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2 村崎守正-C

更に短いです

  ❤


『モリマサ、ちょっと言いすぎだったんじゃないの?』


 ヘッドホンから、電子音声が吐き出される。カラコロと詠うような声音だ。それが、今日は非難するような声色を帯びていた。


「別に普通だろ」


 液晶モニターの向こう側でツンと澄ました玉藻を見遣りながら、オレは言葉を返した。


 無造作に跳ねた黒い短髪。切れ長の黒眼。精悍な顔立ちで背は高く、着流した雲隠れの着物。腰紐で佩刀した黒塗り鞘の太刀。オレのPC『防人』だ。モニターの向こう側で静々と佇んでいる。


 そして、防人に絡むようにして抱き着いているのが玉藻だ。


 狐耳とフサフサの尻尾を生やした金髪碧眼の美少女。若草色を基調としたくノ一装束で身を着飾っている。


 一狩り終えてマイホームに戻ってきたところで、玉藻が口を開いたのだ。


『一生懸命で可愛かったのに、可哀想じゃん』


「可愛くても可哀想でも、あれでいいんだよ。大体、お前はアイツの肩を持ち過ぎだ」


『だって、同じ女の子だし』


「肉体も無い癖に、何言ってんだ」


『むぅ~っ! タマの肉体はコレなの! 現実の身体なんて飾りです! 偉い人には、それが分からんのですっ!』


「……お前は、また変な言葉を」


『べぇ~っだ!』


 小さな舌を突き出し、玉藻は防人の影に隠れてしまった。その後、影からチラチラとオレの様子を窺っているが極めて無視する。――というか、ウェブカメラも付けて無いのに如何やってオレの表情を窺っているのやら。


 玉藻は、電子生命体以上の何かだな。


「…………」


 先日、オレのクラスメートらしい女の子が見舞いに来た。オレの同級生とは思えないほど小さな女の子で、何故か最初からビクビクと震えていた。


 オレは、またか――と思いながら追い払った。


 厭味ったらしくネチネチと言葉で攻めて撃退した――筈だった。それなのに、女の子は再び病室の扉を開いた。


『と、とと……ととと、ともだちににゃってくらひゃぃ……っ!』


 文字通り、ポカーンとした。何を言っているんだ、この馬鹿は? と脳内がフリーズした。その所為で、オレにしては珍しく素で返してしまった。


『……お前、馬鹿じゃないの?』


 女の子は泣きながら立ち去り、それ以来玉藻が度々オレを非難するようになった。


「……ハァ」


 姉さんにも知られるし、最悪だ。――このお喋り狐娘め。


『……モ、モリマサ?』


 防人の影に隠れながら、玉藻が怖ず怖ずとした様子で口を開いた。


「何だ?」


『お、怒ってる……? ごめんね?』


「――……ハァ。別に、怒ってないから」


『だよねーっ! モリマサ優しいもんね!』


 笑顔を咲かせながら防人の影から出てくる玉藻。――偶に、本気でコイツをブン殴りたくなるな。


 ――……まぁ、いいか。


「ほれ、次の狩り行くぞ」


『えぇ~? タマもう疲れちゃったよ』


「なら待ってろ。その代わり、当分装備の新調は無しだからな」


『タマ頑張るよ~!』


「よし、頑張れ」


 いや、頑張らなきゃいけないのはオレの方か――。


守正君の素ですね。素が出ています


さて、これでプロローグは終了です

次回から本編ですよー

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