざった女性がこっちに走って来た。

「BB!?どうしてここに?」

彼女の名はBB。どうしてそういう名前かは実は私も知らない。つか、BB本人も知らないみたい。BBは記憶を無くしていると言っているけど実際そうなのか分からない。でも、彼女の特徴は金と緑が混ざった髪で身長は私より高い167。服装は黒のノースリーブの上に革ジャンと黒いジーンズを履いた女性だ。

性格は気さくで優しいんだけど……。

「久々に会うけど……スタイルいいわね……」

「って、久々に会う親友に向かってそれかい!」

そんな、BBのツッコミなんかより私が気になるのがそのとてつもなくスタイルがいいって事!特に胸が!どういう生活を送ればそんなわがままボディに育つんだか……私なんて、私なんて……と自分の胸部を触ってると、

「おーい、シオン?戻ってこーい……」

BBは呆れた声で話しかけられ私はハッと気分を変え再びBBに聞いた。

「で、貴女はどうしてここに?」

「どうしてって、決まってるでしょ?トレジャーハントよ!古代機械ロストテクノロジーの発掘よ!」

忘れてた。そうだ、彼女はトレジャーだった。

トレジャーとは簡単に言えばお宝捜しを目的にした者たちを指す。西にお宝があれば西へ。東にお宝があるなら東へと至るとこへ出向く。

そして、彼女もその一人でそこそこ有名なのだ。まぁ、別の意味でも有名なんだけどねぇ。

「で、シオン。あんたもなんでここに?」

BBに聞かれ「私もあなたと同じ。」と答えた。

すると、BBは満面の笑みで

「なら、久々に『チーム』組まない?あんたは腕は確かなんだから、あたしのボディーガードしてよ」

などと言ってきた。

まぁ、ぶっちゃけ古代機械ロストテクノロジーを見つけるなんて言ったけど畑違いもいいところだ。なら専門家と一緒だとこっちも都合がいい。

「いいわよ?けど取引よ?見つけたお宝の何割か私にも頂戴よ?ボディーガード料でいいわ」

「オーケーオーケー。そんじゃあ、行きますか!」

BBはそう言って右手を高く上げ大きく叫んだ。


こうして、私とBBの古代機械ロストテクノロジーの発掘へ赴くのだった。


(第三章につづく)



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