1956年12月27日 ある研究者のノート
姫
異能力者の総称にして、蔑称。
新生児から二十代後半の女性のみ。その能力は多様性に優れ、その力の原因、法則性は解明されていない。
新生児は育つが二十代後半になって来ると老化現象が止まる
その存在は有史以前より確認される。地域や国により、天使や悪魔、妖精や精霊、妖怪と呼ばれていた事から人類種を助ける者、敵対する者、中立の者が居たと考えられる。
能力の使用により脳細胞の変質が認められている。その変質は能力の過剰使用、加齢による脳細胞の劣化など。
変質によって起こる具体的な劣化の基準は、一、年齢に合わない幼さで喋る。二、自律神経に異常を来たす為に起こる睡眠中の失禁。三、エピソード記憶の消失。最終段階は理性を失い、魔物となる。
個体差はあるが、能力を一日に百回使い続けた個体の場合、魔物となるまでに約二十年は掛かる。
魔物
姫が能力の過剰使用、乱用、暴走による急激な脳細胞の劣化、変質した姿の総称。
脳、肉体の処理能力の低下により、変異した姿。理性は皆無。極めて凶暴で残虐。
人間の遺伝子を一定数(個体による差異で百人から一万人)摂取すると理性を取り戻し、魔王(後述)へと変異する。