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第33話 大喜利はサヨさんを救う!?(実行編)

実話を元にしたオリジナル介護日常小説です!皆の回答や介護あるあるにクスッと笑って頂けたら幸いです。

 ここは、個性豊かな大先輩(ご利用者様)たちが暮らす特別養護老人ホーム『なないろ荘』(入所型介護施設)。 私(中堅介護士)30歳、と新人君(介護未経験者)19歳のバディは、大喜利大会の準備を終え、時刻は9時50分……

 おや、今日もあそこに(精神的に)迷えるご利用者様(サヨさん)がまた1人……



サヨ (……はぁ、私ダメよね……いつまでもこんなメソメソしちゃって……皆に心配かけて……)



ー新人君、サヨさんの居室のドアをノックして入ってくるー

ーコンコンコンッー



新人君 「サヨさん、失礼しますね。」


サヨ 「あら、新人くん?どうしたの?」


新人君 「今日はね、サヨさんの為に特別なイベントを企画したんです!少しでもいいので、観に来てくれませんか?」


サヨ 「まぁ……私のために?でも私……楽しめるかしら……」


新人君 「サヨさんはただその場にいて観てくれるだけでいいんです。辛くなったら途中で自室に戻っても構いませんから!」


サヨ 「……そう?じゃあ、少しだけ……」


新人君 「ありがとうございます!皆、喜びます!では、一緒に行きましょう」


サヨ 「え、えぇ……」



ー新人君、サヨさんを連れて食堂にやってくる。それを見て、職員一同は嬉しそうに頷(うなづ)く。最後に私に合図を送るとー



私 「皆様、本日は急遽お集まり頂き、ありがとうございます!今回は新人くんの提案で、特別に!これから第1回大喜利大会を開催いたします!司会兼解説は、私(わたくし)、仙波(せんば)が、そして!」


新人君 「実況は、俺、新人が務めます!続いて、大喜利大会に参加して下さるメンバーをご紹介します!向かって左から課長、きよしさん、おキクさん、かずおさん、スズさんです!飛び入り参加も大歓迎ですので、面白い回答が浮かんだ方は挙手して下さいね!」



サヨ 「(別のスタッフに促され、席に着く)まぁ、なに?大喜利大会?」



ー様々な無地の半纏を着て帯を締めた人達が食堂の上座に横一列に並んでいる。ちなみにピンクは私、水色が新人君、赤が課長、黄色がきよしさん、紫がおキクさん、青がかずおさんで、オレンジがスズさんだ。ー



新人君 「では、早速1つ目のお題は『こんな介護士は嫌だ』どんなの?」


私 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、仙波さん!」


私 「え!?(『仙波さん』って初めて言われたんだけど!?)あ……えっと、便の匂いで誰がトイレにいるか分かる!」


新人君 「うぇ!?マジっすか!?あ、いや……冗談っすよね?」


私 「1つ目から汚い話で申し訳ないんだけど、これ、結構分かる人います(本音)」


きよし 「おいおい、勘弁してくれよー!便だけに」


職員・ご利用者様一同 「「「あははははっ(笑)」」」


3 年目介護士 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、三上(みかみ)さん!」


3年目介護士(三上) 「真っ赤なペディキュアをしてる!」


新人君 「……ペディキュアってなんすか?」


私 「足の爪に塗るマニキュアの事よ。たまに休み明けで落とし忘れて、ペディキュアつけたまま出勤しちゃう人もいるわね。入浴介助後、スタッフが足洗うとき真っ赤な爪を見ると、血かと思って一瞬焦るやつね(笑)」


新人君・ご利用者様一同 「「「へぇ~!」」」


新人君 「続いて、2つ目のお題は……(お題の紙をめくりながら)『この介護士、絶対にプロだな…』と確信する瞬間とは?」


課長 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、課長!」


課長 「ご利用者様の足音で誰が来たか分かる!」


新人君 「え!?すごっ!!……え?これもあるあるっすか?」


私 「そうね、夜勤して3年目くらいになると分かってくるわね……夜中にこっそり給湯室に行ってるそこのあなた……多分バレてますよ?」


新人君・ご利用者様一同 「「「ひぃ~(汗)」」」


2年目介護士 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、二宮(にのみや)さん!」


2年目介護士(二宮) 「何の前触れもないのにご利用者様の急変を予見する!」


新人君 「おぉ~!これはもう局(つぼね)さんクラスじゃないっすか!?」


局 「せやな!私ぐらいになると、何や嫌な予感が当たることあるわ!当たってほしないけどね!」


新人君・ご利用者様一同 (((うんうんと頷(うなづ)く)))


新人君 「続いて、3つ目のお題は……(お題の紙をめくりながら)介護予防体操で、絶対に言っちゃいけない掛け声とは?」


かずお 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、かずおさん!」


かずお 「(体操のジェスチャーをしながら)こうやって曲げたら骨折れます」


新人君 「それ!絶対に言っちゃダメなやつ!!(笑)」


キク 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、おキクさん!」


キク 「みんなで足踏みして床をぶち抜きましょう!」


新人君 「危ない危ない危ない!!(笑)」


キク 「これ、仙波さん割と言うわよね?」


私 「え!?私、そんな事言ってます!?」


新人君 「パイセン……?(ジト目)」


私 「すみません……気をつけます。」


ご利用者様達 「あらあら仙波さんが怒られてるわ」「なかなか珍しい光景ね」「微笑ましいわ」


新人君 「続いて、4つ目のお題は……(お題の紙をめくりながら)介護士の七つ道具。『エプロン、メモ帳、ペン、ハンカチ、時計、笑顔』とあと一つは何?」


新人君 「(手を挙げて)はい!」


私 「はい、新人くん!」


新人君 「勤務時間ごとのマニュアル!」


私 「それはそう!はい次!」


新人君 「えっ、冷たっ」


総務の佐藤 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、佐藤さん!」


佐藤 「ご利用者様から回収した飴!」


私 「あー、確かに。喉に飴を詰まらせて窒息しちゃうこともあるからね……ってなんで佐藤さんがここに!?」


佐藤 「楽しそうな笑い声が総務にまで聞こえてきたんで、つい……(てへ)」


新人君 「続いて、5つ目のお題は……(お題の紙をめくりながら)『人生で一番役に立たない豆知識』をドヤ顔で教えてください」


スズ 「(手を挙げて)は、はひ……!」


新人君 「はい、スズさん!」


スズ 「ひ、ひらがはぁ〜、抜いても……ぬ、抜かんでもぉ~、ふへる!(ドヤ顔)」


新人君 「……えっと?(私を見る)」


私 「スズさんは『白髪は抜いても抜かなくても増える!』って言ってます!」


新人君・ご利用者様一同 「「「間違いない!(笑)」」」


きよし 「(手を挙げて)はい!」


新人君 「はい、きよしさん!」


きよし 「俺の初恋の人の名前はハナちゃんだ!(ドヤ顔)」


新人君 「いや、知らんがな!!」


職員・ご利用者様一同 「「「あははははっ(爆笑)」」」


サヨ 「……ふ、ふふっ」


二宮 (あ、サヨさん、ちょっと笑った!イケる!イケるよ新人くん、頑張れ……!!)



 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

次回、「第34話 大喜利はサヨさんを救う!?(評価編)」は、11/8(日)の18:00に更新予定です!お楽しみに!

 「サヨさん、笑ってくれた!(泣)」と思ったら★評価やブックマークで応援してもらえると励みになります!

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