司祭
ちまちまと・・・。
神殿、つーてもそんなデカい建物やなかった。
そらま、そうや。
宗教が金や力もつと、ロクなことあらへん。
まあ、ここが「癒しの神アーオ」の神殿や。
扉を開けると、50すぎ位の上品なおばちゃんがおった。
「あら、リボーさん、お久しぶりです。」
「こんにちは、ローラローラさん。こちらこそお久しぶりです。」
と、おっちゃんは挨拶した。
「あら、黒髪のかた・・・・、まさか・・・?」
「どうもそうみたいなんで、ローラローラさんにお話でもうかがえれば、と・」
「始めましてローラローラさん、エイジと申します。」
オレは、しゃっちょこばって挨拶した。そら当然や、おばちゃん(おい)相手に凄んでもしゃあない
し、重要な情報源やし。なにより、こっちにきて初めて見る黒髪の人や。ただオレとは違って、目がや
や青み掛かってねんけどな。
「ご丁寧にありがとうございます。わたしはここ「癒しの神アーオ」の司祭を勤めさせて頂いておりま
すローラローラ、ローラとお呼び下さい。」
「ではローラさん、すんませんがあなたは異訪人の子孫なんですか?」
「まぁいきなりですね(笑)。まぁそのお姿をみれば、あなたは異訪人のように見えま
すが?」
「異訪人かどうかはわかんないすけど、オレ自身はこの世界の人間ではない、とゆう自
覚とゆうか、その色々ありまして・・・。」
「その話はおいおいお伺いするとしまして、まずはご質問にお答え致しますね。」
「すんません、助かります。」
「いかにも、私は異訪人の子孫です。」
「!!」
「今から300年程前の先祖に、異訪人の男性がおられたそうです。私はその方の子孫
にあたります。」
「で、で、その方はどんな方だったのですか?」
「まぁ落ち着いて下さい(笑)。中へ入って、お茶でも飲みましょう。」
「そだ、ボウズ。すこしは落ち着けって。」
「あ、あい、すんません。」
「ふふ、さぁどうぞこちらへ。」
「うながされて、おっちゃんとオレは神殿の中へと入っていったんや。」